タランティーノ、ブラッド・ピットに「申し訳なかった」クリフ・ブース続編を自ら監督しなかった理由を語る

タランティーノ、ブラッド・ピットに「申し訳なかった」クリフ・ブース続編を自ら監督しなかった理由を語る NEWS
クエンティン・タランティーノ(左)、ブラッド・ピット(右)

タランティーノがクリフ・ブース続編の監督を見送った際、ブラッド・ピットへの後ろめたさを感じたと語った。


クエンティン・タランティーノが、自身の監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』から派生した新作映画について、監督を引き受けなかった際の葛藤を明かした。

映画の中心となるのは、ブラッド・ピットが演じたスタントマン、クリフ・ブース。タランティーノ自身が脚本を執筆したものの、監督はデヴィッド・フィンチャーが務めることになった。

英Empire誌の新たなインタビューでタランティーノは、当初の構想を変更したことへの思いを語っている。

タランティーノ、ブラッド・ピットに「申し訳なかった」

2019年の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で、ピットはレオナルド・ディカプリオ演じる俳優リック・ダルトンのスタントマン、クリフ・ブースを熱演。この役でアカデミー賞助演男優賞を獲得した。

タランティーノはその後、クリフを主人公とする新たな物語を執筆。自身にとって10作目となる監督作品の候補としていたが、最終的に監督することを見送った。

その判断について、タランティーノは次のように振り返った。

「僕が監督をしないことで、本当にがっかりさせてしまうと思ったのは彼だった。申し訳なく思ったよ」

ピットがクリフ・ブースという役を再び演じたいと強く望んでいたことも、タランティーノの心に残っていたようだ。

ただし、タランティーノが監督を断念したのは、キャラクターや物語に魅力を感じなくなったからではない。むしろ、自ら生み出した脚本が別の映画作家に引き継がれることで、これまでにない可能性が開かれていった。

デヴィッド・フィンチャーの参加に驚き、脚本家としての喜びも

監督交代の大きな転機となったのは、ピットと長年の協力関係にあるフィンチャーの存在だった。

フィンチャーは『セブン』『ファイト・クラブ』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などでピットと組んできた映画監督であり、今回の脚本にも関心を示した。

フィンチャーが企画に興味を持っていると知ったとき、タランティーノは非常に驚いたという。

「本当にびっくりしたよ。『本当か? 彼が興味を持ってくれると思う? 最高じゃないか、脚本を見せてくれ!』という感じだった」

タランティーノはさらに、フィンチャーほどの監督が約1年半もの時間を費やして、自分の書いた脚本を映像化してくれることはすばらしいと語った。

自分は脚本家としても評価されてきたが、世間には「自分で監督するために脚本を書く映画監督」と思われている部分もあると感じているという。

だからこそ、別の優れた監督が自分の脚本に価値を見出してくれたことは、大きな意味を持っていたようだ。

一方、フィンチャーも同じインタビューでピットについて言及。自分が監督でありながら、俳優のほうが演じるキャラクターを深く理解しているという、これまで経験したことのない状況だったと振り返っている。

クリフ・ブースの続編は1977年が舞台、11月25日からIMAX上映

新作『ザ・ファーザー・ミスアドベンチャー・オブ・クリフ・ブース』では、前作の1969年から8年後となる1977年のハリウッドが舞台となる。

かつてのスタントマンだったクリフは、映画業界の厄介な問題を処理するフィクサーとして活動。俳優やスタジオ、裏社会の人物たちが交錯する世界へと足を踏み入れていく。

本作は2026年11月25日からIMAX劇場で2週間限定上映され、12月23日からNetflixで配信される予定だ。

今回の新作において興味深いのは、単に監督が変わったという事実ではない。

脚本を手がけたタランティーノ、キャラクターを熟知したピット、そして独自の映像表現を追求するフィンチャー。それぞれが異なる形で作品に関わり、ひとつの物語を発展させている。

タランティーノが抱いた後ろめたさから始まったともいえる今回の監督交代。その結果として、映画界を代表する才能たちによる異色のコラボレーションが実現した。

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