ギレルモ・デル・トロ監督が7年ぶりに来日し『フランケンシュタイン』ジャパンプレミアが開催された。
Netflix映画『フランケンシュタイン』のジャパンプレミア上映会が9月24日(水)、ユナイテッドシネマ アクアシティお台場で行われた。舞台挨拶には約7年ぶりに公式来日したギレルモ・デル・トロ監督が登壇し、作品への思いや日本文化とのつながりを語った。さらに、親交の深いゲームクリエイター小島秀夫氏がスペシャルゲストとして登場し、熱気に包まれた一夜となった。
デル・トロ監督が約7年ぶりに来日-日本文化との深い縁を語る
『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞作品賞と監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督にとって、本作は「25年間取り組んできた、自伝のような作品」と語るほど思い入れの深いプロジェクトである。公式の来日は約7年8カ月ぶりとなり、舞台挨拶では久々の日本の地に立つ喜びを観客に伝えた。

ギレルモ・デル・トロ監督&小島秀夫氏 © cula
名著『フランケンシュタイン』をデル・トロ流に映画化-生と死をめぐる壮大なドラマ
Netflix映画『フランケンシュタイン』は、1818年に発表されたメアリー・シェリーの小説を原作とし、200年以上にわたり多くの創作物に影響を与えてきた名作を基にしている。物語は、己の欲望に突き動かされ新たな生命の創造に挑むフランケンシュタイン博士(演:オスカー・アイザック)と、誕生した“怪物”(演:ジェイコブ・エロルディ)を中心に展開する。存在を持て余される“怪物”の姿は、人間とは何か、そして真のモンスターとは誰なのかという根源的な問いを観客に投げかける。

Netflix映画『フランケンシュタイン』一部劇場にて10月24日(金)より公開/Netflixにて11月7(金)より独占配信
『シェイプ・オブ・ウォーター』で知られるデル・トロ監督は、長年にわたり映像化を切望してきた題材に挑み、愛と理解を求める切実な思いを壮大なスケールで描き出す。本作は監督が自ら「25年間取り組んできた」と語るほど情熱を注いだプロジェクトであり、作品そのものが監督の映画人生を象徴する存在となっている。
デル・トロ&小島氏が登壇
舞台挨拶では、司会の呼びかけに応じてギレルモ・デル・トロ監督とスペシャルゲストの小島秀夫氏が登場。会場は大きな拍手に包まれた。
デル・トロ監督は「子どもの頃からこの作品を作りたいと願ってきた。父であり息子である自分の経験を投影した、とてもパーソナルな作品です。皆さんと今夜を共有できることを大変嬉しく思います」と挨拶。

ギレルモ・デル・トロ監督 © cula
続いて小島氏は「特撮や死生観、ヒーロー観で監督と共鳴する部分が多い。大好きなデル・トロ監督が究極の『フランケンシュタイン』を完成させたことが本当に嬉しい」と語り、長年の友情を感じさせる和やかな雰囲気でイベントが幕を開けた。
作品への思いと制作の苦労
作品完成の心境について問われたデル・トロ監督は「まるで産後うつのような気分です。子どもを学校に送り出し、帰りを待つような感覚」とユーモラスに表現し、長年の夢を実現した思いを語った。

小島秀夫氏 © cula
一方で小島氏は本作を「フランケンシュタイン版『羅生門』」と評し、「父と子の関係に昇華した点に驚いた。これまで多くの『フランケンシュタイン』を見てきたが、こんなに美しく優しい映画はなかった」と絶賛。
観客からは大きな拍手が送られ、監督の個人的な思いと独創的な解釈が色濃く反映された作品であることが浮き彫りとなった。
原作との出会いと長い旅路
幼少期からの原作との出会いについても監督は振り返った。ギレルモ・デル・トロ監督は「7歳のときに1931年版『フランケンシュタイン』を観て衝撃を受け、11歳で小説を読んだとき“原作の精神はまだ映画として語られていない”と感じた」と明かす。

ギレルモ・デル・トロ監督 © cula
カトリックの教会に通いながら日曜にホラー映画を観るという独特な体験の中で、「自分もまたモンスターだ」と直感したことが、その後の創作の原点になったという。
監督は「40代になり父親となったとき、この物語は自分と子どもについても描きたいと思った」と語り、40年以上にわたるライフワークとしての歩みを観客に伝えた。
親子/人間存在をめぐる『フランケンシュタイン』のテーマ
作品に込めたテーマについてギレルモ・デル・トロ監督は「誰もが息子として生まれ、やがて父となる。その過程で許しや受容を学ぶ」と語り、「壮大な物語でありながらも、親密な関係を描きたかった」と強調した。
また「ビクター・フランケンシュタイン自身が主人公であり、同時に自らの敵でもある」と述べ、人間存在の二面性を深く掘り下げた作品であることを示唆。

ギレルモ・デル・トロ監督 © cula
監督の言葉からは、モンスター映画としての枠を超え、人間の根源的な問いに迫る意欲作であることが伝わった。
友情を確かめ合うふたり、伊藤潤二の来場も
イベントの終盤、小島氏は「この映画を観た人は“自分もモンスターかもしれない”“自分は父であり息子でもある”と考えながら帰るはず。10年、20年後も反芻され続ける作品になる」と述べ、作品の持続的な力を強調した。

ギレルモ・デル・トロ監督&小島秀夫氏 © cula
さらにギレルモ・デル・トロ監督は、会場に来場していた漫画家の伊藤潤二氏に言及しつつ、「異なる者同士が理解し合えることが、今の世界ではとても貴重だ」と語り、観客に深いメッセージを残した。
最後は「良い時も悪い時も支え合ってきた友人・小島さんと、この場を共有できたことに心から感謝します」と結び、友情と感謝に満ちた言葉で舞台挨拶を締めくくった。
イベント開催情報
イベント名:Netflix映画『フランケンシュタイン』ジャパンプレミア上映会 舞台挨拶
日程:2025年9月24日(水)
会場:ユナイテッドシネマ アクアシティお台場(東京都港区台場1-7-1 アクアシティお台場内)
登壇者:ギレルモ・デル・トロ監督、小島秀夫(スペシャルゲスト)
作品情報
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
原作:メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」
プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ(p.g.a.)、J・マイルズ・デイル(p.g.d.)、スコット・ステューバー(p.g.a.)
撮影監督:ダン・ローストセン(ASC、DFF)
美術:タマラ・デヴェレル
編集:エヴァン・シフ(ACE)
衣装デザイナー:ケイト・ホーリー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
VFXスーパーバイザー:デニス・ベラルディ
キャスティング:ロビン・D・クック
クリーチャーデザイン:マイク・ヒル
制作会社: Double Dare You, Demilo Films Production, Bluegrass 7 Entertainment
