実写版『白雪姫』で主演したレイチェル・ゼグラーが、キャスティング批判を振り返った。
レイチェル・ゼグラーが、ディズニーの実写版『白雪姫』をめぐるキャスティング論争について振り返った。Harper’s Bazaarのインタビューで彼女は、コロンビア系という出自を理由に受けた批判について「本当に困惑した」と語り、アイデンティティをめぐる議論への複雑な思いを明かしている。
2025年公開の同作で白雪姫役に起用されたゼグラーは、一部の保守的な層から激しい批判を受けた。白雪姫は白人女性が演じるべきだという主張が広がったためだ。しかし彼女は、このような反応に驚きを覚えたという。というのも、スティーヴン・スピルバーグ監督作『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)でマリア役を演じた際には、今度は父親が白人であることを理由に批判を受けていたからだ。
『白雪姫』レイチェル・ゼグラーへの批判とアイデンティティの葛藤
ゼグラーはインタビューで、「『ウエスト・サイド・ストーリー』では何かが足りないと言われて、『白雪姫』では何かが多すぎると言われたんだよね」と振り返る。相反する批判を受けた経験は、彼女にとって戸惑いの大きいものだったようだ。
一方で、自身のルーツについては強い誇りを持っているという。彼女は「コロンビア人であることを誇りに思って育ったよ」と語り、料理や衣装、コーヒーといった文化的背景が、自身の人生にとって大切な要素であると説明する。そして、それらは「子どもの頃の自分にとっても、今の自分にとっても、アイデンティティの核にあるものをすべて大切にしてきた」と強調した。
その一方で、複数の文化的背景を持つ人々が社会の中で「どちらでもない存在」と見なされることがあるとも指摘する。彼女は、公の場では「ふたつのもの(ルーツ)を持っているとき、同時にどちらでもなくなってしまう」という議論があるとしながらも、「誰かの居心地のために同化することは拒否するよ」と語っている。
SNS投稿騒動を振り返る「意図と影響の違いを学ぶ教材」
ゼグラーはまた、『白雪姫』のプレスツアー中に自身のSNS投稿が議論を呼んだ出来事についても言及した。彼女は当時、SNSでパレスチナ支持のメッセージを発信し、大きな批判を浴びることになった。
この出来事についてゼグラーは、自分のプラットフォームを使って社会問題について発言した判断そのものは間違っていなかったと考えているという。一方で、騒動を振り返りながら、あの経験は「意図と影響の違いを学ぶ完全な教材」だったと語った。
彼女は「生きていれば学ぶことがあるし、そこから慎重さが生まれるよね」と述べ、発言の影響について以前よりも深く考えるようになったと説明する。そして、「発言したいという衝動が常に実行に移されるべきとは限らない」としながら、「ツイートひとつよりも、もっと意味のある変化をもたらせる機会がたくさんあるって、わかってきたんだよ」と続けた。
予想外だった反響「スマホを海に投げ込んでいたと思う」
ゼグラーは、SNS投稿をめぐる反響の大きさについても振り返っている。2024年、ディズニーのファンイベントD23で『白雪姫』の初トレーラーが公開された直後、彼女はXでファンへの感謝を投稿したが、その数分後に同じスレッドで「そして、いつでも覚えておいて——パレスチナに自由を」と書き込んだ。
この投稿が大きな議論を呼ぶことになるとは、当時は想像していなかったという。彼女はインタビューで、反響は「完全に予想外」だったと語った。
その後、批判は急速に拡大し、身の安全に対する脅威も生じたという。ゼグラーは当時の状況について、「もし起こることをすべて予測できていたなら——身の安全への脅威も含めて——スマホを海に投げ込んでいたと思うよ」「まともな人間なら誰でもそうしたんじゃないかな」と振り返り、予想を超える反応の大きさを示唆した。
今回のインタビューでは、キャスティングをめぐる議論やSNS騒動を経て、自身の立場や発言の意味を見つめ直してきた過程が語られた。ゼグラーはその経験を通じて、学びと慎重さを得たことを明かしている。
