ディズニー&ピクサー最新作『トイ・ストーリー5』が、北米で2026年最大のオープニングを記録した。
『トイ・ストーリー5』がシリーズ最高の初登場を記録
ディズニー&ピクサーの人気シリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が、北米週末興行で初登場1位を獲得した。米Varietyによると、本作は北米4,425館で1億6000万ドル(約258億4000万円)を記録。これにより、『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』の1億3170万ドル(約212億6955万円)を上回り、2026年最大の北米デビューとなった。
さらに本作は、シリーズ歴代最高のオープニング記録も更新。これまでの最高記録は2019年公開の『トイ・ストーリー4』による1億2000万ドル(約193億8000万円)だったが、『トイ・ストーリー5』はその数字を大きく上回った。アニメーション映画としても、2018年の『インクレディブル・ファミリー』が記録した1億8270万ドル(約295億605万円)に次ぐ、歴代2位の初動成績となっている。
海外でも1億5200万ドル(約245億4800万円)を記録し、全世界興収は3億1200万ドル(約503億8800万円)に到達。製作費は宣伝費を除いて2億5000万ドル(約403億7500万円)とされるが、初週から世界規模で大きなスタートを切った形だ。
おもちゃとテクノロジーの対立が新たな物語に
『トイ・ストーリー5』では、ウッディ、バズ・ライトイヤー、ジェシーたちおなじみのおもちゃが再登場。持ち主のボニーが、Lilypadと呼ばれる子ども向けスマートタブレットに夢中になっていくなか、おもちゃたちは新たな時代の変化と向き合うことになる。
監督を務めたのは、ピクサー作品を長年支えてきたアンドリュー・スタントン。声の出演にはトム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザックらが名を連ねる。さらにテイラー・スウィフトが新曲「I Knew It, I Knew You」を提供していることも、話題性を後押ししている。
評価面でも好調だ。Rotten Tomatoesでは94%、CinemaScoreでは観客評価「A」を獲得しており、ファミリー層の口コミにも期待がかかる。近年はオリジナルアニメーション作品が興行面で苦戦する一方、『インサイド・ヘッド2』や『ズートピア2』など、人気シリーズの続編は世界興収10億ドル級の成功を収めてきた。『トイ・ストーリー5』もこの流れに乗れば、シリーズ最高興収である『トイ・ストーリー4』の10億7000万ドル(約1728億500万円)超えも視野に入る。
興行ニュースレター「FranchiseRe」を発行するデヴィッド・A・グロスは、ファミリー映画の強さについて次のように語っている。
「ファミリー映画は、2023年に劇場市場が力強く戻ってきて以来、業界を引っ張っているよ。このジャンルの成功の多くは、続編や実写リメイクから生まれている。ピクサーとディズニーは、シリーズを作品ごとに成長させるのが特にうまい。ものすごく印象的だよ」
スピルバーグ新作は下落、ホラー勢は粘りを見せる
2位には、スティーヴン・スピルバーグ監督のSFアドベンチャー『ディスクロージャー・デイ』がランクインした。公開2週目の週末成績は1700万ドル(約27億4550万円)で、前週比62%減。北米累計は7800万ドル(約125億9700万円)、海外累計は8200万ドル(約132億4300万円)となり、全世界では1億6000万ドル(約258億4000万円)に達している。
ただし、同作の製作費は1億1500万ドル(約185億7250万円)とされ、劇場側の取り分を考慮すると、黒字化には世界興収3億ドル(約484億5000万円)前後が必要とみられている。スピルバーグ作品に親しんできた年長の男性層には届いている一方、若い世代への広がりには課題を残す結果となった。
一方で、低予算ホラーの勢いは続いている。フォーカス・フィーチャーズの『オブセッション 災愛』は公開6週目ながら1420万ドル(約22億9330万円)を記録。前週比25%減にとどまり、北米累計は2億1500万ドル(約347億2250万円)、世界興収は3億3300万ドル(約537億7950万円)に到達した。
A24の『Backrooms(原題)』も好調を維持しており、公開4週目に730万ドル(約11億7895万円)を加算。北米累計は1億7500万ドル(約282億6250万円)、世界興収は3億100万ドル(約486億1150万円)となり、A24史上最大のヒット作となっている。
さらに、パラマウントの『最終絶叫計画 令和!』は670万ドル(約10億8205万円)を記録し、トップ5入り。北米累計は9740万ドル(約157億3010万円)、世界興収は2億190万ドル(約326億685万円)に達している。製作費は3000万ドル(約48億4500万円)とされ、すでに高い収益性を見せている。
小規模公開作は明暗、夏興行はポストコロナ以降最大級へ
『トイ・ストーリー5』と同週に公開された小規模作品では、Neon配給の『Leviticus(原題)』が1076館で274万ドル(約4億4251万円)を記録し、8位にランクインした。コンバージョン・セラピーで出会ったふたりの少年を描くスーパーナチュラル・ホラーで、批評面の評価も高く、夏にかけて粘りを見せる可能性がある。
一方、A24のR指定作品『The Death of Robin Hood(原題)』は1782館で265万ドル(約4億2798万円)にとどまり、9位発進となった。ヒュー・ジャックマン主演、マイケル・サルノスキ監督によるロビン・フッドの再解釈作品だが、CinemaScoreは「C+」、Rotten Tomatoesは69%とやや伸び悩んでいる。A24は北米配給権を約400万ドル(約6億4600万円)で取得したとされる。
大型作品では、Amazon MGMの『マスターズ・オブ・ユニバース』とディズニーの『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』が踏みとどまったものの、全体としては物足りない成績となっている。『マスターズ・オブ・ユニバース』は公開3週目に560万ドル(約9億440万円)を加え、北米累計5600万ドル(約90億4400万円)、世界興収1億190万ドル(約164億5685万円)。製作費2億ドル(約323億円)を考えると、今年を代表する興行的失敗作のひとつとなりそうだ。
『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』は公開5週目に390万ドル(約6億2985万円)を記録。北米累計は1億7200万ドル(約277億7800万円)、世界興収は3億2000万ドル(約516億8000万円)超となっている。製作費は1億6500万ドル(約266億4750万円)とされ、大きな赤字ではないものの、「スター・ウォーズ」を劇場映画として再び大きく押し上げるには至っていない。
それでも、夏興行全体は力強い。Rentrakによると、現在の夏興行は2019年夏をわずか1.8%下回る水準で、昨年比では15%上回っている。4か月の夏興行収入は40億ドル(約6460億円)を超える見込みで、パンデミック以降では「バーベンハイマー」現象が起きた2023年に続く大型シーズンになりそうだ。
今後は『スーパーガール』、『Jackass: Best and Last(原題)』、『ミニオンズ&モンスターズ』、クリストファー・ノーラン監督作『オデュッセイア』、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』などが控えている。『トイ・ストーリー5』の大ヒットは、夏の映画館にさらなる追い風をもたらすことになりそうだ。
グロスは現在の興行状況について、次のようにコメントしている。
「先週の一息を挟んで、興行はパンデミック前の平均を上回るペースに戻っているよ。ビジネスは素晴らしいね」
