短編映画『トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド』(2014)を紹介&解説。
映画『トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド』概要
映画『トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド』は、『トイ・ストーリー3』のその後を描くディズニー&ピクサーの短編アニメーション/テレビスペシャル。ボニーの遊び相手として暮らすウッディやバズたちが、友だちの家で“自分たちをおもちゃだと知らない”恐竜戦士たちの世界に迷い込む。物語の中心に立つのは、恐竜のおもちゃでありながら、普段の遊びではなかなか恐竜らしく扱ってもらえないトリクシー。アクションとユーモアを交えながら、「おもちゃにとって大切な役割とは何か」を描くスピンオフ作品である。
作品情報
日本版タイトル:『トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド』
原題:Toy Story That Time Forgot
製作年:2014年
本国公開日:2014年12月2日(米ABC放送)
日本公開日:劇場未公開(2016年3月2日ブルーレイ/DVD発売・デジタル配信)
ジャンル:アニメーション/アドベンチャー/ファミリー
製作国:アメリカ
原作:無
上映時間:22分
監督:スティーヴ・パーセル
脚本:スティーヴ・パーセル
製作:ギャリン・サスマン
製作総指揮:ジョン・ラセター
編集:デヴィッド・サザー
作曲:マイケル・ジアッキーノ
出演(声):トム・ハンクス/ティム・アレン/クリステン・シャール/ケヴィン・マクキッド/エミリー・ハーン/ウォレス・ショーン/スティーヴ・パーセル/ドン・リックルズ/ティモシー・ダルトン/ジョーン・キューザック/エマ・ハダック
日本語吹替:唐沢寿明/所ジョージ
製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント(日本ソフト)/ABC(米放送)
あらすじ
クリスマスのあと、ボニーはウッディ、バズ、トリクシー、レックスたちを連れて、友だちのメイソンの家へ遊びに行く。しかし、ボニーとメイソンは新しいテレビゲームに夢中になり、おもちゃたちは部屋に残されてしまう。そこで一行が足を踏み入れたのは、恐竜戦士のおもちゃ“バトルサウルス”たちが支配する世界だった。彼らは自分たちがおもちゃであることを知らず、戦いこそがすべてだと信じている。恐竜として扱われることに喜びを感じるトリクシーは、レプティラス・マキシマスと出会いながら、仲間を守ること、そしておもちゃとして子どものそばにいることの意味を見つめ直していく。
主な登場人物(キャスト)
トリクシー(クリステン・シャール):ボニーのおもちゃであるトリケラトプス。恐竜でありながら、普段の遊びでは別の役を与えられがちなことに物足りなさを感じている。本作では“恐竜”として認められる世界に惹かれながら、自分がおもちゃである意味に向き合う。
ウッディ(トム・ハンクス):ボニーのもとで仲間たちを見守るカウボーイ人形。メイソンの部屋でバトルサウルスの世界に巻き込まれ、バズたちとともにボニーのもとへ戻ろうとする。
バズ・ライトイヤー(ティム・アレン):ウッディの相棒であるスペース・レンジャーのおもちゃ。恐竜戦士たちの闘技場に巻き込まれながらも、仲間たちと危機を切り抜ける道を探る。
レックス(ウォレス・ショーン):気弱だが愛嬌のあるティラノサウルスのおもちゃ。トリクシーと同じ恐竜としてバトルサウルスの世界に入り込み、コミカルな存在感を見せる。
レプティラス・マキシマス(ケヴィン・マクキッド):メイソンの部屋にある恐竜戦士のおもちゃ“バトルサウルス”の中心的存在。自分がおもちゃであることを知らず、戦士としての誇りに生きている。
ボニー(エミリー・ハーン):ウッディたちの持ち主である女の子。メイソンの家におもちゃを連れて行くが、テレビゲームに夢中になったことで、ウッディたちの冒険が始まる。
エンジェルキティ/ネコザウルス(エマ・ハダック):クリスマス飾りのような小さなおもちゃ。短い言葉で周囲に不思議な示唆を与える、本作ならではのユーモラスな存在。
作品の魅力解説
本作の魅力は、『トイ・ストーリー』シリーズの王道テーマを、約22分という短い尺の中でコンパクトに描いている点にある。ウッディやバズの冒険でありながら、物語の軸はトリクシーに置かれており、「自分はどう遊ばれたいのか」「おもちゃにとって本当に大切なことは何か」という問いが、恐竜アクションの形で描かれる。
もうひとつの見どころは、“バトルサウルス”という架空の恐竜玩具シリーズの作り込みである。闘技場、鎧、武器、支配者のようなキャラクター造形は、1980年代風のアクションフィギュア文化を思わせる楽しさがあり、短編ながらひとつの独立した世界として成立している。子どもの遊び場が、壮大なファンタジー空間へと変わるのは、シリーズらしい想像力の面白さだ。
また、本作は『トイ・ストーリー3』以降のボニーの部屋にいるおもちゃたちの関係性を楽しめるスピンオフでもある。劇場長編ほど大きな別れや成長を描く作品ではないが、仲間を思う気持ち、子どものそばにいる喜び、自分の役割を受け入れることが、軽快な冒険の中にしっかり込められている。シリーズのファンにとっては、トリクシーという脇役に光が当たる点も見逃せない。
