スピルバーグ新作『ディスクロージャー・デイ』海外主要メディア評が到着-“原点回帰”の称賛と脚本への指摘から見える評価の分岐

『ディスクロージャー・デイ』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力・トリビアまとめ Latest Films
『ディスクロージャー・デイ』より © Universal Studios. All Rights Reserved.

スティーヴン・スピルバーグ『ディスクロージャー・デイ』の海外レビューが相次いでいる。


スティーヴン・スピルバーグ監督の新作映画『ディスクロージャー・デイ』に、海外主要メディアのレビューが相次いでいる。地球外生命体の存在と、それをめぐる政府の隠蔽を題材にした本作は、『未知との遭遇』(1977)や『E.T.』(1982)を想起させる原点回帰として語られる一方、現代の観客に“未知の驚異”をどう見せるかという点では、メディアによって評価に温度差も生まれているようだ。

“スピルバーグらしさ”への称賛と、70年代型スリラーとしての評価

米『ザ・ハリウッド・リポーター』誌は、本作を「スピルバーグが最も得意とするものへの魅惑的な帰還」と位置づけ、「映画の魔法をこれほど理解している存命の監督はいない」と高く評価した。同レビューは、エミリー・ブラントジョシュ・オコナーの演技を中心に、人間ドラマが作品の核になっていると指摘。コリン・ファースが、自身の行動を国家のためと信じる悪役を演じている点にも触れている。

『Deadline』誌も好意的で、本作を『コンドル』(1975)や『パララックス・ビュー』(1974)を思わせる70年代型の陰謀スリラーとして紹介。そのうえで、単なる追跡劇ではなく、誤情報の時代に「真実」や「共感」を問いかける映画だと評した。ジョン・ウィリアムズの音楽、ヤヌス・カミンスキーの撮影、サラ・ブロシャーの編集など技術面も高く評価されており、ブラントとオコナーが列車に絡むチェイスシーンは、スピルバーグ映画の新たなアクションの見せ場として挙げられている。

エミリー・ブラントに集まる高評価、脚本には慎重な声も

各媒体で特に評価が集中しているのが、エミリー・ブラントの演技である。『The Guardian』誌は、彼女の演技を「キャリア最高級」と評し、作品そのものについても「常に楽しく、最高級の娯楽」と表現した。一方で、ロズウェル事件やミステリーサークルといった題材を真正面から扱う荒唐無稽さにも触れ、スピルバーグだからこそ成立している作品という見方を示している。

『IndieWire』誌は、本作にB+評価を与えたうえで、スピルバーグが“冷笑”に抗うブロックバスターを作ったと分析した。同レビューは、宇宙人の存在そのものよりも、人と人との孤独や断絶を見つめる映画として本作を評価。ただし、脚本にはややぎこちなさがあり、人類が真実を知れば分断を乗り越えられるという楽観には十分な説得力があるとは言い切れないとも指摘している。

『未知との遭遇』級の驚異に届くかで分かれる見方

もっとも慎重な見方を示しているのが『Variety』誌だ。同レビューは、本作を「豪華で強烈なチェイス・スリラー」としながらも、『未知との遭遇』が持っていたような畏怖や驚異には届いていないと指摘する。UFOやUAPをめぐる映像や陰謀論がネット上にあふれる現代において、観客が映画の世界に先回りしてしまう可能性がある、という見立てである。

その意味で『ディスクロージャー・デイ』への海外評は、おおむね好意的でありながら一枚岩ではない。スピルバーグの演出、俳優陣、アクション、音楽には称賛が集まっている。一方で、異星人との遭遇をめぐる“驚き”や、真実の開示が人類にもたらす希望の描き方については、媒体ごとに受け止め方が分かれている。かつて『未知との遭遇』で空を見上げる感覚を映画に刻んだスピルバーグが、いまの時代にどのような“開示”を描いたのか。その点が、本作をめぐる最大の注目点になりそうだ。

『ディスクロージャー・デイ』は10月1日(金)日本公開。

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