ケンドリック・ラマーが通算27冠を達成し、グラミー賞史上最多受賞ラッパーとなった。
ケンドリック・ラマーが、グラミー賞史上最も多くの賞を受賞したヒップホップアーティストとなった。第68回グラミー賞授賞式で複数部門を制し、通算27個目のトロフィーを獲得。これまで最多だったジェイ・Zの記録を更新し、ラップ史に新たな節目を刻んだ。
通算27冠で到達したグラミー賞の新記録
今回の授賞式でラマーは、『GNX』による最優秀ラップ・アルバム賞をはじめ、「TV Off」で最優秀ラップ・ソング賞、シザ(SZA)をフィーチャリングした「Luther」で最優秀レコード賞とメロディック・ラップ・パフォーマンス賞を受賞。さらに、Clipseの「Chains & Whips」への客演で最優秀ラップ・パフォーマンス賞にも輝き、通算27個のグラミー賞獲得となった。
この結果、これまで最多受賞記録を保持していたジェイ・Z(25個)と、2位のカニエ・ウェスト(24個)を上回り、ヒップホップアーティストとして史上最多受賞者の座に立った。
受賞スピーチで語られたヒップホップへの思い
最優秀ラップ・アルバム賞の受賞スピーチで、ラマーは自身のスタンスとヒップホップへの思いを率直に語った。「いつも通りのヒップホップだよ」と切り出し、「自分のことを語るのは得意じゃないんだけど、音楽を通して表現してるんだ」と、言葉よりも作品で示してきた姿勢を強調した。
さらにラマーは、「ヒップホップは常にここにあり続ける」と述べ、このカルチャーが流行や時代を超えて存続してきたことに言及。「俺たちはこうやってスーツでキメて、仲間たちと一緒にいる。カルチャーを共にしているんだ」と語り、現在の成功もコミュニティと文化の延長線上にあるものだと示した。
スピーチの締めくくりでは、「だから感謝してるよ。栄光は神に。みんな愛してる」と述べ、長年支えてきた仲間や背景への敬意を表した。
ノミネートを重ねて築かれたキャリアの集大成
ラマーは今回の授賞式を迎えるまでに、すでに22個のグラミー賞を受賞しており、ノミネート回数は57回に達していた。今年は最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、最優秀レコード賞を含む9部門にノミネートされ、第68回グラミー賞授賞式前にはCBSでの生放送を前に3つの賞を獲得していた。
近年の象徴的な成果として挙げられるのが、ヒット曲「Not Like Us」だ。ドレイクに向けたディス・トラックとして発表された同曲は、ノミネートされた全部門を制し、この曲だけで5つのグラミー賞を獲得。ラマーの存在感を改めて印象づける結果となった。
また、ラマーは最優秀ラップ・アルバム賞をこれまでに3度受賞しており、2016年の『To Pimp a Butterfly』、2018年の『DAMN.』、2023年の『Mr. Morale & the Big Steppers』で栄冠に輝いている。一方で、2012年の出世作『good kid, m.A.A.d city』は受賞を逃し、マックルモア&ライアン・ルイスの『The Heist』が同賞を受賞。この結果をめぐっては大きな議論が巻き起こり、マックルモア本人からラマーに「君はかっさらわれたね」と認めるテキストメッセージが送られたことでも知られている。

