『ウィキッド 永遠の約束』日本語吹替版声優・kemioにインタビュー。
世界中で社会現象を巻き起こした『ウィキッド ふたりの魔女』の続編『ウィキッド 永遠の約束』が、2026年3月6日(金)、ついに日本で公開される。culaでは、前作に引き続き、日本語吹替版でファニー役を務める人気クリエイター、kemio氏(以下・敬称略)へインタビューを敢行。声優初挑戦となった前作で「自然な演技」と高い評価を得た彼が、続編ではどのような心境で臨んだのか。ファニーというキャラクターへの思い、作品が持つメッセージ、そして自身の今後の展望まで、たっぷりと語ってもらった。
『ウィキッド 永遠の約束』kemio(日本語吹替・ファニー役)インタビュー
ファニー役続投と、前作へのファンの反応

kemio © cula
本作の日本語吹き替え版では、前作と同じくファニー役を続投されるということですが、決まった瞬間のお気持ちはいかがでしたか。
kemio:正直、驚きの方が多かったです。前作『ウィキッド ふたりの魔女』を終えて、(映画版の続編で)ストーリーがどう展開するのかもわからなかったので、「(続編に)自分の役があるのかな?」っていうドキドキもあったし。決まった後はやっぱり「またこの作品に出られるんだ」っていう嬉しさと驚きとワクワクの気持ちでいっぱいでした!
前作でファニー役を演じた後、ファンの反応やご自身の中で「印象に残っているコメント・エピソード」があればぜひ教えてください。
kemio:自然に演技をできたということなのか、「そういえばkemioくんが出てたんだった」「意識してないと気づかないぐらい、すごく自然な演技で素敵でした」っていう声を多くいただけたのがすごく嬉しかったです!
kemio:それと、友達と一緒に新宿の映画館に(前作を)観に行ったんですけど、上映が終わった後にバレて……お客さんにサプラ〜イズな舞台挨拶が提供できたのはすごく楽しかったです!
SNS発信者として多くのフォロワーと日々関わる立場から、今回の吹き替え出演を通じて「ファンとの新しいつながり・反応」が生まれたと感じる瞬間はありましたか?
kemio:僕は元々ミュージカル「ウィキッド」の大ファンなので、今回僕をきっかけにファンの皆さんや、今までこの作品を見たことがない人たちで(「ウィキッド」の)ファンになってくれた方がすごく多くて、それはすごく嬉しいことだったなと思います。

kemio © cula
続編ならではのプレッシャーや楽しみはありましたか。
kemio:(前作から)期間が1年空くわけじゃないですか。やっぱりこの1年で『ウィキッド ふたりの魔女』を観た皆さんの中でも「『ウィキッド 永遠の約束』がどういうストーリーになるんだろう」って思いがどんどん膨らんでると思うので、僕も同じで「どうなるのかな」っていうドキドキはありました。けどプレッシャーとかは特に……楽しみっていう気持ちが本当に多かったです!
リラックスして楽しめたんですね!
kemio:そうですね!
アリアナ・グランデら来日時の思い出
前作ではシンシア・エリヴォさん、アリアナ・グランデさん、ジョン・M・チュウ監督と舞台挨拶などで共演されましたね。当時の思い出深いエピソードはありますか。みなさんどんな方々でしたか。
kemio:もう衝撃的すぎてほぼ記憶にないので本当に今呼び起こそうと思っているんですが……(笑)大変なプロモーションと移動の中で日本に来てくださって……もうお三方が部屋に入られた瞬間にめちゃくちゃお部屋の空気が変わると言っていいぐらい、本当に優しさと愛に包まれた雰囲気でした。一人ずつ目を合わせて自己紹介してくれて、写真とかも向こうから「撮ろう」っておっしゃってくださったんです。
kemio:僕は個人的に『千と千尋の神隠し』が大好きで千尋のタトゥーを入れているんですけど、アリアナ・グランデさんも千尋のタトゥーが入ってるのを知っていたのでその話をしたら、わざわざ上着を脱いで見せてくださって。それを後日Instagramに上げたら、わざわざInstagramにも“いいね”しに来てくださったりだとか……本当にすごく皆さん親切でした。
kemio:そして、この作品『ウィキッド』を本当に愛してる方たちが作られているんだなっていうのを改めてすごく感じられる経験でした。本当はジョン・M・チュウ監督に「次回作にも出していただきたい」という話をしたかったんですけれども、そのような発言はできずドキドキしながら監督を眺めているだけでした(笑)

kemio © cula
ファニーというキャラクターと、その変化
続投にあたって、前作以上に意識したことや今回特にこだわったポイントはどこでしょうか。
kemio:前回『ウィキッド ふたりの魔女』のときは(日本語吹替の)収録の前に既にアメリカで公開されていたので、アメリカに住んでいる自分は何度も観ていたんですよ。だから頭の中に、英語版ではありますけれどもファニーというキャラクター像ができていて。で、日本に帰国して演技する際に、日本語のファニーと英語のファニーを分けるとまではいかないですけど、「あ、もしかしたらこれって、何も知らない状態で来た方がよかったのかもしれない」って思ったんです。なので、今回はほぼ何も情報入れずに収録に参加させていただきました。今回の作品でのファニーの成長や変化を現場で見て学んで感じての演技なので、前作と比べてもリアルに演じられたかなと思います。
ファニーというキャラクターについて、今回どのような変化を感じて演じましたか。
kemio:ネタバレしないように頑張ろう……。僕の演じるキャラクターも他のみんなもそうですけど、時間が経って学校を卒業しているんです。ファニー自身の振る舞いなどから、やっぱり前作と比べるとすごく自信がついていると感じました。もう学生ではないので、今の自分の立場に対してすごく責任を感じていたりだとか……彼の発言や態度からも生き様を感じられて、「時が流れたんだな」と感じました。

kemio © cula
ファニーというキャラクターとご自身を比較して、似ているところや違うところはどこでしょうか。
kemio:結構考えたことがあるんですけど……(今の自分と似ているところは、)思いつかないんです(笑)
kemio:『ウィキッド ふたりの魔女』を観られればわかると思いますが、ファニーって結構自信満々に振る舞っていてもグリンダの様子をうかがっていたり、「自分の発言を誰かに聞いてもらえているかな」みたいな、すごく周りの顔色や空気をうかがうようなキャラクターだと思うんです。
kemio:見ていてすごく愛おしさを感じます。自分も学生の頃をすごく思い出すというか……以前の自分は小さい頃から人の顔色をうかがったりだとか、何かした時に誰かに喜んでもらえたら嬉しいって考えているタイプの人間だったので。だから(ファニーには)懐かしさも感じながら、すごく愛おしさを感じます。
kemio:だから、今の自分とは「似ているところはない」って強く言い切ってしまったんですけど、でもなんだかすごく自分に見えたりも確かにするなと。
現在は違うけれど、過去のkemioさんとは重なると。
kemio:はい。だからファニーが愛おしくて、抱きしめてあげたくなります。「本当は泣いてええんやで」って言ってあげたくなります。

kemio © cula
日本語吹替版を観るファンにとって「kemioさんらしさ」が出せたと思うシーン/セリフはありましたか。
kemio:歌唱を披露するシーンがあるんですけど、そこ(の収録)では監督たちも僕のマライア・キャリーのような歌声に非常に驚かれていましたよ!!たぶん劇場で聞いた皆さんからもね、今すぐ日本語版のサウンドトラックをリリースして欲しいって抗議が起きてしまうんではないかなと思います。あなたもその抗議を起こす代表格になってください!(笑)
(笑)kemioさんの歌声、楽しみにしております!

kemio © cula
使ってみたい魔法、今後の展望
本作は煌びやかで印象的な魔法にあふれていますが、kemioさんが魔法を使うならどんな魔法を習いたいですか。
kemio:やっぱり東京とニューヨークの移動が多いので、5分ぐらいで移動したいですね。エルファバの魔法のホウキではないですけれども、何かあのようなものを現実で実現したいです。行きたいところにすぐに行ける、会いたい人にすぐに会える。そんな魔法が欲しいです!
ファニー役を演じたことで、ご自身の活動において今後活かしたいと思ったことはありますか?
kemio:声優の仕事をやらせていただくのは今回の『ウィキッド』シリーズが人生で初めてだったので、すごく勉強になりましたし、もっとこういう仕事をしたいなっていう風に思いました。SNS以外にも活動を増やしていく上で、30代ではこういう演技の仕事ももっとしていきたいなと強く感じました。
今後の挑戦に繋げていくということですね。今後演技のお仕事をするとしたらどんなキャラクターに挑戦したいといった希望はありますか。
kemio:こんな新人女優が希望だなんて……そうですね……生半可な発言かもしれないんですけど、映画がすごく好きなので“シネマ”に出たい気持ちはあります。個人的にホラー映画がすごく好きなので、ホラー映画にも出てみたいですね。
ファニー以外で好きなキャラクター、もしくは強く共感するキャラクターはいますか。
kemio:やっぱりエルファバですかね!エルファバを見ているとなんだろう……自分が見えた気がして。『ウィキッド ふたりの魔女』のときも涙が止まりませんでした。彼女を抱きしめたくなります。
みんなを抱きしめなきゃいけないですね!それに、続編もきっとハンカチ必須ですよね。
kemio:そうですね!『ウィキッド 永遠の約束』を映画館で観たら、もしかしたらマイケル・ジャクソンを見たファンの方のように涙で呼吸ができなくなってしまうんじゃないかなって……そんな恐怖も抱えながら、楽しみな気持ちと戦っております。
「今の社会に必要なメッセージが込められています」
最後に『ウィキッド 永遠の約束』を楽しみにするファンや観客に、メッセージをお願いします。
kemio:皆さんこんにちは!今回待望の『ウィキッド 永遠の約束』がついに日本でも上映されます。『ウィキッド』はグリンダとエルファバの友情関係も描いていますが、それ以上に、私たち人間が社会で生きる上でお互いの違いとどう向き合っていくかなど、今の社会に必要なメッセージがたくさん込められています。特に日本での公開は3月。やっぱり新生活や色々な変化に不安を抱えている方も多い時期ですよね!映画館を出るときには、きっと背中を押されるようなメッセージと歌を持ち帰れるはず。ぜひ映画館に遊びに行ってほしいと思います!

kemio © cula
インタビューを通して感じたのは、kemioの『ウィキッド』という作品への深い愛情と、ファニーというキャラクターへの繊細な理解だ。過去の自分を重ね、愛おしさを抱きながら演じる彼の姿勢は、作品に新たな命を吹き込んでいる。『ウィキッド 永遠の約束』は、2026年3月の日本公開を控え、すでに多くのファンが心待ちにしている。この物語が、どれだけ多くの人々の背中を押し、勇気を与えるのか。ハンカチを握りしめて劇場へ足を運んでほしい。
