主演バニーンが日本へメッセージ、雄鶏ヒンディとの本編映像も解禁。
第98回アカデミー賞®国際長編映画賞イラク代表に選出され、同部門のショートリストにも入った映画『大統領のケーキ』が、2026年7月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開される。
本作は、第78回カンヌ国際映画祭でイラク映画として初めてカメラ・ドール(新人監督賞)と監督週間観客賞をW受賞した注目作。1990年代、独裁政権下のイラクを舞台に、学校のくじ引きで“名誉ある”ケーキ係に選ばれてしまった9歳の少女ラミアの一日を描く。
このたび、主人公ラミアを演じたバニーン・アハマド・ナーイフから、日本の観客へ向けたメッセージ動画が到着。あわせて、本編映像の一部も解禁された。
主演バニーン・アハマド・ナーイフが日本の観客へメッセージ
解禁されたメッセージ動画には、白いシャツにデニムを合わせ、髪を結んだバニーン・アハマド・ナーイフが登場する。動画は「11歳で6年生です」という挨拶から始まり、初々しさを残しながらも、カメラをまっすぐ見つめる姿には、主演として物語を背負った堂々とした存在感がにじむ。
バニーンが語ったのは、劇中でラミアの相棒として登場する雄鶏ヒンディとの撮影秘話だ。彼女は「特に記憶に残っているのは、川辺でのシーンでヒンディが大切な材料リストを破ってしまったこと。それが一番の思い出です」と振り返っている。
演技未経験でありながら、予想外の出来事にも自然に対応したバニーン。その表情からは、撮影現場で起きたハプニングを恐れるのではなく、ラミアとして受け止めていたことが伝わってくる。
雄鶏ヒンディとの“ハプニング”を収めた本編映像
メッセージ動画に続いて映し出される本編映像では、まさにバニーンが語った川辺のシーンが切り取られている。
学校のくじ引きで「大統領のケーキ係」に選ばれてしまったラミアは、川辺の石壁に腰を掛け、どうすればよいのか考え込んでいる。そばには、彼女にとって唯一無二の友達である雄鶏ヒンディ。ヒンディが小さく鳴くと、ラミアは「大丈夫 いつも一緒よ」と優しく声をかける。
その後、ラミアがケーキ作りに必要な材料リストを取り出すと、ヒンディがくちばしで紙を引っ張り、さらにその大切なリストを破ってしまう。深刻な状況のなかに、動物との偶然が生んだユーモアが差し込まれる場面だ。
限られた時間とお金のなかで、少女が知恵を絞って前へ進もうとする緊張感。その一方で、ヒンディのどこか憎めない振る舞いが、物語に柔らかな余白を与えている。
演技未経験者たちが映す、独裁政権下の少女の一日
『大統領のケーキ』の舞台は、1990年代のイラク。人々が戦争と食糧不足に苦しむなか、フセイン大統領の誕生日を祝うケーキを各学校が用意するよう命じられていた。
9歳のラミアは、そのケーキ係に選ばれてしまう。祖母と二人で暮らすラミアにとって、ケーキの材料を揃えることは簡単ではない。さらに祖母には、ラミアを養子に出そうとする別の目的があった。ラミアは祖母との暮らしを守るため、クラスメイトのサイードとともに町を駆け回ることになる。
ハサン・ハーディ監督は、撮影前に子どもたちとワークショップを重ね、歌やダンス、ジョークを交わしながら信頼関係を築いたという。そのうえで子どもたちに伝えたのは、「カットがかかるまで役を生きること」「演技に正解も不正解もないこと」という2つのルールだった。
雄鶏が突然リストを奪うハプニングが起きても、バニーンは動じずに演技を続けた。監督はその姿について、「まさに彼女がラミアとしてそこに存在していた証拠だった」と称えている。
主人公ラミアを含め、出演者全員が演技未経験者だという点も本作の大きな特徴だ。作られた芝居ではなく、目の前の出来事に反応するような瑞々しさが、少女の切実な一日をより生々しく浮かび上がらせる。
【動画】『大統領のケーキ』バニーン・アハマド・ナーイフ メッセージ動画&本編映像
作品情報
日本版タイトル:『大統領のケーキ』
原題:『The President’s Cake』
公開日:2026年7月10日(金)
監督:ハサン・ハーディ
脚本:ハサン・ハーディ
出演:バニーン・アハマド・ナーイフ、サッジャード・モハンマド・カーセム、ワヒーダ・サーベト、ラヒーム・アルハジ
プロデューサー:リア・チェン・ベイカー
エグゼクティブ・プロデューサー:エリック・ロス、マリエル・ヘラー
撮影監督:トゥードル・ヴラディミール・パンドゥル
編集:アンドゥ・ラドゥ
音響:タマーシュ・ザーニ
美術:アナマリエ・テク
2025年/イラク、アメリカ、カタール/105分/アラビア語/シネスコ/カラー/5.1ch/日本語字幕:星加久実/字幕監修:中町信孝/配給:松竹/PG12
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/presidentscake/
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