映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)を紹介&解説。
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』概要
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、トム・ホランド主演によるMCU版『スパイダーマン』シリーズの第3弾。前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のラストで正体を暴かれたピーター・パーカーが、ドクター・ストレンジの魔術をきっかけにマルチバースの混乱へ巻き込まれていく。監督はジョン・ワッツ、共演にゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイら。過去の『スパイダーマン』映画シリーズと接続する展開も大きな話題となった。
作品情報
日本版タイトル:『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
原題:Spider-Man: No Way Home
製作年:2021年
本国公開日:2021年12月17日
日本公開日:2022年1月7日
ジャンル:アクション/スーパーヒーロー/SF
製作国:アメリカ
原作:マーベル・コミック『スパイダーマン』(原作キャラクター:スタン・リー/スティーヴ・ディッコ)
上映時間:149分
前作(スパイダーマン):『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)
次作(スパイダーマン):『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(2026)
前作(MCU):『エターナルズ』(2021)
次作(MCU):『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ/エリック・ソマーズ
製作:ケヴィン・ファイギ/エイミー・パスカル
製作総指揮:ルイス・デスポジート/ヴィクトリア・アロンソ/ジョアン・ペリターノ/レイチェル・オコナー/アヴィ・アラッド/マット・トルマック
撮影:マウロ・フィオーレ
編集:ジェフリー・フォード/リー・フォルソム・ボイド
作曲:マイケル・ジアッキーノ
出演:トム・ホランド/ゼンデイヤ/ベネディクト・カンバーバッチ/ジェイコブ・バタロン/ジョン・ファヴロー/マリサ・トメイ/アルフレッド・モリーナ/ウィレム・デフォー/ジェイミー・フォックス/ベネディクト・ウォン/トニー・レヴォロリ/アンドリュー・ガーフィールド/トビー・マグワイア
製作:コロンビア・ピクチャーズ/マーベル・スタジオ/パスカル・ピクチャーズ
配給:ソニー・ピクチャーズ
あらすじ
ミステリオの遺した映像によって、ピーター・パーカーがスパイダーマンであることが世界中に知られてしまう。世間の注目と疑惑にさらされ、ミシェル・ジョーンズ=ワトソンやネッド、メイおばさんまで危険に巻き込まれていく中、ピーターはドクター・ストレンジに助けを求める。しかし、世界から“ピーターがスパイダーマンである記憶”を消すための呪文は思わぬ事態を招き、別のユニバースから強大なヴィランたちが現れる。大切な人を守るため、ピーターは自らの選択と向き合うことになる。
主な登場人物(キャスト)
ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド):正体を世界に知られてしまった若きヒーロー。普通の生活とスーパーヒーローとしての責任の間で追い詰められ、事態を解決するためにドクター・ストレンジの力を借りようとする。
ミシェル・ジョーンズ=ワトソン/MJ(ゼンデイヤ):ピーターの恋人。ピーターの正体が明かされたことで自身も騒動に巻き込まれるが、彼を支えながら危機に立ち向かう。
スティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ):ピーターから相談を受け、魔術で人々の記憶を書き換えようとする元外科医の魔術師。呪文の失敗によってマルチバースの扉が開くきっかけを作る。
ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン):ピーターの親友。MJとともにピーターを支え、混乱する状況の中でも重要な役割を果たす。
メイ・パーカー(マリサ・トメイ):ピーターを見守る叔母。ヒーローとしての責任や人を救うことの意味を、ピーターに深く考えさせる存在となる。
ハッピー・ホーガン(ジョン・ファヴロー):トニー・スターク/アイアンマンの元側近で、ピーターやメイを支える人物。ピーターの周囲で起きる騒動に巻き込まれていく。
ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー):別のユニバース(サム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズの世界)から現れる強敵。善良な人格と狂気を帯びたグリーン・ゴブリンとしての顔を併せ持ち、ピーターに大きな試練を突きつける。
オットー・オクタビアス/ドック・オク(アルフレッド・モリーナ):機械アームを操る科学者。別のユニバース(サム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズの世界)から現れ、ピーターの前に立ちはだかる。
マックス・ディロン/エレクトロ(ジェイミー・フォックス):別のユニバース(『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの世界)から現れるヴィランで、電気を操る能力を持つ。
ピーター・パーカー/スパイダーマン(アンドリュー・ガーフィールド):別のユニバース(『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの世界)から現れるもうひとりのスパイダーマン。自身の経験と後悔を抱えながら、トム・ホランド演じるピーターを助ける。
ピーター・パーカー/スパイダーマン(トビー・マグワイア):別のユニバース(サム・ライミ監督版『スパイダーマン』シリーズの世界)から現れるスパイダーマン。長くヒーローとして生きてきた経験をもとに、若いピーターに寄り添う。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、MCU版『スパイダーマン』三部作の青春物語を、ピーター・パーカーの“自立”へとつなげている点にある。正体を知られたことで、ピーターはヒーローとしての行動が自分だけでなく周囲の人生にも影響を及ぼす現実に直面する。
また、マルチバースを使った展開により、過去の『スパイダーマン』映画シリーズに登場したヴィランやキャラクターが物語に関わる構成も見どころである。単なるファンサービスにとどまらず、それぞれの人物がピーターの選択や成長に結びついている。
アクション面では、スパイダーマンらしい空中戦やスピード感のあるバトルに加え、魔術や別ユニバースのヴィランの能力が絡むことで、シリーズの中でもスケールの大きい映像表現が楽しめる。ドクター・ストレンジとの共演によって、街を舞台にしたヒーロー映画でありながら、MCU全体の広がりも感じられる作品となっている。
さらに、クライマックスに向けて描かれるのは、ヒーローであることの代償と、それでも人を救おうとするピーターの信念である。明るい青春映画として始まったMCU版『スパイダーマン』が、より孤独で成熟したヒーロー像へ進んでいく転換点としても重要な1作である。
