テイラー・スウィフトが親友ブレイク・ライヴリーを巡る裁判文書の中で、映画監督への率直な本音を明かしていた。
テイラー・スウィフトが、親友ブレイク・ライヴリーとの私的なメッセージの中で、映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』の監督ジャスティン・バルドーニを「クソ野郎(bitch)」と呼んでいたことが明らかになった。
この発言は、火曜日に公開された大量の裁判文書の一部として報じられたもので、作品の製作現場を巡る深刻な対立と、後に訴訟へと発展する事態の裏側を示すものだった。
テイラー・スウィフトが親友に送った、率直すぎる言葉
裁判文書によると、テイラー・スウィフトは2024年、ブレイク・ライヴリーとのメッセージのやり取りの中で、ジャスティン・バルドーニについて強い言葉を用いていた。
ニューヨーク・タイムズによる調査報道が間近に迫っていることを踏まえ、スウィフトはライヴリーに対し、「このクソ野郎は何かが起きるって分かってるはずだよ。だから今、被害者ぶって大騒ぎしてるんだ」と書き送っている。
このやり取りは公の場を意識したものではなく、あくまで親友同士の私的な会話だった。しかし、その言葉からは、スウィフトが当時すでに、問題が単なる行き違いではなく、表面化すれば大きな波紋を呼ぶ事態になると感じ取っていた様子がうかがえる。
ブレイク・ライヴリーが感じていた、創作上の深刻な亀裂
裁判文書から浮かび上がるのは、ブレイク・ライヴリーが撮影の過程で、バルドーニとの間に深刻な創作上の溝を感じていたという事実である。
文書によれば、ライヴリーはバルドーニ版の編集について、女性キャラクターの描かれ方に強い違和感を抱いており、裁判所への陳述書の中で、その内容が「女性キャラクターを軽視し」「虐待者を美化していた」と感じたと述べている。
こうした認識の違いは単なる意見の相違にとどまらず、最終的にライヴリーが独自の編集版を作成するという異例の対応につながった。
彼女はまた、映画のプロモーションにおいても、バルドーニやプロデューサーのジェイミー・ヒースと行動を共にすることを拒否しており、その理由について、苦情を申し立てたことへの報復として、自身が悪者に仕立て上げられたと主張している。
「彼らは自分たちを被害者として描き、私をいじめっ子に仕立て上げた」とライヴリーは述べ、「私は彼らと一緒に映画に出演したり宣伝したりすることで、バルドーニやヒースを個人的に支持するつもりはなかった」とも語っている。
テイラー・スウィフトのメッセージににじんでいた強い警戒心は、こうした状況を間近で見聞きしていたからこそ生まれたものだったとも受け取れる。
共演者たちの証言が浮かび上がらせた、撮影現場の実態
公開された裁判文書には、ライヴリー本人の主張だけでなく、複数の共演者による証言も含まれていた。それらは、製作現場において境界線が繰り返し越えられていたと感じたという共通した認識を示している。
映画でライヴリーの親友役を演じたジェニー・スレイトは、バルドーニがライヴリーを「セクシー」や「魅力的」と評したことについて証言している。スレイトはこうした発言を不適切だと指摘したものの、十分に受け止められたとは感じられなかったという。
彼女は証言の中で、「もう適切じゃないの。もともと適切じゃなかったけど、職場では適切じゃない」と述べ、撮影現場での空気に違和感を覚えていたことを明かしている。
また、スレイトはバルドーニが公に掲げていたフェミニストとしての姿勢についても疑問を呈しており、私的なメッセージの中で彼を「最大の道化師で、最も強烈なナルシスト」と評していた。
こうした証言は、問題が特定の一場面に限られたものではなく、現場全体の在り方に対する不信へと広がっていったことを示唆している。
出産シーンを巡る証言が示した「屈辱的だった」という感覚
裁判文書の中で、ライヴリーは特に出産シーンの撮影について、強い不快感を抱いていたことを証言している。このシーンでは、彼女は数時間にわたり分娩台の脚置きに足を固定され、ほぼ裸の状態で撮影に臨んでいたという。
ライヴリーは証言の中で、その状況を「侵害的で屈辱的に感じた」と述べている。テイクの合間にプライバシーを確保するため毛布を求めたものの、「いつも提供されるわけじゃなかった」とし、身体的にも精神的にもさらされた状態だったと振り返っている。
さらに彼女は、その日の撮影で産婦人科医を演じていた俳優が、バルドーニの友人のひとりだったことを知ったとも語っている。こうした状況が重なったことで、「出産シーンで自分が晒されたようで、非常に不快を感じた」とし、撮影現場での配慮の欠如を強く印象づける結果となった。
ライヴリーはまた、バルドーニが映画に「不必要な」性的シーンをいくつか追加しようとしたことについても懸念を示しており、これらの積み重ねが、彼女にとって看過できない問題へと変わっていったことがうかがえる。
訴訟の行方と、テイラーの言葉が映し出したもの
ライヴリーは現在、ジャスティン・バルドーニと映画のプロデューサーたち、さらに彼の広報担当者を相手取り、ハラスメントと報復を理由に提訴している。裁判は5月18日に開始される予定で、バルドーニ側はこれまで、ライヴリーの主張は「些細な不満」に過ぎないとして、訴訟の棄却を求めてきた。
一方で、今回公開された裁判文書には、ライヴリー本人だけでなく、共演者や関係者の証言が多数含まれており、現場で感じられていた違和感や不信が、個人の感情にとどまらないものであったことが示されている。
こうした背景を踏まえると、テイラー・スウィフトが親友に送った私的な言葉は、単なる感情的な発言というよりも、当時の状況を見据えた率直な受け止めだったとも受け取れる。
公の場では語られなかったひとことが、後に明らかになった証言や主張と重なり合い、作品の裏側で何が起きていたのかを静かに照らし出している。
この問題がどのような結末を迎えるのかは、今後の司法の判断に委ねられている。
