第98回アカデミー賞のショートリストが発表され、主要12部門と短編部門の有力候補が明らかになった。
第98回アカデミー賞に向けたショートリストが発表された。対象となったのは、ドキュメンタリー賞や国際長編映画賞、作曲賞、歌曲賞、視覚効果賞、撮影賞、音響賞、メイク&ヘアスタイリング賞、そして新設されたキャスティング賞など、計12部門に加え、3つの短編部門である。
今回の発表は、来月予定されているノミネート発表を前に、今年のアワードシーズンの流れを占う重要な指標となる。
複数部門で存在感を示した作品群
今回のショートリストでは、複数の部門に名を連ねた作品が目立つ結果となった。『ウィキッド 永遠の約束』や『罪人たち』は、技術部門や音楽部門を中心に多数の部門で選出され、幅広い評価を受けていることがうかがえる。
また、『フランケンシュタイン』も撮影賞や視覚効果賞、メイク&ヘアスタイリング賞などでショートリスト入りを果たし、映像表現や技術面での完成度が注目されている。こうした結果からは、大規模な制作規模を持つ作品と、表現性の高い作品の双方が評価対象となっている今年の傾向が読み取れる。
技術部門と音楽部門に見る今年の評価軸
撮影賞や視覚効果賞、音響賞といった技術部門では、映像表現や没入感を重視した作品が多く名を連ねた。『F1/エフワン』や『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は、ダイナミックな映像演出と高度なVFX技術を武器に、複数部門でショートリスト入りを果たしている。
一方で、『Sirât(原題)』や『センチメンタル・バリュー』のように、派手さよりも映像の質感や構図の完成度で評価されたと見られる作品も含まれており、技術力の方向性が一様ではない点も印象的だ。
音楽部門では、作曲賞と歌曲賞の双方で複数の作品が選出され、映画音楽の役割の広がりが浮かび上がる結果となった。『ウィキッド 永遠の約束』や『罪人たち』は、物語と密接に結びついた楽曲やスコアが評価され、音楽面でも作品世界を支える存在として注目を集めている。映像表現と音楽表現の両面から作品を評価する姿勢が、今回のショートリストからは読み取れる。
国際長編映画賞とドキュメンタリー部門が示す世界的視点
国際長編映画賞のショートリストには、86の国と地域から選ばれた作品群が名を連ね、アカデミー賞が持つ国際的な広がりを改めて印象づける結果となった。フランス、ドイツ、スペイン、インドなど多様な地域の作品に加え、日本からは『国宝』が選出されており、各国の文化や社会背景を反映した作品が評価対象となっていることがうかがえる。
物語性や映像表現だけでなく、時代や地域が抱える課題をどのように描いているかが、国際長編部門における重要な評価軸となっている点も特徴だ。
ドキュメンタリー部門では、社会問題や政治的現実、個人の体験に迫る作品が多く選出された。『The Alabama Solution(原題)』や『2000 Meters to Andriivka(原題)』などは、現代社会の緊張や対立を背景にした題材を扱っており、記録映画としての役割と映画表現の両立が重視されていることを示している。
こうしたラインナップからは、アカデミー賞が娯楽性だけでなく、世界の現実と向き合う作品を積極的に評価し続けている姿勢が浮かび上がる。
発表されたショートリスト一覧
短編アニメ映画賞
『Autokar(原題)』
『Butterfly(原題)』
『Cardboard(原題)』
『Éiru(原題)』
『Forevergreen(原題)』
『The Girl Who Cried Pearls(原題)』
『Hurikán(原題)』
『I Died in Irpin(原題)』
『The Night Boots(原題)』
『Playing God(原題)』
『The Quinta’s Ghost(原題)』
『Retirement Plan(原題)』
『The Shyness of Trees(原題)』
『Snow Bear(原題)』
『The Three Sisters(原題)』
キャスティング賞
『フランケンシュタイン』
『ハムネット』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『The Secret Agent(原題)』
『センチメンタル・バリュー』
『罪人たち』
『Sirât(原題)』
『WEAPONS/ウェポンズ』
『ウィキッド 永遠の約束』
撮影賞
『端くれ賭博人のバラード』
『ブゴニア』
『Die My Love(原題)』
『F1/エフワン』
『フランケンシュタイン』
『ハムネット』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『Nouvelle Vague(原題)』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『センチメンタル・バリュー』
『罪人たち』
『Sirât(原題)』
『Song Sung Blue(原題)』
『Sound of Falling(原題)』
『トレイン・ドリームズ』
『ウィキッド 永遠の約束』
長編ドキュメンタリー映画賞
『The Alabama Solution(原題)』
『Apocalypse in the Tropics(原題)』
『Coexistence, My Ass!(原題)』
『Come See Me in the Good Light(原題)』
『Cover-Up(原題)』
『Cutting through Rocks(原題)』
『Folktales(原題)』
『Holding Liat(原題)』
『Mr. Nobody against Putin(原題)』
『Mistress Dispeller(原題)』
『My Undesirable Friends: Part 1 – Last Air in Moscow(原題)』
『The Perfect Neighbor(原題)』
『Seeds(原題)』
『2000 Meters to Andriivka(原題)』
『Yanuni(原題)』
短編ドキュメンタリー映画賞
『All the Empty Rooms(原題)』
『All the Walls Came Down(原題)』
『Armed Only with a Camera: The Life and Death of Brent Renaud(原題)』
『Bad Hostage(原題)』
『Cashing Out(原題)』
『Chasing Time(原題)』
『Children No More: “Were and Are Gone”(原題)』
『Classroom 4(原題)』
『The Devil Is Busy(原題)』
『Heartbeat(原題)』
『Last Days on Lake Trinity(原題)』
『On Healing Land, Birds Perch(原題)』
『Perfectly a Strangeness(原題)』
『Rovina’s Choice(原題)』
『We Were the Scenery(原題)』
国際長編映画賞
『Belén(原題)』(アルゼンチン)
『The Secret Agent(原題)』(ブラジル)
『It Was Just an Accident(原題)』(フランス)
『Sound of Falling(原題)』(ドイツ)
『Homebound(原題)』(インド)
『ザ・プレジデンツ・ケーキ』(イラク)
『国宝』(日本)
『All That’s Left of You(原題)』(ヨルダン)
『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)
『パレスチナ36』(パレスチナ)
『しあわせな選択』(韓国)
『Sirât(原題)』(スペイン)
『Late Shift(原題)』(スイス)
『左利きの少女』(台湾)
『The Voice of Hind Rajab(原題)』(チュニジア)
短編実写映画賞
『Ado(原題)』
『Amarela(原題)』
『Beyond Silence(原題)』
『The Boy with White Skin(原題)』
『Butcher’s Stain(原題)』
『Butterfly on a Wheel(原題)』
『Dad’s Not Home(原題)』
『Extremist(原題)』
『A Friend of Dorothy(原題)』
『Jane Austen’s Period Drama(原題)』
『Pantyhose(原題)』
『The Pearl Comb(原題)』
『Rock, Paper, Scissors(原題)』
『The Singers(原題)』
『Two People Exchanging Saliva(原題)』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『アルトナイツ』
『フランケンシュタイン』
『国宝』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『Nuremberg(原題)』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
『The Smashing Machine(原題)』
『アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし』
『ウィキッド 永遠の約束』
作曲賞
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
『ブゴニア』
『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』
『Diane Warren: Relentless(原題)』
『F1/エフワン』
『フランケンシュタイン』
『ハムネット』
『Hedda(原題)』
『ハウス・オブ・ダイナマイト』
『ジェイ・ケリー』
『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』
『Nuremberg(原題)』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
『Sirât(原題)』
『トレイン・ドリームズ』
『トロン:アレス』
『Truth and Treason(原題)』
『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』
『ウィキッド 永遠の約束』
歌曲賞
“As Alive As You Need Me To Be”(『トロン:アレス』)
“Dear Me”(『Diane Warren: Relentless(原題)』)
“Dream As One”(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』)
“Drive”(『F1/エフワン』)
“Dying To Live”(『Billy Idol Should Be Dead(原題)』)
“The Girl In The Bubble”(『ウィキッド 永遠の約束』)
“Golden”(『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』)
“Highest 2 Lowest”(『天国と地獄 Highest 2 Lowest』)
“I Lied To You”(『罪人たち』)
“Last Time (I Seen The Sun)”(『罪人たち』)
“No Place Like Home”(『ウィキッド 永遠の約束』)
“Our Love”(『The Ballad of Wallis Island(原題)』)
“Salt Then Sour Then Sweet”(『あかるい光の中で』)
“Sweet Dreams Of Joy”(『Viva Verdi!(原題)』)
“Train Dreams”(『トレイン・ドリームズ』)
音響賞
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
『F1/エフワン』
『フランケンシュタイン』
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
『ワン・バトル・アフター・アナザー』
『罪人たち』
『Sirât(原題)』
『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
『スーパーマン』
『ウィキッド 永遠の約束』
視覚効果賞
『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
『エレクトリック・ステイト』
『F1/エフワン』
『フランケンシュタイン』
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
『ロスト・バス』
『罪人たち』
『スーパーマン』
『トロン:アレス』
『ウィキッド 永遠の約束』
