映画『レディ・オア・ノット2』(2026)を紹介&解説。
映画『レディ・オア・ノット2』概要
映画『レディ・オア・ノット2』は、結婚初夜の殺人ゲームを生き延びた花嫁グレースの新たな戦いを描く、2019年公開『レディ・オア・ノット』の続編。前作直後から物語が始まり、世界を裏から支配する名家が参加する、さらに大規模な殺戮ゲームへと舞台を広げる。前作に続いてマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットが監督を務め、サマラ・ウィーヴィングがグレース役で続投。グレースの妹フェイスをキャスリン・ニュートンが演じるほか、サラ・ミシェル・ゲラー、デヴィッド・クローネンバーグ、イライジャ・ウッドらが出演する。
作品情報
| 日本版タイトル | 『レディ・オア・ノット2』 |
|---|---|
| 原題 | Ready or Not 2: Here I Come |
| 製作年 | 2026年 |
| 本国公開日 | 2026年3月20日 |
| 日本公開日 | 2026年8月14日 |
| ジャンル | ホラー/スリラー/コメディ/アクション |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 108分 |
| 監督 | マット・ベティネッリ=オルピン/タイラー・ジレット |
|---|---|
| 脚本 | ガイ・ビューシック/R・クリストファー・マーフィ |
| 製作 | トリップ・ビンソン/ジェームズ・バンダービルト/ウィリアム・シェラック/ブラッドリー・J・フィッシャー |
| 製作総指揮 | グレッグ・デニー/マット・ベティネッリ=オルピン/タイラー・ジレット/サマラ・ウィーヴィング/タラ・ファーニー/ポール・ナインシュタイン/ガイ・ビューシック/R・クリストファー・マーフィ/チャド・ビレラ |
| 撮影 | ブレット・ユトキービッチ |
| 編集 | ジェイ・プリチドニー |
| 作曲 | スベン・フォルコナー(オリジナルテーマ:ブライアン・タイラー) |
| 出演 | サマラ・ウィーヴィング/キャスリン・ニュートン/サラ・ミシェル・ゲラー/ショーン・ハトシー/ネスター・カーボネル/デヴィッド・クローネンバーグ/イライジャ・ウッド/ケビン・デュランド/オリビア・チェン/バルン・サランガ/ダニエル・バーン |
| 製作 | ビンソン・フィルムズ/ミソロジー・エンターテインメント/レディオ・サイレンス・プロダクションズ |
| 配給 | サーチライト・ピクチャーズ/ウォルト・ディズニー・ジャパン(日本) |
あらすじ
大富豪ル・ドマス家による結婚初夜の殺人ゲームを生き延びたグレース。しかし、血まみれの屋敷から脱出した直後、彼女はあの儀式が単独の一族だけで完結するものではなかったことを知る。
世界の覇権を握る〈カウンシル〉の座をめぐり、悪魔と契約した複数の名家がグレースを新たな獲物として選んだのだ。ゲームの目的は、夜明けまでにグレースを見つけて殺すこと。さらに、長年絶縁状態だった妹フェイスまで巻き込まれ、姉妹は手錠でつながれた状態で逃げることになる。
互いに消えないわだかまりを抱えながらも、生き残るためには協力するしかないグレースとフェイス。ふたりは狂気と欲望に取り憑かれた大富豪たちを相手に、血みどろの反撃を開始する。
主な登場人物(キャスト)
グレース・マコーリー(サマラ・ウィーヴィング):ル・ドマス家の殺人ゲームを生き延びた女性。悪夢から解放されたと思った矢先、世界を支配する名家同士の新たなゲームに巻き込まれる。特殊な訓練を受けた戦士ではないものの、極限状態で培った判断力と執念を武器に追っ手へ立ち向かう。
フェイス・マコーリー(キャスリン・ニュートン):グレースと長年絶縁状態にあった妹。姉への怒りや複雑な感情を抱えているが、グレースの戦いに巻き込まれ、手錠でつながれたまま行動をともにする。気丈で反抗的な性格の持ち主で、次第に姉との連携を深めていく。
アーシュラ・ダンフォース(サラ・ミシェル・ゲラー):〈カウンシル〉の中心に位置するダンフォース家の一員。常に冷静さを崩さず、一族の権力と父親の築いた秩序を守るために行動する。ゲームの進行を陰から操る、計算高いハンター。
タイタス・ダンフォース(ショーン・ハトシー):アーシュラの双子の兄弟。激しい気性と高い戦闘能力を持つ一方、精神的にはアーシュラに強く依存している。ダンフォース家が暴力のために作り上げた怪物のような存在。
チェスター・ダンフォース(デヴィッド・クローネンバーグ):ダンフォース家を率いる老家長。世界の支配者たちによる古い秩序を象徴する人物であり、その存在が一族内の権力争いにも大きな影響を与えている。
弁護士(イライジャ・ウッド):どの名家にも直接所属せず、悪魔ル・ベイルとの契約とゲームの規則を管理する謎めいた男。巨大な古文書を携え、参加者たちがルールに従っているかを監視する。無表情で淡々と異常な説明を続ける、意図の読めない不気味さと可笑しさを備えた存在。
作品の魅力解説|レビュー
血みどろの派手さと多彩な死に方を受け継いだ続編
『レディ・オア・ノット2』は、前作を特徴づけた過剰な流血表現とブラックユーモアを、さらに大きな規模で展開する。人体が突然爆裂するシリーズ特有の残酷描写をはじめ、武器や場所を変えながら多彩な死に方が次々と登場。恐怖をじっくり積み上げるというよりも、あまりに豪快で理不尽な光景そのものを笑いに変える、“やりすぎが面白い”タイプのホラーコメディとなっている。
特殊効果では巨大な血糊砲や特殊メイクを積極的に使用し、人物だけでなく周囲のセットまで血で染め上げる。グロテスクでありながら現実離れした勢いがあり、観客が悲鳴と笑いを同時に漏らすようなシリーズの持ち味は健在だ。
孤独な逃走から姉妹のバディ・サバイバルへ
基本となるのは、グレースが裕福な一族から夜明けまで逃げ続けるという前作に近い構造である。一方、前作では味方のいないグレースがひとりで生き延びなければならなかったのに対し、今回は絶縁状態だった妹フェイスとの共闘が物語の中心となる。
しかも、ふたりは手錠でつながれた状態でゲームが始まり、片方だけが勝手に逃げることはできない。戦い方をめぐって衝突しながらも、それぞれの状況を臨機応変に利用して敵を倒す協力プレーが生まれ、逃走劇にはバディ映画としての勢いが加わった。命がけのゲームと姉妹の関係修復を並行して描くことで、前作との差別化を図っている。
サマラ・ウィーヴィングとキャスリン・ニュートンの狂乱演技
サマラ・ウィーヴィングは、恐怖、怒り、困惑を絶叫と激しい身体表現へ変えるグレースの魅力を再び全開にする。前作を生き延びたからといって突然無敵の戦闘員になるわけではなく、痛みに叫び、転びながらも執念で前へ進む。その格好のつかない必死さが、常識外れの世界に観客をつなぎ止めている。
対するキャスリン・ニュートンも、持ち前の気丈で反抗的なオーラをフェイス役に生かした。姉の言葉へ反発しながらも、危機に直面すれば大胆に武器を振るう。エネルギーの強いふたりが激しく言い争い、その直後には協力して敵を倒すという落差が、本作ならではのテンポを生み出している。
癖の強い名家と謎めいた弁護士
今回は一つの屋敷と家族に限定せず、異なる歴史や武器、戦い方を持った世界各地の大富豪一族がゲームへ参加する。サラ・ミシェル・ゲラーが冷静な悪役アーシュラを演じ、映画監督としても知られるデヴィッド・クローネンバーグが老家長チェスター役で存在感を発揮するなど、ホラー映画との縁が深い出演者をそろえたキャスティングも見どころだ。
中でもイライジャ・ウッド演じる弁護士は、何を考えているのか分からない無機質な態度でゲームの規則を読み上げる異質な存在。殺戮へ直接加わるのではなく、あくまで契約と秩序を管理する立場を貫くことで、不気味さと乾いた笑いを同時にもたらしている。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
