くまのプーさんと仲間たち、ハイジなど、人々に親しまれたキャラクターたちが特定の映画で“闇堕ち”する映画たちは、人々を笑わせ、怖がらせ、時に怒らせ、そして楽しませてきた。そんな“ホラー版◯◯”の作品群に、新たな映画が加わる。10月25日(金)から公開となる『シン・デレラ』だ。タイトルどおり、今作ではなんとあのシンデレラが復讐スピリット全開で暴れ回ることになる。
『シン・デレラ』予告編
『シン・デレラ』あらすじ
昔々あるところにシンデレラという美しい娘がいました。継母と義理の姉たちによる虐待に苦しんでいたある日、庭で見つけた不思議な本を読んだ彼女の前に魔法使いの“フェアリーゴッドマザー”が出現。「舞踏会で王子様と踊りたい」と願ったシンデレラは、魔法の力によって憧れの王子とダンスをする夢が叶います。
ところが王子や継母たちは舞踏会に参加している人々の前で、シンデレラのドレスを剥ぎ取り、全裸にして嘲笑、辱めの限りを尽くしたのです。その瞬間「復讐したい」と願ったシンデレラはガラスの靴を凶器に変え、邪悪な人間どもを残虐な手段で次々と血祭りにあげていく…!

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レビュー
容赦ない監督が送り出す、暴走シンデレラストーリー
今作は多く深く語ったりせずとも、というより考えすぎず“浴びた”方が、魅力をたっぷり味わえる作品だ。素敵なおとぎ話であるはずの「シンデレラ」が、返り血を浴びて暴れているだけでホラー好きには笑えて爽快な映画だ。
一見よく知る「シンデレラ」の物語をなぞっているように見えて、たまにビターなエッセンスを足してくる…そんな雰囲気で始まる今作の“ヤバさ”は、あるワンシーンで急激に加速する。目もあてられない凄惨な展開に、「この家族はディズニー映画や童話で知っているシンデレラのイジワル家族とは一線を画す狂気を持っている」と、そして「この監督、容赦という言葉を知らない」と確信させられる。

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監督は新進気鋭の女性監督ルイーザ・ワーレン。これまでにも『サベージ・ウォリアー ヴァイキングVSクランプス』(2019年)、『ハングリー/湖畔の謝肉祭』(20年)といったクセの強い作品を世に送り出し続けてきたワーレンは、グリム童話「シンデレラ」のおぞましさに目をつけた。
実は残酷な童話と、さらに残酷な映画化
ディズニー映画にしてはダークな作風が話題となった『イントゥ・ザ・ウッズ』(14年)でもフィーチャーされたが、シンデレラの義姉たちがたどる末路はなかなか残酷。ガラスの靴に足が入らないからといって足を切られたり、鳥に目をくり抜かれたりと、優しめのホラー映画では描かれないレベルのバイオレンス・人体損壊描写があるのだ。
原作にも見られるその残虐性をバイオレンス・スリラー的な手法で増強し、その残虐性を解放するだけの理由づけとしてシンデレラにドン底を味わわせるという、一切容赦なしの“ドS展開”が今作の魅力。それによって、シンデレラの“リベンジ”が始まってからの“ドン引きしながらもどこか痛快”な感覚が生まれているのだ。
『キャリー』のような演出にニヤリ

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もちろんこういった作品特有の“B級感”も漂う今作だが、スティーヴン・キング原作、ブライアン・デ・パルマ監督の名作ホラー『キャリー』(1976年)も彷彿とさせる演出があるなど、映画ファンがニヤリとできるシーンも多数。
そして何より笑ってしまったのが、“フェアリーゴッドマザー”。ディズニー映画では「ビビディ・バビディ・ブー!」とご機嫌にきらめく魔法を使ってくれる彼女だが、今作では同一人物とは思えないキャラクターとなっているため、ぜひ彼女のことも劇場で目撃していただきたい。

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リベンジに燃える血ぬれたリメイク童話『シン・デレラ』は2024年10月25日(金)新宿ピカデリーほか全国公開。
『シン・デレラ』作品情報
タイトル:シン・デレラ
原題:Cinderella’s Curse
監督・製作:ルイーザ・ウォーレン
製作総指揮:スチュアート・オルソン『プー あくまのくまさん』
脚本:ハリー・ボックスリー
編集:ジャック・ジェームズ
音楽:ジェームズ・コックス
出演:ケリー・ライアン・サンソン、クリッシー・ウンナ、ダニエル・スコット、ローレン・バッド
2024年|イギリス・アメリカ|82分|英語|カラー|デジタル5.1ch|スコープサイズ|字幕:小河 恵理|字幕監修:人間食べ食べカエル|R15
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配給:ハーク、S・D・P
公式サイト
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