映画『マルホランド・ドライブ』で一躍スターとなったナオミ・ワッツ。しかしその成功の裏には、先週78歳で他界したデヴィッド・リンチ監督との運命的な出会いがあった。10年以上も苦闘していた彼女を救った、オーディションでの秘話とは。
挫折寸前のナオミ・ワッツを救った運命の出会い
「ツイン・ピークス」などで知られるリンチと出会う前、ワッツは役者としての限界を感じていた。現地時間1月23日(火)放送の「Live! With Kelly and Mark」に出演した際、アンダーソン・クーパーに対し、当時を振り返っている。「もしデヴィッドと出会っていなければ、アメリカに残ることもなかったでしょう」と、監督との出会いの重要性を強調した。
自己否定の連鎖を断ち切ったデヴィッド・リンチのオーディション
当時のエージェントから「仕事を得ようとあまりにも必死すぎて、周囲を困らせている」と忠告を受けるほど追い詰められていたワッツ。そんななか行われた2001年公開の『マルホランド・ドライブ』のオーディションは、通常とは異なる形で進められた。
「彼は座ってただ私の目を見つめ、質問をするだけだったの」とワッツは明かす。当時自信を失い「どうすればいいの?何をしたらいいの?」「私には面白みがない、セクシーさが足りない、年を取りすぎている…」と自己否定を繰り返していた彼女だったが、リンチ監督はただ彼女を観察し、そうした殻を「優しく剥がしていった」という。
リンチ監督との深い絆がもたらした自己肯定感
そして主演に起用されたワッツは主人公のベティ・エルムスとダイアン・セルウィンを演じ、リンチ監督はアカデミー賞監督賞にノミネートされた。その後もワッツがリンチを「良き友人であり、師匠」と呼ぶほどに親交を深めていったという。Instagramに投稿された追悼文では「衝撃を受けた芸術だけでなく、彼(リンチ)の知恵とユーモア、そして愛情が、それまで見出せなかった自己肯定感を与えてくれました」と、感謝の言葉が綴られている。
巨匠デヴィッド・リンチ監督がもたらしたナオミ・ワッツの人生の転機。その奇跡的な出会いと再生の物語は、観る者に多くの感動を与えてくれる。1月24日から4Kレストア版でリバイバル上映も行われるこの機会にぜひ、『マルホランド・ドライブ』をもう一度堪能してみていただきたい。



