『ズートピア2』公開17日で世界興収10億ドル突破-PG指定映画史上最速が示す“劇場の力”【興行収入】

『ズートピア2』より © 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved. NEWS
『ズートピア2』より © 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『ズートピア2』が公開17日で世界興収10億ドルを突破し、PG指定映画史上最速記録を更新した。


Netflixとワーナー・ブラザースの合併案を巡り、ハリウッドでは劇場公開の将来性を不安視する声が広がっている。配信主導の流れが加速する中、映画館に観客は本当に戻るのか──。そうした問いに対し、ディズニー最新作『ズートピア2』の興行成績は、明確な答えを示した。
批評家と観客の双方から支持を集める同作は、公開からわずか17日間で世界興収10億ドル(約1559億7000万円)を突破。PG指定映画史上最速という記録を打ち立て、適切な作品があれば観客は劇場に足を運ぶことを証明している。

公開17日で10億ドル突破、PG指定映画史上最速の快挙

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによる続編『ズートピア2』は、公開17日目の金曜日に世界興収10億ドル(約1559億7000万円)を突破した。2025年にこの節目を越えた作品は、同じくディズニーのヒット作『リロ&スティッチ』(実写版)に続き2作目となる。
さらに注目すべきは、そのスピードだ。『ズートピア2』はハリウッド製アニメーション映画全体、そしてPG指定映画全体の中で、史上最短期間で10億ドルに到達するという記録を樹立した。
楽天的なウサギと狡猾なキツネの冒険を描く本作は、直近の週末だけでも2630万ドル(約41億円)を上積みし、累計で国内興収2億5960万ドル(約404億円)、海外興収8億7780万ドル(約1369億円)、世界合計10億8000万ドル(約1684億円)に達している。

週末興行で首位返り咲き、競合作との差を示す結果に

『ズートピア2』は公開3週目の週末興行で再び首位に立った。前週は、ブラムハウスとユニバーサルが手がけるホラー続編『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』にトップの座を明け渡していたが、勢いの差はこの週末で明確になった。
『ズートピア2』は同週末に2630万ドル(約41億円)を稼ぎ出し、ファミリー層を中心に安定した集客力を維持。一方、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』は2週目に860万ドル(約13億円)を記録し、順位を2位に下げた。同作はここまでに国内興収9500万ドル(約148億円)を突破し、海外興収も1億7400万ドル(約271億円)を超えているものの、初週の勢いを維持するには至っていない。
この結果は、複数の大作が並ぶ年末興行においても、作品のターゲット層やリピート性が興行成績を大きく左右することを示している。『ズートピア2』はファミリー向け作品としての強みを発揮し、週を重ねるごとに観客を呼び戻す展開を続けている。

同じディズニー作品でも明暗、実写大人向け作品は苦戦

『ズートピア2』の快進撃はディズニーにとって大きな追い風となっているが、同時にスタジオ内部では対照的な結果も生まれている。同じディズニーのスタジオ敷地内で制作された政治コメディドラマ『エラ・マッケイ(原題)』(Ella McCay)が、アワードシーズンを見据えた大人向け話題作としては厳しい船出を強いられている。
同作は推定190万ドル(約3億円)で週末興行トップ10圏内に入ったものの、これは監督を務めたジェームズ・L・ブルックスのキャリアにおいて最も低い初動成績とされている。また、2500館以上で公開されたメジャースタジオ作品としても、史上最悪級のスタートとなった。
主演のエマ・マッキーに加え、ジェイミー・リー・カーティスジャック・ロウデンアルバート・ブルックスといったキャスト陣を揃えながらも、批評家からの評価は厳しく、興行面での巻き返しは容易ではない状況だ。『ズートピア2』の成功が際立つ一方で、ディズニーにとってはジャンルやターゲットによる興行リスクを改めて浮き彫りにする結果ともなっている。

ディズニー・アニメーションにとっても歴史的な成功

『ズートピア2』の世界的ヒットは、ディズニー全体にとってだけでなく、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの歴史においても重要な節目となった。同スタジオにとって、10億ドルを突破した作品が2作連続で誕生するのは今回が初となる。前作にあたるのは、前年に公開された『モアナと伝説の海2』で、いずれも世界興収10億ドル(約1559億7000万円)を超える成果を記録した。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオは2013年以降、『アナと雪の女王』、『モアナ』、そして『ズートピア』シリーズを通じて、これまでに計5本の10億ドル突破作品を生み出してきた。ファミリー層を中心に幅広い世代へ訴求するアニメーション作品が、長期的に安定した興行力を持つことを示す結果だ。
『ズートピア2』の成功は、単なる続編ヒットにとどまらず、同スタジオが築いてきたブランド力と作品開発の継続性を改めて裏付けるものとなっている。

「共有体験こそがズートピアの夢」制作トップが語る意味

『ズートピア2』の歴史的な興行成績について、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるジャレッド・ブッシュは、作品に込めた思いと劇場体験の価値を強調している。

「ディズニー・アニメーションのスタッフ全員が、喜びと想像力、そしてすばらしい思慮深さに満ちた物語を伝えるために、心と魂と情熱をこの映画に注ぎ込ぎました」と語った上で、次のように続けた。

「このマイルストーンは僕たちにとって本当に大きな意味を持っています。何よりも、世界中のあらゆる立場の人々が、みんな一緒に大スクリーンでこの映画を観るという共有体験のために劇場に足を運んでくれているということですから。それこそがズートピアの夢の実現です」

配信サービスが主流となる時代においても、映画館という空間で物語を共有する体験が持つ力は依然として大きい。『ズートピア2』の成功は、作品そのものの完成度とともに、劇場公開が生み出す集団的な体験価値を改めて浮かび上がらせる結果となっている。

『ズートピア2』は感謝祭の5日間で、5億5950万ドル(約872億円)という記録的なオープニングを記録し、アニメーション映画としての世界最高デビューを果たした。この成功はフランチャイズへの関心も再燃させ、2016年公開の前作『ズートピア』も再び注目を集めている。
年末にはクリスマス休暇という大きな興行機会を控えており、市場は複数のイベント作品を受け止める余地を残している。『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』といった強力な新作が控える中でも、『ズートピア2』がどこまで記録を伸ばすのか、その動向が引き続き注目されそうだ。

(1ドル=155.97円換算/12月15日(月))

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