ディズニーが数百人規模の人員削減を実施。ピクサーとナショナル ジオグラフィックが大きな影響を受けた。
ディズニーが全社規模の人員削減に踏み切り、数百人の従業員が職を失うことになった。対象は複数の部門に及び、なかでもピクサー・アニメーション・スタジオが大きな打撃を受けている。
ピクサーでは今夏公開の『トイ・ストーリー5』が世界興行収入10億ドルの大台に迫る成功を収めているが、その勢いとは対照的に、厳しい人員整理が進められることになった。
ピクサーとナショナル ジオグラフィックに人員削減が集中
米Varietyの報道によると、ディズニーの広報担当者は、現地時間7月21日(火)、特定のコーポレート部門を対象に数百人規模の人員削減を実施することを認めたようだ。職を失う従業員には、同日朝に通知が行われたという。
削減対象には、ESPN、ディズニー・エンターテインメント・テレビジョン、ディズニーのスタジオ部門が含まれる。スタジオ部門における削減の大半はピクサーが占め、テレビ部門ではナショナル ジオグラフィックが最も大きな影響を受けた。
大ヒット作を送り出した直後のピクサーも例外とはならず、ディズニーが事業全体の運営体制を見直している現状が浮き彫りとなった。
新CEOジョシュ・ダマロ、4月に業務効率化の方針を説明
2026年4月にディズニーのCEOへ就任したジョシュ・ダマロは、同月に従業員へ送った文書のなかで、業務の効率化を進める方針を明らかにしていた。
「過去数カ月にわたり、私たちは事業のさまざまな領域で業務を効率化する方法を検討してきました。ファンの皆さまがディズニーに期待し、大切にしてくださっている世界最高水準の創造性と革新性を、確実にお届けするためです。業界が目まぐるしく変化するなか、未来のニーズに応えるためには、より俊敏でテクノロジーを活用できる人材体制をどう構築するか、絶えず見直していく必要があります」
今回の人員削減は、ダマロが示していた効率化と、テクノロジーを取り入れた組織体制への移行を具体化する動きとなる。
続編が好調の一方、新たなヒットシリーズの創出に苦戦
ピクサーは2026年、春にオリジナルアニメーション映画『私がビーバーになる時』、夏にシリーズ最新作『トイ・ストーリー5』を公開した。
『私がビーバーになる時』は好調なスタートを切ったものの、ピクサーの過去のヒット作と同等の興行成績には届かなかった。一方、『トイ・ストーリー5』は世界興行収入10億ドルをまもなく突破する見通しで、シリーズ最高興収を記録する作品になるとみられている。
2024年の『インサイド・ヘッド2』をはじめ、人気シリーズの続編が興行市場を活気づける一方、ピクサーはパンデミック以降、新たな作品シリーズの確立に苦戦してきた。
コロナ禍には、『ソウルフル・ワールド』『あの夏のルカ』『私ときどきレッサーパンダ』などが劇場を経ず、Disney+で直接配信された。会社幹部の間では、この方針が観客に「ピクサー作品は自宅で見るもの」という習慣を意図せず定着させてしまったとの見方もある。
『トイ・ストーリー5』が記録的な成功を収めても、ピクサーはディズニー全体の再編を免れなかった。既存シリーズの強さを維持しながら、オリジナル作品をいかに新たなヒットへ育てていくかが、今後も大きな課題となる。
