クリストファー・ノーランの名を冠した映画館がサンフランシスコに誕生、『オデュッセイア』公開前に発表

クリストファー・ノーランの名を冠した映画館がサンフランシスコに誕生、『オデュッセイア』公開前に発表 NEWS
クリストファー・ノーラン

クリストファー・ノーランの名を冠した映画館が、米サンフランシスコに誕生する。


アラモ・ドラフトハウスは、同社のサンフランシスコ旗艦館である映画館“ニュー・ミッション”を、映画監督クリストファー・ノーランに敬意を表して「クリストファー・ノーラン・シネマ」へと改称することを発表した。


クリストファー・ノーランの名を冠した映画館が誕生

オッペンハイマー』でアカデミー賞を受賞し、『ダークナイト』3部作、『インセプション』『インターステラー』『ダンケルク』『TENET テネット』などで知られるクリストファー・ノーラン監督に、新たな栄誉が贈られる。

アラモ・ドラフトハウスは、米サンフランシスコにある歴史的映画館ニュー・ミッションを、「クリストファー・ノーラン・シネマ」として再命名すると発表した。ノーランは劇場上映、大スクリーン、フィルム上映の重要性を一貫して訴えてきた映画作家であり、今回の命名はその功績と姿勢を称えるものとなる。

同館では今年後半、ノーランを称える70mm上映イベントも開催される予定だという。

ノーラン「言葉に尽くせないほどの喜び」

今回の発表に際し、ノーランは声明を発表。サンフランシスコのニュー・ミッションが持つ歴史と、アラモ・ドラフトハウスによる上映環境へのこだわりに敬意を示した。

サンフランシスコのニュー・ミッションは、1世紀以上にわたって映画館の象徴であり続けてきました。そしてアラモ・ドラフトハウスのもとで、映画作家にとっても観客にとっても、映画上映のあり方における頂点に立つ場所となっています。

このような形で、しかもこの特別な劇場で称えていただけることは、言葉に尽くせないほどの喜びです。私たち皆が愛するこの芸術形式を祝福し、高める理想的な映画体験を生み出す情熱と献身に対し、アラモ・ドラフトハウス・シネマに感謝しています。

ノーランの名を冠するアラモ・ドラフトハウスの劇場は、スパイク・リージョン・ヒューズアイヴァン・ライトマンポン・ジュノパム・グリアらに続くものとなる。

1916年開館の歴史的映画館ニュー・ミッション

ニュー・ミッション・シアターは1916年に開館した、サンフランシスコでも長い歴史を持つ映画館。1993年に閉館し、20年以上にわたって空き状態となっていたが、アラモ・ドラフトハウスによる修復を経て、2015年に再オープンした。

現在の建物は歴史的ランドマークにも指定されており、修復時には当時の塗装色、1930年代のカーペットや壁画などが再現された。単なる映画館ではなく、サンフランシスコの映画文化そのものを象徴する場所として守られてきた劇場だ。

アラモ・ドラフトハウスのCEOマイケル・クスターマンは、今回の命名について次のように述べている。

ニュー・ミッションをノーラン氏の名に捧げることで、私たちは、映画を単なる娯楽としてではなく、守るべき文化的遺産として一貫して支持してきた映画作家を称え、感謝しています。

1916年にサイレント映画を上映していた同じ講堂に、現在は70mmセルロイド映写機と、Barcoの最先端レーザー映写機が並んでいます。その歩みは、クリストファー・ノーラン・シネマにふさわしいものです。

『オデュッセイア』公開を前に、映画館体験を再提示

今回の改称は、ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』の公開を前に発表されたものでもある。

『オデュッセイア』は、ホメロスのギリシャ叙事詩を映画化する大作。イタカの王オデュッセウスが、トロイア戦争後に故郷へ帰還するまでの過酷な旅を描く。主演はマット・デイモンで、オデュッセウス役を演じる。共演にはトム・ホランドアン・ハサウェイゼンデイヤルピタ・ニョンゴロバート・パティンソンシャーリーズ・セロンジョン・バーンサルらが名を連ねている。

アラモ・ドラフトハウスのチーフ・マーケティング・オフィサーであるチャヤ・ローゼンタールは、『オデュッセイア』のような大作が、観客に映画館体験の特別さを思い出させる機会になると語っている。

アラモ・ドラフトハウスでは、『オデュッセイア』のようなワイドスクリーンの叙事詩的大作がやって来るとき、その一回一回の上映が、まるでトロイの木馬のように、普段映画館に来る人にも、しばらく足が遠のいていた人にも、映画館での体験が本当はどれほど特別なものかをそっと思い出させる機会になると考えています。

ノーランにふさわしい“映画館の名前”

ノーランはこれまでも、IMAXや70mmフィルムを重視し、映画を劇場で観ることの価値を強く訴えてきた。『オッペンハイマー』は世界興収9億7500万ドルを記録し、アカデミー賞でも作品賞・監督賞を含む複数部門を受賞。大スクリーンでの映画体験が、いまも大きな力を持つことを証明した作品となった。

サンフランシスコ・フィルム・コミッションのエグゼクティブ・ディレクター、マニジェ・ファタも、ノーランの劇場上映へのこだわりに触れ、「この栄誉はとりわけふさわしいものです」とコメントしている。

100年以上の歴史を持つ映画館に、現代の劇場映画を代表する作家の名が刻まれる。「クリストファー・ノーラン・シネマ」は、単なる改称ではなく、映画館で映画を観るという体験そのものを守り、未来へつなぐための象徴的な名前になりそうだ。

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