『牛首村』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・レビューまとめ

映画『牛首村』(2022)を紹介&解説。


映画『牛首村』概要

映画『牛首村』は、『犬鳴村』『樹海村』に続いて清水 崇監督が手がけた「恐怖の村」シリーズ第3弾。富山県魚津市に実在する心霊スポット“坪野鉱泉”や、内容を知るだけで死ぬとも語られる怪談“牛の首”をモチーフに、自分と同じ顔をした少女の行方を追う女子高校生の恐怖を描く。主演のKōki,は本作が映画初出演・初主演で、性格の異なる双子を一人二役で演じた。共演に萩原利久高橋文哉芋生 悠田中直樹ら。

作品情報

日本版タイトル 『牛首村』
英題 Ox-Head Village
製作年 2022年
日本公開日 2022年2月18日
ジャンル ホラーミステリー
製作国 日本
原作 無(都市伝説を題材とするオリジナル作品)
上映時間 115分
前作 樹海村』(2021)
監督 清水 崇
脚本 保坂大輔/清水 崇
企画 紀伊宗之
企画・プロデュース 高橋大典
プロデューサー 三宅はるえ
撮影 福本 淳
編集 鈴木 理
音楽 村松崇継
出演 Kōki,/萩原利久/高橋文哉/芋生 悠/大谷凜香/莉子/松尾 諭/堀内敬子/田中直樹/麿 赤兒
製作 「牛首村」製作委員会
制作プロダクション ブースタープロジェクト
配給 東映

あらすじ

東京で父と暮らす女子高校生・雨宮奏音は、同級生の香月蓮から1本の心霊動画を見せられる。そこには、奏音と瓜二つの少女が牛の首のマスクを被せられ、廃墟に閉じ込められる様子が映っていた。少女の名は三澄詩音。言い知れない胸騒ぎを覚えた奏音は、蓮とともに動画の撮影地である富山県の坪野鉱泉へ向かい、自分の失われた記憶と“牛首村”の因習に結びつく秘密を知っていく。

主な登場人物(キャスト)

雨宮奏音(Kōki,):東京で父と暮らす女子高校生。心霊動画に自分と同じ顔の少女が映っていることを知り、蓮とともに坪野鉱泉へ向かう。

三澄詩音(Kōki,):心霊動画に映っていた、奏音と瓜二つの少女。友人たちと坪野鉱泉を訪れた後に行方不明となる。奏音とは対照的な性格を持つ。

香月 蓮(萩原利久):奏音に好意を寄せる同級生。動画の存在を奏音に知らせ、真相を追う彼女とともに北陸へ向かう。

倉木将太(高橋文哉):行方不明となった詩音の恋人。詩音から双子の姉について聞かされており、奏音たちと出会ってその行方を追う。

雨宮直樹(田中直樹):奏音の父。娘とふたりで暮らしながら、奏音の幼少期と家族に関する重要な事実を伏せている。

作品の魅力解説

前2作の評価を受けて本作まで一段低く見られがちな印象があるが、『牛首村』は「恐怖の村」三部作の中で最も物語の軸が明瞭で、少なくとも“標準的なB級ホラー”として楽しめる水準には達しているように感じる。自分と同じ顔をした少女の正体を追う導入から、双子、失われた記憶、土地に残る残酷な因習へと真相が段階的に明かされる構成には、ミステリーホラー本来の面白さがある。

CGや映像編集には依然としてテレビドラマのような粗さを感じ、演出のすべてが成功しているわけではない。それでも、坪野鉱泉の廃墟を生かした空間、牛の首を用いた異様な画、背景に何かが潜む構図など、確かに怖く、不気味だと感じさせる瞬間はいくつか用意されている。この一点は、音や設定の物量に頼りがちだった前2作との明確な違いだ。

本作が映画初出演・初主演となったKōki,の演技も見どころ。記憶の欠落を抱えながら真相へ向かう、一見内向的に見える奏音。そして姿を消した、より外向的な詩音。対照的な双子を、表情や佇まいの差によって一人二役で演じ分けた。経験の乏しさを大きく感じさせず、物語の中心を担った仕事ぶりは素直に評価できる。

“良作”とは言い難いものの、三部作を締めくくる作品としては明確な改善が見られる一本である。

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