『きれっぱしの愛』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

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『きれっぱしの愛』より ©STILL VIVID, SNOWGLOBE, HOBAB, MANEKI FILMS, FILM I VÄST, ARTE FRANCE CINEMA

映画『きれっぱしの愛』(2025)を紹介&解説。


映画『きれっぱしの愛』概要

映画『きれっぱしの愛』は、フリーヌル・パルマソン監督(『ゴッドランド/GODLAND』)が、アイスランドの田舎町に暮らす“もう夫婦ではない”男女と子供たちの時間を見つめるドラマ。別れたはずのアンナとマグヌスが、子供たちや愛犬パンダとともに、食卓を囲み、ピクニックに出かけ、かつて家族だった日々の名残と向き合っていく。第78回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門に出品され、第98回アカデミー賞国際長編映画賞のアイスランド代表にも選出された。

作品情報

日本版タイトル 『きれっぱしの愛』
原題 The Love That Remains
原題(アイスランド語) Ástin Sem Eftir Er
製作年 2025年
本国公開日 2025年8月14日(アイスランド)
日本公開日 2026年7月3日
ジャンル ドラマ/コメディ
製作国 アイスランド/デンマーク/スウェーデン/フランス
原作 なし(オリジナル脚本)
上映時間 109分
監督・脚本・撮影 フリーヌル・パルマソン
製作 レミ・ビュラ/カトリン・ポルス/アントン・マーニ・スヴァンソン
編集 ユリウス・クレブス・ダムスボ
音楽 ハリー・ハント
美術 フロスティ・フリズリクソン
音響 ビョルン・ヴィクトルソン
出演 サーガ・ガルザルスドッティル/スベリル・グドナソン/イダ・メッキン・フリンスドッティル/ソルギス・フリンソン/グリムール・フリンソン/イングヴァール・シーグルズソン/アンダース・モスリング
製作会社 Still Vivid/Snowglobe/HOBAB/Maneki Films/Film i Väst/Arte France Cinéma
配給 NOROSHI/ギャガ(日本)

あらすじ

北欧・アイスランドの田舎町。芸術家のアンナは、しっかり者の長女イダ、わんぱくな双子グリムールとソルギス、そして愛犬パンダと暮らしながら、自分自身の創作と日々の生活に向き合っていた。若くして結婚した夫マグヌスとは、すでに“もう夫婦ではない”関係になっているが、マグヌスはいまだ家族への情を断ち切れず、何かと理由をつけて家を訪れる。

食卓、ピクニック、子供たちとの時間。壊れたはずの関係の中に、なお残り続ける愛のかけらが、移ろう四季の中で静かに浮かび上がっていく。

主な登場人物(キャスト)

アンナ(サーガ・ガルザルスドッティル):アイスランドの田舎町で3人の子供たちと暮らす芸術家。母としての日常を抱えながら、自分の表現や生き方を模索している。マグヌスとはすでに夫婦ではなくなっているが、完全に断ち切れない家族の時間の中にいる。

マグヌス(スベリル・グドナソン):アンナの元夫。夫婦関係は終わったはずだが、家族への思いを手放せず、家を訪ねたり、食卓を囲んだり、子どもたちとの時間を過ごしたりしながら、離れてもなお残る愛情と孤独を抱える。

イダ(イダ・メッキン・フリンスドッティル):アンナとマグヌスの長女。しっかり者として家族の中に存在し、両親の関係が変化していく中でも、日々の生活を自分なりに受け止めていく。

グリムール(グリムール・フリンソン)/ソルギス(ソルギス・フリンソン):アンナとマグヌスの双子の息子たち。いたずら好きでエネルギッシュ。

パンダ:家族とともに暮らすアイスランド・シープドッグ。子供たちと同じように家族の時間を共有する存在で、第78回カンヌ国際映画祭ではパルムドッグ賞を受賞した。

作品の魅力解説

1. “別れた後の家族”を見つめる、静かな視点
『きれっぱしの愛』が描くのは、劇的な離婚劇ではなく、関係が壊れた後にも続いていく家族の時間。アンナとマグヌスは、もう夫婦ではない。それでも子どもたちの前では食卓を囲み、同じ景色を見て、同じ記憶の中に残り続ける。別れたから終わるのではなく、別れた後に何が残るのかを見つめる作品になっている。

2. アイスランドの四季と家族の日常が重なる映像美
本作では、アイスランドの自然と移ろう四季が、家族の感情の揺らぎと重ねられていく。フリーヌル・パルマソン監督自身が撮影も手がけており、広大な風景、家の中の小さな出来事、子供たちの身体の動きが、詩的なスケッチのように積み重なっていく。

3. ユーモアとシュールさがにじむ家族ドラマ
別れや孤独を扱いながらも、本作は重苦しいだけの作品ではない。子供たちの奔放な行動、動物たちの存在、ふいに差し込まれるシュールな場面が、家族の痛みを少しだけずらして見せる。シニカルでありながら温かく、奇妙でありながら切実なトーンが、本作ならではの魅力となっている。

4. 『ゴッドランド/GODLAND』監督の新たな一面
『ゴッドランド/GODLAND』で壮大な自然と信仰、孤独を描いたパルマソン監督が、本作ではより身近な家族の時間へと視線を向けている。スケールは親密になりながらも、自然、記憶、時間、人間関係の不確かさを捉える作家性は健在。監督のフィルモグラフィーの中でも、柔らかさと不穏さが同居する作品として注目される。

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