A24が『悪魔のいけにえ』を再始動へ──TVシリーズ始動、新作映画も企画進行中! グレン・パウエルも参加へ

『悪魔のいけにえ』より © Raven Pictures International NEWS
『悪魔のいけにえ』より © Raven Pictures International

A24が『悪魔のいけにえ』のフランチャイズ権を獲得し、TVシリーズを軸に新作映画の企画も進行中である。


A24が、ホラー映画史に名を刻む『悪魔のいけにえ』のフランチャイズ権を獲得した。競合入札の末に実現した今回の契約により、同作はTVシリーズとして再始動することが決定。あわせて、新作映画も初期開発段階に入っているという。

A24はまずTVシリーズの制作を優先し、世界観を拡張する形でシリーズを展開する方針だ。映画版については、同じ製作チームを軸に別プロジェクトとして進められており、長年にわたり語り継がれてきたフランチャイズに、新たな局面が訪れようとしている。

A24主導で始動するTVシリーズと映画企画

A24は『悪魔のいけにえ』の再展開にあたり、まずTVシリーズの制作から着手する。シリーズは長編フォーマットで物語世界を掘り下げる構想とされ、従来の映画作品とは異なるアプローチが取られる見込みだ。一方で、新作映画についても初期開発が進行しており、TVシリーズとは別軸で企画が進められている。

この二方向の展開により、フランチャイズは単なるリメイクや続編にとどまらず、異なる表現形式を通じて再定義されることになる。A24が得意とするジャンル映画の文脈の中で、『悪魔のいけにえ』がどのように位置づけられていくのかが注目される。

グレン・パウエルを軸とした製作陣がフランチャイズを統括

今回のプロジェクトでは、俳優グレン・パウエルが自身の製作会社バーンストームを通じて、ダン・コーエンと共にフランチャイズの製作総指揮を務める。製作総指揮チームには、ホラージャンルで実績を持つスプーキー・ピクチャーズのロイ・リーとスティーヴン・シュナイダーのほか、スチュアート・マナシル、イメージ・ネーションのベン・ロスが名を連ねている。

さらに、1974年公開のオリジナル『悪魔のいけにえ』で共同脚本を手がけたキム・ヘンケルも参加。エクサービア・フィルムズからはイアン・ヘンケルとパット・キャシディがプロデューサーとして加わり、シリーズの根幹を担う体制が整えられた。

オリジナル作品に直接関わった人物を含む布陣は、フランチャイズの歴史を踏まえた上で新たな展開を模索する姿勢を明確に示している。A24の主導のもと、創造性と継承性の両立を目指す製作体制が構築された形だ。

JT・モルナーが語るTVシリーズ化の意図

TVシリーズの監督を務めるのは、JT・モルナーである。モルナーは、ロイ・リー、スティーヴン・シュナイダーと過去に複数の作品(『ストレンジ・ダーリン』『ロングウォーク』)で協働しており、今回のシリーズでもその関係性が生かされる形となった。一方で、モルナーは映画版には関与せず、新作映画は同じ製作チームとイメージ・ネーションによって別途進められる。

モルナーは声明の中で、オリジナル作品に対する姿勢を明確にしている。「完璧な映画をリメイクすることには興味がないと公言してきたけど、オリジナルの『悪魔のいけにえ』は完璧な映画なんだ」と述べ、トビー・フーパーとキム・ヘンケルによる1974年版を「大胆で、型破りで、本当に独創的な作品」「今日でもホラーのゴールドスタンダードとして通用する作品だ」と評価した。

その上で、TVシリーズという形式については、「この世界を長編形式で探求する機会が生まれた時、それを新鮮なアプローチとして、そして既存の伝承に敬意を表する方法として捉えた」と説明している。シリーズはリメイクを目的とするものではなく、既存の世界観を尊重しながら、異なる視点から物語を広げていく試みとなる。

また、今回のプロジェクトにおけるパートナーについても、「このアプローチにA24以上のパートナーは考えられない」と語り、「本当に光栄だ」と締めくくった。ジャンル映画において独自の存在感を放ってきたA24と、モルナーの志向が重なった形だ。

1974年の公開から続く『悪魔のいけにえ』の影響力

『悪魔のいけにえ』は、1974年に公開されたトビー・フーパー監督作品で、キム・ヘンケルとフーパーが共同で脚本を執筆した。低予算ながらも強烈な映像表現と暴力描写によって大きな衝撃を与え、ホラージャンルの歴史において象徴的な存在として位置づけられてきた。

その後、同作は8本の続編を生み出し、フランチャイズとして展開を拡大。中でも、1986年にフーパーが再び監督を務めた『悪魔のいけにえ2』や、1995年にヘンケルが脚本・監督を担当した『悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス』は、シリーズの方向性を大きく変化させた作品として知られている。

映画にとどまらず、小説やコミックシリーズ、ビデオゲームなど、さまざまなメディア展開が行われてきた点もこのIPの特徴だ。半世紀にわたり形を変えながら受け継がれてきた『悪魔のいけにえ』は、単なるホラー映画の枠を超え、ジャンルそのものに影響を与え続けてきた作品群だと言える。

新たな章に向けて示されたフランチャイズの未来像

製作総指揮を務めるグレン・パウエルは、『悪魔のいけにえ』について「僕のお気に入りの映画の一つ」と述べ、「この作品は一世代のホラー映画を定義したし、公開から半世紀以上経った今でも、僕の故郷テキサス州を代表する映画の一つであり続けている」と語っている。その上で、バーンストームとしてフランチャイズの新章に関われることを「光栄」だとし、A24やJT・モルナー、製作パートナーとの協働を評価した。

一方、オリジナル作品の共同脚本家であるキム・ヘンケルは、今回の契約について「難しい決断だった」と前置きしつつも、A24が「境界に挑戦するジャンル映画を受け入れる姿勢」を持つスタジオである点を選択理由として挙げている。また、JT・モルナー、ロイ・リー、ダン・コーエン、グレン・パウエルらが揃った体制について、「本当に目を見張るような、予想外のシリーズを作れる最高のチャンスがある」と期待を示し、「チェーンソーの裏側には壮大な物語が潜んでいる」と語った。

TVシリーズを起点に、映画企画も並行して進められる今回の再始動は、『悪魔のいけにえ』というフランチャイズを改めて定義し直す試みとなる。A24のもとで展開される新たな章が、長い歴史を持つこのIPにどのような広がりをもたらすのか、今後の動向が注目される。

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