【インタビュー『スペルマゲドン 精なる大冒険』トミー・ウィルコラ監督】「絶対に実現しないと思っていた」笑撃アニメ映画の誕生秘話と、込められたメッセージ

『スペルマゲドン 精なる大冒険』トミー・ウィルコラ監督にインタビュー - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS INTERVIEWS
『スペルマゲドン 精なる大冒険』トミー・ウィルコラ監督にインタビュー - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』のトミー・ウィルコラ監督に独占インタビュー。


思春期の少年少女の初体験と、体内で繰り広げられる精子たちの壮大な冒険を描く『スペルマゲドン 精なる大冒険』2月13日(金)に日本公開される。『バイオレントナイト』や『処刑山』シリーズなど、バイオレンスとブラックユーモアに満ちた実写作品で知られるトミー・ウィルコラ監督にとって、本作は初のアニメーション映画への挑戦作だ。

下品さと純粋さ、笑いと感動を絶妙にブレンドしたこの異色作について、culaはウィルコラ監督への独占インタビューで制作の舞台裏を語ってもらった。(取材・文:cula編集長 ヨダセア)

トミー・ウィルコラ監督 インタビュー

“人類にとって最大のレース”

『スペルマゲドン 精なる大冒険』は思春期の性と体内の“精子の冒険”を描く異色作ですが、最初にこのコンセプトを思いついたきっかけを教えてください。

トミー・ウィルコラ(以下、ウィルコラ):このアイデアは、ずっと前から持っていたんだ。『セブン・シスターズ』(2017)の撮影中、スタッフの何人かとビールを飲みながら座っていたんだよ。そこでレース映画のアイデアを思いついたんだけど、レースをするのは精子っていう……その時点ではそのアイデアだけだったけど、話していたら、みんな笑い始めてさ。それで「ああ、いいね、もしかしたら何か起こるかもしれない」って思ったんだ。「人類にとって最大のレースって、まさにこのレースじゃないか」「何か作れるものがあるかもしれないぞ」ってね。

ウィルコラ:それからずっと頭の片隅にこのアイデアはあったから、作家仲間にこのアイデアを話したら、彼らもすごく気に入ってアイデアを投げ合い始めて……「よし、もし作るなら、初めてセックスをするカップルを描くサイドストーリーも必要だよね」って結論に至ったんだ。だからまとめると、プロセスは何年も前に始まり、その数年後に友人たちに売り込んで実際に取り組み始めたっていう流れだな。

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

これまで実写でバイオレンスやブラックユーモアを描く監督作品が多かった中で、今回あえて“アニメーション”という表現を選んだ決定的なきっかけは何だったのでしょうか?

ウィルコラ:基本的には、このアイデアを中心にストーリーを作りたいっていう思いがあって、かなり早い段階で「よし、もしこれをやるなら、アニメーションにしなきゃいけないよね」って分かっていたんだ。もちろん、他に方法はないからね。

ウィルコラ:それに、僕はアニメーションの大ファンなんだよ。アニメーション関連のものはなんでも観るし、アニメ映画は劇場で観るし、子どもの頃もたくさん観て育ったからね。だから僕にとっては、この物語を本当に語りたかったっていう事実もあるけど、同時に「よし、アニメーションに挑戦してみたい。そのプロセスがどんなものか体験して、何か新しいことを学んで、新しい方法で物語を語ってみたい」っていう気持ちもあったんだ。アニメ映画を作るっていうアイデアの周りには、新鮮で楽しいチャレンジがたくさんあったからね。​​​​​​​​​​​​​​​​

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これまでの作品で、監督は過激さとユーモアの境界を巧みに扱ってきましたね。本作では“性”という別のセンシティブな題材を扱っていますが、どのようなバランスでそのコミカルさと生々しさの境界線を意識しましたか?

ウィルコラ:いい質問だね。書き始めた時、僕たちは「制限を設けないでおこう。後からどうなるか観察しよう」って言ったんだ。今の時代のテレビやYouTubeや映画で出回っているものを見ても、ジョークって誰かを挑発したり、怒らせたり不快にさせたりするためにあるわけじゃないんだよね。映画をつくるとき、いつも僕にはルールがあって、僕が笑えたり、楽しめたりする要素なら、映画に絶対に残すんだ。幸いなことに、今のところ人々は僕のユーモアのセンスに一定レベルは共感してくれているようだね。

ウィルコラ:でも君が言ったように、バランスの問題なんだ、「ここでどんなバランスを取るべきか?」ってね。もし下品なだけのジョークで限界に挑戦して、人々にショックを与えようとしているだけなら、意味ないんだよ。だから僕たちはユーモアとハートでバランスを取ろうとしたんだ。

ウィルコラ:そして、精子たちや人間たちの見た目をデザインしていた時、彼らの見た目を無邪気で可愛らしくするほど、そして世界観を甘くするほど、なんとも精子の下品なユーモアとか-アナルジョークとか何であれ-それとうまく混ざり合うことに気づいたんだ。なんとなく、そのアニメーションスタイル、可愛らしさとキャラクターたちの邪気のない性質が、ユーモアのセンスと組み合わさって、すごく奇妙で楽しい組み合わせになるんだよね。だからその超無邪気で甘くてハートフルなものと、下品さをミックスする試みが本当に楽しかったんだ。うまいバランスになっていればいいな。​

『スペルマゲドン 精なる大冒険』トミー・ウィルコラ監督 - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』トミー・ウィルコラ監督 – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

作品に込められたアニメーション愛

今回アニメーションを経験したことで、今後の実写作品の演出や発想にも影響を与えそうだと感じますか?もしくは、またアニメ映画を作りたいと思いますか。

ウィルコラ:そうだね!どんな映画を作っても、必ず何か新しいものを持ち帰ることができる。特に今回は初めての体験だったから、準備の仕方とか、脚本にどれだけ徹底的に取り組むかっていう点でね。

ウィルコラ:同時に、どれだけ自由に作れるかっていう点もあった。明らかにアニメーションの場合、はるかに多くの自由があるよ。脚本を書いて、スケッチを描いて、それを組み合わせれば、ラフスケッチとラフな声で映画全体を見ることができる。すると「ああ、この第3パート全体がうまくいってないな。書き直して、アニメも作り直そう」みたいに言えるわけだ。実写ではできない自由さがアニメ映画にはあって、でも同時にそこに必要な規律もある……特にプリプロダクションとその段階においてね。うん、確実に実写映画に持ち込める要素やものがあったよ。

ウィルコラ:アニメ映画を作るのはすごく楽しかったし、適切なアイデアが出てきたら、また是非やりたいと思うよ。​​​​​​​​​​​​​​​​

共同監督のラスムス・A・シヴァートセンはファミリー向け作品で知られていますね。彼とのコラボレーションは、本作のトーンや表現にどのような影響を与えましたか。

ウィルコラ:すばらしいコラボレーションだったよ!ラスムスはこの映画を制作したアニメーション会社を立ち上げたメンバーのひとりで、長い間たくさんのアニメーションをやってきた。

ウィルコラ:ノルウェーで大規模なアニメ映画をたくさん監督してきたけど、君の言う通りそのほとんどが子ども向け映画だったんだよね。だから僕たちが彼のところに行ってアイデアを売り込んで、参加したいかって聞いたら、彼はすごく興奮してたんだ。だってまず、彼の会社にとって何か違うことをするチャンスだったし、彼自身にとっても監督として、ストーリーテラーとして、何か違うことをするチャンスだったからね。

ウィルコラ:アニメーションを通じたストーリーテリングの経験が豊富な彼は、たくさんのアイデアを持ち込んでくれた。でも同時に、彼はダークユーモアとか性的なジョークとかも前向きに受け入れてくれて、僕たちと同じくらい熱中してくれたんだ。だから彼もすごく楽しんだと思うし、僕たちも一緒に仕事するのがすごく楽しかったよ。​​​​​​​​​​​​​​​

『スペルマゲドン 精なる大冒険』の世界観は、実写では成立しにくい過激さや誇張が大胆に描かれています。もちろん全部“アニメならでは”だとは思いますが、特に「アニメーションだからこそできた」と感じた表現はありますか。

ウィルコラ:たくさんあるよ。精子、陰のうの中、女性の体の中のすべてだね。でももしノルウェーの小規模予算で実写映画を作って、巨大なミュージカルナンバーとたくさんのエキストラを入れるとしたら、莫大にコストがかかっただろうからね。だから純粋にコストの面でも、僕たちにとってはこれが唯一の方法だったんだ。

ウィルコラ:でも、僕たちが一番楽しかったことのひとつが、男性と女性の体の内部をデザインした時だったってことは言いたいな。デザイナーが実際に体内のすべてがどう見えるかについて、たくさんのリサーチをしてくれたんだ。彼らがいるさまざまな設定に関して、驚くほど正確に作られているんだよ。

本作にはディズニー&ピクサーの『インサイド・ヘッド』を彷彿とさせるシーンもあったように思いますが、他の作品や表現方法から影響を受けた点はありますか?

ウィルコラ:うん、確かに「精子版『インサイド・ヘッド』みたいだ」ってよく言ってたんだよ、その通りだからね。でも明確な大きなインスピレーション源は『サウスパーク』や『ザ・シンプソンズ』……特に『サウスパーク』と『チーム★アメリカ ワールドポリス』なんだ。

ウィルコラ:あの人たちがやったような、すごくお下品な話を描きながらも、同時にハートがあって何か伝えたいことがあるっていう、そういうストーリーテリングを目指したよ。

ウィルコラ:だからそういう映画やテレビ番組に大きくインスパイアされて、「よし、たくさんジョークのアイデアも入れられるし、セクシュアリティや初体験についても語れる。もし妊娠したらどうなるかとか、そういったことについてもジョークにできるぞ。でも同時に、『サウスパーク』がすごく得意としているような感情を込める方法をなんとかして見つけて、世界や、本作の場合はセックスとかそういったことについて、メッセージを伝えよう」っていうのが目標だったんだ。

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

性にオープンなマインドと、ミュージカルという作風

特にお気に入りのシーンはどこでしょうか。

ウィルコラ:お気に入りのシーンを選ぶとしたら、病院にいるシーンのミュージカルナンバーだよ。シンプルに、あの曲がすばらしいと思うから。昔ながらの古き良きミュージカル楽曲みたいなんだけど、同時にすごくエッジが効いていて、僕はあのシーンがお気に入りだよ。僕にとっては、あのシーンで映画がまとまった感じがしたんだ。そしてあそこで僕たちは「ただ楽しくてジョークがあるだけの作品じゃない。伝えたいメッセージもあるんだ」っていうことも示せたと思う。​

そうですね、本作はコメディでありながら、性教育的な側面も持っていると感じました。若い観客がこの映画を観たとき、最終的にどんな感覚を持ち帰ってほしいと考えていますか。

ウィルコラ:そうだね、今言ってくれたこと全部だよ。笑ってほしいし、楽しんでほしいし……それから、公開される国によって違うのかもしれないけど、特にノルウェーでは、セックスについて語ったり、セックスを楽しんだりすることにまだためらいがあるんだよね。特に16、17、18歳の子どもたちに対してセックスの話をすると、まるでその年齢の若者はセックスしないかのように振る舞うけど、実際はするでしょ。

ウィルコラ:だから、僕たちの映画がここで公開された時、たくさんの子どもや若者が観に来てくれて、すばらしいと思ったよ。彼らが何かを得てくれたらいいなと願うし、セックスについて話すこととか、セックスについてオープンであることに関して、彼らが持ち帰れる何かポジティブなものがあったらいいなと思うんだ。それに、もちろんセックスの後に起こりうることについてもね。それが僕が持ち帰ってほしいと願うことかな。​​​​​​​​​​​​​​​

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

楽曲の数々はとても印象的でした。私は映画を観る前に内容については調べすぎないようにしているので、ミュージカルシーンが始まった時、「まさかのミュージカル!?」って驚きましたよ(笑)。ミュージカル要素を取り入れ音楽や歌をストーリーテリングに組み込んだ意図は何でしょうか。

ウィルコラ:実は、アイデアで遊び始めた最初の段階では、ミュージカルの予定ではなかったんだ。脚本を書き始めて、テーマや設定、作品の雰囲気を探求していく中で、「これってミュージカルにすべきじゃないか?」って思い始めたんだよ。

ウィルコラ:いくつか理由はあるんだけど、ひとつは、脚本を書いている時に自然に感じたこと。「これって、ミュージカルナンバーがあればストーリーテリングを本当に助けてくれるし、より大きな作品にできるんじゃないか?ストーリーをより完成させられるし、映画体験もより完全なものにできるぞ」って思ったんだ。

ウィルコラ:ふたつ目は、曲があれば、映画のカギとなる瞬間を表現して、長々と説明が必要な部分をうまく処理しつつ、同時にストーリーテリングやキャラクターの特性も表現することができると思ったんだ。

ウィルコラ:もちろん曲をできるだけキャッチーにして、ミュージカルシーンをできるだけ派手で楽しいものにしようともしたよ。そういうシーンが映画にスケール感を与えるからね。特に「Spermageddon」の曲とか、最後の曲もそうだけど。重厚感とスケール感があって、大勢の合唱とオーケストラもあって……「よし、これはミュージカルにすべきだ」っていうアイデアが最初に出た時に、「よし、これで今これがどういう映画か分かった。我々が何をしたいのかが分かった」って感じたんだ。​​​​​​​​​​​​​​​

本作では若者の身体と感情の葛藤を扱う一方で、精子たちの旅が描かれていますが、その二つの物語のバランスはどのように取りましたか。

ウィルコラ:脚本段階の最初は、実は身体の外よりも体内にいるシーンの方がずっと多かったんだ。でもキャラクターや旅路を書き進めるうちに、「初めて恋に落ちるこのふたりの子どもたちって、本当に素敵な物語だな。多くの子どもたちが自分自身を重ね合わせるんじゃないかな」って感じたんだ。それでその方針で進め始めたら、「僕たち自身の、人生のぎこちない段階にいた経験とか、初めてセックスに向き合った経験を真摯に引き出して、それを共感できるもの、気まずくて恥ずかしくて面白いものにしようとすべきだ」って思ったんだよね。

ウィルコラ:結果、人間のキャラクターたちに寄り添い、彼らがどんな人物かを掘り下げ、その重要性に気づいた時、精子たちと人間たちのシーン配分はもっと50-50に近づいたんだ。この配分の方がずっと理にかなっていて、観客がより総合的に物語とキャラクターたちに繋がれるって気づいたんだ。​​​​​​​​​​​​​​​

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

思春期の少年側の物語では、不安・恥・混乱といった感情がかなり率直に描かれます。これはご自身の体験や、同世代男性への観察が反映されている部分でしょうか?

ウィルコラ:うん、両方だね!それに共同脚本家たちも、自分たちの気まずくて恥ずかしい経験から引き出してきて、それを表現しようとしたんだ。ふたりの間の対話シーン……間の取り方や、ぎこちない瞬間は、もちろん以前見たことがあるものから引き出したよ。自分が見て育ったたくさんの古典的なティーン映画からも影響を受けながら、同時に、自分自身をたくさん入れ込もうとしたんだ。女性とどう話すか、あるいは女性からどう話しかけられるかとかね。だから両方の組み合わせだと言えるよ。

個性的なキャラクターづくり

精子たちは擬人化され、明確な個性や階級のようなものも描かれています。この設定には、競争社会や男性性へのアイロニーも込められているのでしょうか?

ウィルコラ:ちょっとはそう言えるね。そもそも本作は古典的なヒーロー冒険ものなんだ。メインキャラクターと周囲のキャラクターたちの壮大な旅を、助っ人たちが手助けして、その物語を完成させるっていうね。でも君が言ったような要素もちょっと入れてるよ。悪役には悪いステレオタイプをたくさん詰め込んだんだ。悪役が人々や女性、競争相手をどう見ているかっていうね。

ウィルコラ:陰のうの中の精子のキャラクターたちは、僕たちがこれまで見てきた古典的な人物像をとても明確に打ち出したキャラクターなんだ。一方で、外にいる人間たちは、できるだけ個性的で、変わっていて、人間的にしようとしたよ。

ジズモの装備は明らかに『アイアンマン』のアーマーのオマージュに見えましたが……。

ウィルコラ:うん、『アイアンマン』もたくさんあるインスピレーションの一つだね。ただ、それよりもキャラクターと、彼が勝つために何をするかっていうことの方を重要視したんだ。僕たちは「よし、この世界にはテクノロジーがあるべきだし、彼はそれを使ってズルをして競争相手を殺すべきだ」って決めたよ。

ウィルコラ:でもそうだね、もちろんスーツのデザインとか音とか、胸のあたりで光るシンボルとか、そういったものには、特定のキャラクターからの明確なインスピレーションがあったよ。​​​​​​​​​​​​​​​​

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より - 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』より – 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

精子たちのキャラクターは基本的に“男だらけ”の集団として描かれていますが、その中にひとりだけ女性的なキャラクター、カミラが存在します。ステレオタイプな考えをすれば精子が男性キャラクター、卵細胞が女性キャラクターに分けられそうなところ、カミラの登場には多様性やジェンダー表現についての意図はあったのでしょうか。

ウィルコラ:少しはそうだね!でも、あんまり……って言うか、実はそこまで意図的じゃなかったんだ。元々はもう何人か女性の精子キャラクターを入れていたんだけど、カットしたんだ。特定の理由があったわけじゃなくて、ただストーリーの中で機能しなかっただけなんだ。

ウィルコラ:でもそうだね、僕たちはいつも、どんな社会でもそうあるべきように、「バランスが取れているべきだ」って考えていたんだ。背後に大きな意図があったとは言えないけど、僕たちにとってあの方が自然に感じられたってこと。​​​​​​​​​​​​​

キャラクターでは、私はおじさん3人組の精子キャラクターや大腸菌のキャラクターはとても愉快でした。監督のお気に入りのキャラクターはいますか。

ウィルコラ:みんな好きなんだけど、どちらかというと僕は、体の外で起きる人間キャラクターの関係性の仕上がりに本当に満足してるんだ。初めてセックスをするキャラクターたちが、本当に変わってて、オタクっぽくて、可愛いと思ったんだよね。そして、初めてのセックスをうまくやろうとしている時、ぎこちない感じだけどそれが本物に感じられるんだ。それに、ふたりの間にトラウマもなくて、喧嘩もしてなくて、ただ初めての恋に落ちているっていう事実もね。僕はあのふたりのキャラクターが本当に好きだよ。

日本語吹き替え版では、3人組の名前が受精・射精・夢精という意味の「ジュセー、シャセー、ムセー」になっていて面白かったのですが、原語版ではあの3人はどんなキャラクターなのでしょうか……?

ウィルコラ:それは面白いな(笑)。そうそう、あの3人のキャラクターは僕たちにとっては、彼らはすごく明確にノルウェー的なキャラクターだから、世界中を回る時にどう描写されるのか気になってたんだよ。だから彼らがどう変更されているかを聞くのも楽しいね。

ウィルコラ:彼らはノルウェー、スウェーデン、デンマークですごく有名な、オルセンバンデン(Olsenbunden)っていうトリオの明確なパロディなんだ。彼らについての映画は12本くらい作られてきて、3人組の泥棒なんだよ。だからこの映画には彼らを入れたかったんだ。「よし、彼らは卵を狙うことにしよう」ってね。

日本のファンへメッセージ

最後に、日本の映画ファンにひとことメッセージをお願いします!

ウィルコラ:とにかくこの映画をみんなに観てもらえることにすごくワクワクしてるよ。僕たちは本作を作れたことを本当に誇りに思っている。僕がアイデアを思いついて、この映画を作るアイデアで遊び始めた時、「この映画は絶対に実現しないだろう。誰もこんな映画を作るために僕にお金を出してくれるわけがない」って思ってたんだ。だから今でも、これが実際に作られて、世に出ていることに衝撃を受けているし、みんなに観てもらえることに興奮しているんだよ。​​​​​​​​​​​​​​​​

ありがとうございました。今後の作品も楽しみにしております!私や友人のゾンビフリークは『処刑山3』にも期待していますよ!

ウィルコラ:イエス!願わくばいつかやりたいな(笑)

(インタビュー以上/取材・文:cula編集長 ヨダセア)


『スペルマゲドン 精なる大冒険』は2月13日(金)に日本公開。

『スペルマゲドン 精なる大冒険』- 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

『スペルマゲドン 精なる大冒険』- 2024 © 74 ENTERTAINMENT AS

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