バッド・バニーがグラミー賞で、スペイン語アルバムとして史上初となる年間最優秀アルバム賞を受賞した。
米音楽界最高峰のグラミー賞で、バッド・バニーが新たな歴史を刻んだ。ヒットアルバム『Debí Tirar Más Fotos』が年間最優秀アルバム賞を受賞し、同賞をスペイン語作品として初めて獲得した。授賞式のスピーチでは、受賞への感謝に先立ち、移民や人間性をめぐる強いメッセージを発信し、会場に大きな注目が集まった。
グラミー賞史に残る快挙、スペイン語アルバムとして初の年間最優秀アルバム賞
バッド・バニーは、最新アルバム『Debí Tirar Más Fotos』で年間最優秀アルバム賞を受賞し、グラミー賞史上、スペイン語アルバムとして初めて同部門を制した。このカテゴリーでは、ジャスティン・ビーバーの『Swag』、サブリナ・カーペンターの『Man’s Best Friend』、ケンドリック・ラマーの『GNX』、タイラー・ザ・クリエイターの『Chromakopia』などを抑えての受賞となった。
受賞スピーチで、プエルトリコ出身のミュージシャンである彼は、冒頭で「神に感謝する前に、まず言わせてほしい。ICEは出ていけ」と口にした。その後もスピーチは続き、「僕たちは野蛮人じゃないし、動物でもないし、エイリアンでもない。僕たちは人間だし、アメリカ人なんだ」と述べ、人間性と尊厳について強調した。
「憎しみよりも強力なものは愛」―受賞スピーチで語られたメッセージ
スピーチの中で彼は、近年の社会状況に触れながら、憎しみが連鎖していく現実についても言及した。「最近は憎しみを持たないでいるのが難しいと思うよ。僕も時々考えるんだ、僕たちは汚染されている。憎しみはより多くの憎しみでさらに強力になる」と述べ、分断が広がる空気感を率直に語った。
一方で、その上で彼は明確な対抗軸を提示する。「でも、憎しみよりも強力なものがたった一つある。それは愛だ」。さらに、「だからお願いだから、僕たちは違う存在でいよう。もし戦うなら、愛を持って戦わなきゃいけない」と続け、対立ではなく愛を基盤とした姿勢を呼びかけた。
スピーチの終盤では、「僕たちは彼らを憎んでいるわけじゃない。僕たちは自分たちの人々を愛しているんだ。家族を愛しているんだ。それがやるべき方法なんだよ。愛を持って」と語り、コミュニティへの思いを強調してスピーチを締めくくった。
キャリアの節目となった受賞、そしてスーパーボウル出演へ
今回の受賞は、すでに確立されたキャリアの中で達成された新たなマイルストーンでもある。2026年のノミネーション発表では、年間最優秀アルバム賞、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞にノミネートされ、これら主要3部門すべてに名を連ねた初のスペイン語アーティストとなった。また、新設された最優秀アルバム・カバー賞やBest Música Urbana Album賞、「EoO」でのグローバル・ミュージック・パフォーマンス賞にもノミネートされていた。
3年前には、アルバム『Un Verano Sin Ti』がスペイン語作品として初めて年間最優秀アルバム賞にノミネートされたが、この時はハリー・スタイルズの『Harry’s House』が受賞していた。今回の受賞は、その時に届かなかった頂点に到達した形となる。
これまでにグラミー賞を3度受賞しており、2023年には『Un Verano Sin Ti』、2022年には『El Último Tour Del Mundo』でベスト・ムシカ・ウルバーナ・アルバム賞を獲得。2021年には『YHLQMDLG』でベスト・ラテン・ポップまたはアーバン・アルバム部門を受賞している。キャリアを通じたノミネート回数は16回にのぼる。
さらに来週には、スーパーボウルのハーフタイムショーでヘッドライナーとしてパフォーマンスを披露する予定だ。2020年にはジェニファー・ロペスとシャキーラのステージにゲスト出演していたが、今回の起用をめぐっては、ドナルド・トランプ大統領や一部保守派から批判の声も上がっている。先月公開された予告映像では、さまざまな民族、年齢、スタイルのダンサーが登場し、「世界が踊るだろう」と語られていた。




