アカデミー賞にノミネートされ、数々のブロックバスター作品に出演してきた西アフリカ出身の俳優が、ハリウッドでの人種による待遇格差について率直な思いを語った。
驚きの告白「まだ生活に苦しんでいる」
『ブラッド・ダイヤモンド』や『グラディエーター』などの作品で知られるジャイモン・フンスー(60)が、CNNの番組「African Voices Changemakers」(アフリカン・ボイシズ・チェンジメイカーズ)に出演し、ハリウッドでの20年以上にわたるキャリアと2度のアカデミー賞ノミネートにもかかわらず、いまだに経済的な困難に直面していることを明かした。
「私はまだ生活のために苦闘している。20年以上この業界で働き、2度のアカデミー賞ノミネートと多くのブロックバスター作品への出演があるにもかかわらず、今でも経済的に苦しんでいる。間違いなく私は低賃金だ」と、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『グランツーリスモ』でも知られるフンスーは苦しい現状について語る。
アカデミー賞での差別と継続する低賃金問題
1997年、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『アミスタッド』でブレイクを果たしたフンスーは、同作品でゴールデングローブ賞にノミネートされたものの、アカデミー賞ではノミネートを逃した。「彼らは私をただの素人だと思い、俳優として敬意を払うべき存在とは考えなかった」とフンスーは当時を振り返る。
2023年3月、イギリスの新聞「ガーディアン」のインタビューでは、「まだ私は適正な報酬を得られる作品に巡り会えていない」と告白。「いつも低額な提示しかされない。『この役にはこれしか予算がないけど、あなたを愛していて、多くを期待している』と言われる」と、業界の現状を語った。
変革への願いと自身の財団設立
23歳でアメリカに移住したフンスーは、『アミスタッド』での経験を機に、ジャイモン・フンスー財団を設立。アフリカン・ディアスポラ(※)とアフリカ大陸をつなぎ、奴隷制度が残した傷を癒すことを目的としている。
※アフリカの地から離散した人々
「アフリカン・ディアスポラの人々とその歴史をつなぎ直すことが、財団の重要な使命のひとつだ。自分のルーツや文化とのつながりを知らなければ、自分が何者なのかも分からない」とフンスーは語る。
現在もハリウッドでの人種的多様性には課題が残されていると指摘するフンスー。同様の問題について声を上げているアカデミー賞女優のヴィオラ・デイヴィスの言葉を引用しながら、「システム的な人種差別は、そう簡単には変わらないだろう」と締めくくった。



