フランスの53歳女性がAIで生成された「偽ブラッド・ピット」に騙され、1億円超の詐欺被害に遭った事件が話題に。詐欺の詳細と新たなサイバー犯罪の脅威に迫る。
フランスで、53歳の女性が、AIを駆使したブラッド・ピットの詐欺師に人生の貯金を奪われるという衝撃的な事件が明らかになった。被害総額は85万ドル(約1億3200万円/2024年1月時点)に上る。
偽装された「ブラッド・ピットの母」が仕掛けた詐欺の手口とは?
被害に遭ったアンヌさん(53)は、フランスのTV局TF1の番組「Seven to Eight」で自身の体験を語った。事件はブラッド・ピットの母親を名乗る人物からの連絡で始まった。「息子にはあなたのような人が必要だ」という言葉から始まったやり取りは、1年以上も続いたという。
「最初は偽物だと思いました。ばかげていると。でもSNSには不慣れで、自分に何が起きているのか理解できませんでした」とアンヌさんは番組で語っている。
A French woman reportedly divorced her millionaire husband then was scammed out of $850k by a fake Brad Pitt.
The scammer used AI-generated photos and claimed he was undergoing cancer treatment and couldn’t access his money due to his divorce. She realized the truth upon seeing… pic.twitter.com/cG5KFa6ojr
— Pop Base (@PopBase) January 14, 2025
AI技術を駆使した巧妙な詐欺-信じさせる仕掛けの全貌
詐欺グループはAI技術を駆使し、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で知られる俳優の写真やメッセージを作成。アンジェリーナ・ジョリーとの離婚により銀行口座にアクセスできないという設定で、腎臓治療のための資金提供を求めてきたという。
アンヌさんは精神的な問題を抱えていたこともあり、この詐欺を信じ込んでしまった。その結果、実在の交際相手であるイネス・デ・ラモンに関するニュースを目にするまで、詐欺と気付くことができなかった。さらに悲劇的なことに、この詐欺がきっかけで夫との離婚まで経験することとなった。
被害者への二次被害-サイバーいじめが加速する現状
「なぜ私がこんな酷い目に遭わなければならなかったのでしょう?私は誰も傷つけたことがないのに。この人たちは地獄に落ちるべきです」とアンヌさんは涙ながらに語った。
事件の報道後、アンヌさんへのサイバーいじめが激化。TF1のジャーナリスト、ハリー・ローゼルマック氏はSNS上で「証言者に対する嫌がらせの波」が起きていることを指摘し、同局は関連番組をプラットフォームから取り下げる決断を下している。
現在、アンヌさんは警察に被害届を提出。この事件は、AIを悪用した新たな形のサイバー犯罪の脅威を浮き彫りにしている。





