『ハリー・ポッター』出演時に受けた人種差別が、ケイティ・リューングの内面に与えた影響が明かされた。
『ハリー・ポッター』映画シリーズでチョウ・チャン役を演じたケイティ・リューングが、当時オンライン上で受けた人種差別的な反発について振り返った。英紙『ザ・ガーディアン』のインタビューで彼女は、その経験が「おそらく私を内向的にさせた」と語り、若くして世界的な注目を浴びたことが、自身の内面や振る舞いに長く影響を及ぼしていたことを明かしている。
『ハリー・ポッター』出演で直面した突然の名声と戸惑い
ケイティ・リューングは、2007年公開の『不死鳥の騎士団』からハリー・ポッター映画シリーズに参加し、ハリーの初恋の相手チョウ・チャン役を演じた。だが、作品への参加は喜びと同時に、想像以上の重圧を伴うものだったという。
当時を振り返り、彼女は「最初から圧倒的だった」と語っている。若い年齢で一気に注目を浴びたことで、「その年齢でスポットライトを浴びるのは、ただでさえ自信がない時期だから、控えめに言っても大変だった」と感じていたという。一方で当時は、「これは学校とは違うし、私は学校が本当に嫌いだった。だからこれは逃げ場になった」とも考えており、現場での経験そのものは楽しんでいたと明かしている。
しかし現在になっても、「今でも、それが私にどう影響したのか、本当のところを理解しようとしているところなの」と語っており、若くして背負った名声の重みが、後の人生に与えた影響について、いまなお向き合い続けていることがうかがえる。
キャスティング反応を追う中で直面した人種差別的言葉
リューングは当時、自身のキャスティングに対してファンがどのような反応を示しているのかを知りたいと思い、インターネット上で検索をしていたという。ハリーの初恋の相手という役どころもあり、世間の声が気になっていたことを隠さない。
「当時、状況を良くしたり楽にしたりするために何かできることがあったかどうかはわからない」と前置きしつつ、彼女は「人々が私について何を言っているのかとても気になって、自分の名前をググっていたのを覚えてる」と語っている。若さゆえの好奇心もあり、「誰も私を止められなかったと思う、だって自分で判断できる年齢だったから」と振り返った。
そうした中で目にしたのが、自身の起用に対する人種差別的な言葉だった。その経験は一過性のものではなく、後々まで影響を及ぼしたという。「それがずっと心に残って、『ああ、人々が私についてこう言っていたから、あの決断をしたんだ』みたいな形で影響を受けたと思う」と語り、「おそらく私を内向的にさせたんだよね」と率直な心境を明かしている。
さらに彼女は、「自分の口から出る言葉をすごく意識するようになった」と述べ、長い間「それを埋め合わせようとして、過剰に補おうとしていたかもしれない」とも振り返った。若くして浴びた否定的な言葉が、自己表現のあり方にまで影響を及ぼしていたことがうかがえる。
人種差別的反発を「否定するよう」求められた当時
リューングは後年、2021年に出演したポッドキャストで、キャスティングを巡る人種差別的な反発について、当時の対応を明かしている。インタビューでその件を問われた場合、広報担当者から否定するよう求められていたという。
彼女は当時を振り返り、「彼らが私に『ねえケイティ、私たちは人々が話しているようなウェブサイトを見ていないの。だからもし聞かれたら、それは真実じゃないって言って。起きていないって言って』と言っていたのを覚えてる」と語っている。実際には自身の目で状況を確認していたにもかかわらず、公の場ではそれを認めない対応を求められていたことになる。
その際の心境についても、「そして私はただうなずいてた。『わかった、わかった』って感じで、自分の目で見ていたのにね」と述べ、「『わかった、うん、すべてすばらしいって言うね』って感じだったよ」と当時の振る舞いを振り返っている。若くして世界的シリーズに参加した立場の中で、彼女が選ばざるを得なかった対応が、その言葉から静かに浮かび上がる。
価値観の変化と、現在の仕事との向き合い方
リューングは現在、Netflixドラマ『ブリジャートン家』のシーズン4でレディ・アラミンタ・ガン役を演じるなど、再び大規模なフランチャイズ作品に参加している。だが、若い頃とは仕事への向き合い方が大きく変わったという。
「今でも演技の技術は大切にしているし、うまくやりたいと思ってる」と前置きしつつ、「でもその日の仕事が終わったら、それを脇に置いて家に帰って別の人生を送ることができるの」と語っている。かつては演技が人生のすべてを占めていたが、「20代の頃は演技がすべてだと感じていたけど、今は私にとってより仕事という感じになってるよ」と、その変化を静かに言葉にした。
世界的な注目の中で受けた経験は、長く彼女の内面に影響を与えてきた。一方で現在の言葉からは、仕事と自分自身との距離を見つめ直しながら、俳優として歩み続ける姿がうかがえる。



