映画『ゴーストバスターズ』(1984)を紹介&解説。
映画『ゴーストバスターズ』概要
映画『ゴーストバスターズ』は、『ツインズ』などで知られるアイヴァン・ライトマン監督が手がけた、幽霊退治を題材にしたSFコメディー。大学を追われた超常現象研究者たちがニューヨークで幽霊退治会社を立ち上げ、街で頻発する怪現象に立ち向かう姿を描く。出演はビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・レイミス、シガニー・ウィーバー、リック・モラニス、アーニー・ハドソンら。
作品情報
日本版タイトル:『ゴーストバスターズ』
原題:Ghostbusters
製作年:1984年
日本公開日:1984年12月2日
ジャンル:コメディ/SF/ファンタジー
製作国:アメリカ
原作:なし
上映時間:105分
次作:『ゴーストバスターズ2』
リメイク:『ゴーストバスターズ』(2016)
監督:アイヴァン・ライトマン
脚本:ダン・エイクロイド/ハロルド・レイミス
製作:アイヴァン・ライトマン/ジョー・メジャック/マイケル・C・グロス
製作総指揮:バーニー・ブリルスタイン
撮影:ラースロー・コヴァックス
編集:デヴィッド・E・ブルーウィット/シェルドン・カーン
作曲:エルマー・バーンスタイン
出演:ビル・マーレイ/ダン・エイクロイド/ハロルド・レイミス/シガニー・ウィーバー/リック・モラニス/アニー・ポッツ/アーニー・ハドソン/ウィリアム・アザートン
製作:コロンビア=デルファイ・プロダクションズ/ブラック・ライノ・プロダクションズ
配給:コロンビア・ピクチャーズ
あらすじ
1980年代のニューヨーク。大学で超常現象を研究していた科学者ピーターらは、研究室を追われ幽霊退治会社を立ち上げる。やがて街では不可解な怪現象が増え、巨大な異変の前兆が広がっていく。彼らは依頼をこなしながら調査を進め、ニューヨークを揺るがす脅威に立ち向かうことになる。
主な登場人物(キャスト)
ピーター・ヴェンクマン(ビル・マーレイ):大学で超常現象を研究していた心理学者。研究室を追われた後、仲間たちと幽霊退治会社「ゴーストバスターズ」を設立。皮肉屋で軽妙な性格だが、依頼人のダナに惹かれていく。
レイモンド・スタンツ(ダン・エイクロイド):超常現象を心から信じる研究者で、ゴーストバスターズ創設メンバーのひとり。幽霊退治ビジネスの発案者でもあり、機材や理論の研究に情熱を注ぐ。
イーゴン・スペングラー(ハロルド・レイミス):物理学者であり発明家。幽霊捕獲装置や計測機器などの技術開発を担うゴーストバスターズの頭脳的存在。冷静で理知的な人物。
ウィンストン・ゼドモア(アーニー・ハドソン):仕事を求めてゴーストバスターズに加わる新メンバー。専門の科学知識はないが、現場での実務を担う頼れる仲間となる。
ダナ・バレット(シガニー・ウィーバー):ニューヨークのアパートに住む音楽家。自宅で奇妙な現象を目撃し、ゴーストバスターズに相談する。やがて事件の中心に巻き込まれていく。
ルイス・タリー(リック・モラニス):ダナの隣人で保険会社に勤める会計士。気弱で社交的な性格だが、街を襲う異変の影響を受け、思いがけない形で事件に関わる。
ジャニーン・メルニッツ(アニー・ポッツ):ゴーストバスターズ事務所の受付係。皮肉の効いたユーモアでメンバーと接しながら、急増する依頼の窓口を担う。
ウォルター・ペック(ウィリアム・アザートン):環境保護庁(EPA)の役人。ゴーストバスターズの設備や活動に疑念を抱き、規制しようとする立場で対立する。
簡易レビュー・解説
『ゴーストバスターズ』は、アイヴァン・ライトマン監督が手がけた1984年公開作で、コメディーにSFとホラーの要素を掛け合わせた1本である。大学を追われた研究者たちが“幽霊退治”を商売にするという着想の面白さに加え、ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・レイミスらの軽妙な掛け合いが、作品全体の推進力になっている。
本作の魅力は、超常現象を題材にしながらも、終始どこか都会的で乾いたユーモアを保っている点にある。ニューヨークを舞台にした80年代らしい空気感の中で、奇想天外な怪異とビジネス感覚が同居し、娯楽大作としての見やすさと独自の世界観を両立させた。後年まで続くシリーズの原点としてだけでなく、当時のアメリカ娯楽映画を代表する人気作として語られる理由もそこにある。
また、作品は長く大衆文化の中で参照され続けており、2015年には米国議会図書館のNational Film Registryにも選ばれた。単なるヒット作にとどまらず、時代性と普遍的なエンターテインメント性をあわせ持つ作品として評価されている。
『ゴーストバスターズ』内容(ネタバレ)
大学の研究者たち、幽霊退治会社を設立
ニューヨークの大学で超常現象を研究していたピーター・ヴェンクマン、レイモンド・スタンツ、イーゴン・スペングラーの3人は、図書館での怪現象の調査などを行っていた。しかし大学側は研究の価値を認めず、資金も打ち切られたため、彼らは研究室を追われてしまう。そこで3人は、自分たちの知識と装置を活かし、幽霊退治を請け負う民間ビジネス「ゴーストバスターズ」を立ち上げることを決意する。
最初の幽霊捕獲とゴーストバスターズの成功
やがて彼らはホテルで発生した幽霊騒ぎの依頼を受ける。現場に現れた緑色の幽霊“スライマー”との騒動の末、特殊な装置で幽霊を捕獲することに成功する。この事件をきっかけにゴーストバスターズは世間の注目を集め、依頼が急増。電話対応のためジャニーンを雇い、さらに人手不足を補うためウィンストン・ゼドモアを新メンバーとして採用するなど、事業は急速に拡大していく。
ダナのアパートで起きる怪現象
一方、音楽家のダナ・バレットは自宅のアパートで奇妙な現象を目撃する。冷蔵庫の中から不気味な犬のような存在が現れ、「ズール」という謎の言葉を告げたのだ。彼女はこの出来事を調べてもらうためゴーストバスターズに相談する。調査の結果、彼女の住む高層アパートが何らかの超常的な力と関係している可能性が浮かび上がる。
アパートに潜む古代の力と“門番”の出現
調査によって、ダナの住む高層アパートが古代の神ゴーザを崇拝する建築家によって建てられた特殊な建物であることが判明する。やがてダナは「ズール」という存在に取り憑かれ、隣人のルイスも別の存在「ヴィンツ・クロソ」に取り憑かれてしまう。
環境保護庁との対立とニューヨークの危機
ゴーストバスターズの活動は人気を集める一方、環境保護庁の役人ウォルター・ペックは彼らの装置が危険だと主張して施設の停止を命じる。装置が強制的に停止されたことで保管されていた幽霊が街へ解き放たれ、ニューヨークは混乱に陥る。さらにダナのアパート屋上で異世界への門が開き、古代の存在ゴーザが現れる。
ゴーザとの対決と“マシュマロマン”
ゴーストバスターズは屋上でゴーザと対峙するが、「頭に思い浮かべたものの姿で破壊者が現れる」と告げられる。レイが思い浮かべたマシュマロのキャラクターが巨大な姿で出現し、街を破壊しながら迫ってくる。
門の崩壊と街を救ったゴーストバスターズ
4人は危険なビームの交差を実行し、巨大なエネルギーを門に向けて放つ。爆発とともに門は崩壊し、ゴーザとその配下は消滅。ダナとルイスも元の姿に戻り、ゴーストバスターズはニューヨーク市民から英雄として迎えられる。
作品トリビア
元の脚本は未来SFの物語だった
ダン・エイクロイドが最初に書いた初期脚本では、未来世界を舞台に複数のゴーストバスターズ部隊が別次元を行き来して幽霊と戦う壮大な内容だった。制作費の問題から脚本は大幅に整理され、舞台をニューヨークに限定した現在の形に再構成された。
当初はジョン・ベルーシ主演企画だった
エイクロイドは当初、コメディ俳優ジョン・ベルーシとの共演を想定して企画を構想していた。しかしベルーシが1982年に急逝したため、最終的にビル・マーレイが出演する形となった。
幽霊スライマーはジョン・ベルーシがモデル
劇中に登場する緑色の幽霊スライマーは、エイクロイドがジョン・ベルーシをイメージして作ったキャラクターとされ、制作スタッフの間では「ジョン・ベルーシの幽霊」と呼ばれていたという。
マシュマロマンは初期脚本から存在していた
映画の象徴的キャラクターである巨大マシュマロマンは、エイクロイドの初期脚本の段階から登場していたアイデアで、「かわいらしい存在が状況次第で恐ろしいものになる」という発想から生まれた。
映画の電話番号に実際に電話できた
劇中のCMで使われた電話番号は公開当時実際に機能しており、電話をかけるとビル・マーレイとダン・エイクロイドの録音メッセージが流れる仕掛けが用意されていた。
