映画『犬鳴村』(2020)を紹介&解説。
映画『犬鳴村』概要
映画『犬鳴村』は、清水 崇監督(『呪怨』シリーズ)が、福岡県の旧犬鳴トンネルと、その先に存在すると語られてきた“犬鳴村”の都市伝説を題材に描くホラー映画。霊を見ることができる臨床心理士が、兄とその恋人を襲った異変を追ううちに、自らの家族へつながる村の秘密へ近づいていく。「恐怖の村」シリーズの第1弾で、主演は三吉彩花。共演に坂東龍汰、古川 毅、大谷凜香、高嶋政伸、高島礼子ら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『犬鳴村』 |
|---|---|
| 英題 | Howling Village |
| 製作年 | 2020年 |
| 日本公開日 | 2020年2月7日 |
| ジャンル | ホラー/ミステリー |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 無(都市伝説を題材とするオリジナル作品) |
| 上映時間 | 108分 |
| 次作 | 『樹海村』(2021) |
| 監督・原案 | 清水 崇 |
|---|---|
| 脚本 | 保坂大輔/清水 崇 |
| 企画・プロデュース | 紀伊宗之 |
| プロデューサー | 中林千賀子 |
| 撮影 | 福本 淳 |
| 編集 | 鈴木 理 |
| 音楽 | 海田庄吾/滝澤俊輔 |
| 主題歌 | Ms.OOJA「HIKARI」 |
| 出演 | 三吉彩花/坂東龍汰/古川 毅/宮野陽名/大谷凜香/奥菜 恵/須賀貴匡/田中 健/寺田 農/石橋蓮司/高嶋政伸/高島礼子 |
| 製作 | 「犬鳴村」製作委員会 |
| 制作プロダクション | ブースタープロジェクト |
| 配給 | 東映 |
あらすじ
霊を見ることができる臨床心理士・森田奏の周囲で、奇妙なわらべ歌、突然死、兄弟の失踪など、不可解な出来事が相次ぐ。それらに共通して浮かび上がったのは、福岡県の心霊スポット“犬鳴トンネル”だった。兄・悠真の恋人である明菜が死の直前に残した言葉の意味を確かめるため、奏はトンネルの先にあると噂される犬鳴村の謎を追い始める。
主な登場人物(キャスト)
森田 奏(三吉彩花):霊の姿を見ることができる臨床心理士。兄たちを襲った怪異の真相を追い、犬鳴トンネルと自らの家族にまつわる秘密へ近づいていく。
森田悠真(坂東龍汰):奏の兄。恋人の明菜とともに犬鳴村の都市伝説を確かめようと犬鳴トンネルを訪れ、不可解な出来事に巻き込まれる。
西田明菜(大谷凜香):悠真の恋人。犬鳴トンネルから戻った後に異常な言動を見せ始め、一連の怪事件の発端となる。
森田 晃(高嶋政伸):奏と悠真の父。子どもたちを案じる一方、森田家に関わる過去について秘密を抱えている。
森田綾乃(高島礼子):奏と悠真の母。家族に起こる異変を前に、長く伏せられてきた血筋の問題と向き合うことになる。
作品解説・レビュー
本作の最大の特徴は、実在する旧犬鳴トンネルにまつわる噂と、地図から消された村、通じない電話、独自の掟といった都市伝説の要素を、ひとつの家族をめぐる呪いの物語へ組み込んだ点にある。身近な心霊スポットの噂が血筋と土地の因縁へ広がっていく構成には、Jホラーらしい湿度がある。
ただし、実際の筋立ては怨念、隠された血縁、封印された集落といった既視感の強い要素に終始し、劇場用ホラーとして定型を塗り替えるほどの新味には乏しい。テレビの単発ホラーであれば許容しやすいレベルの内容を108分の劇場映画として引き延ばした印象もあり、「恐怖の村」シリーズの出発点として題材の面白さを確かめる作品と捉えるのが妥当だろう。
音楽や突発的な効果音で「恐怖の雰囲気」を補う場面が多く、CGや流血表現にも粗さが残るため、映像そのものが観客を震え上がらせる瞬間は限られている。
要素を次々と投入するサービス精神は感じられるものの、それぞれの見せ場が小手先に留まり、積み重ねが本質的な恐怖へ結びついていない点は惜しい。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
