カンヌ脚本賞『A Man of His Time(英題)』とはどんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

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『A Man of His Time(英題)』より © Kidam & Michigan Films

映画『A Man of His Time(英題)』(2026)を紹介&解説。


映画『A Man of His Time(英題)』概要

映画『A Man of His Time(英題)』は、『そんなの気にしない』で知られるエマニュエル・マール監督が手がけたベルギー/フランス製作の歴史ドラマ。1940年9月、ヴィシー政権が形づくられていくフランスを舞台に、自費出版した政治的論考『Notre salut』を携えて新体制に食い込もうとする男アンリ・マールの姿を描く。第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、エマニュエル・マールが脚本賞を受賞した。主演は『落下の解剖学』などのスワン・アルロー。共演にサンドリーヌ・ブランクマチュー・ペロットら。

作品情報

日本版タイトル:未定(2026年5月時点)
原題:Notre salut
英題:A Man of His Time
製作年:2026年
カンヌ上映日:2026年5月20日
本国公開日:2026年9月30日(フランス)
日本公開日:未定(2026年5月時点)
ジャンル:歴史ドラマ/コメディ
製作国:ベルギー/フランス
原作:無(エマニュエル・マール監督の家族資料・書簡に着想)
上映時間:155分
主な受賞・選出:第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門選出/脚本賞受賞

監督:エマニュエル・マール
脚本:エマニュエル・マール
製作:アレクサンドル・ペリエ/セバスチャン・アンドレス/アリス・ルメール
撮影:オリヴィエ・ボーンジング
美術:アンナ・ファルゲール
編集:ニコラ・ルンプル
録音:アントワーヌ・バイイ
出演:スワン・アルロー/サンドリーヌ・ブランク/マチュー・ペロット/ハーポ・ギット/マチルド・アブド=エル=カデル/ジャン=バティスト・マール
製作:キダム/ミシガン・フィルムズ
配給:コンドール・ディストリビューション(フランス)/シネアート(ベルギー)
海外セールス:シャレード

あらすじ

1940年9月、ペタン政権が形づくられつつあるフランス。49歳のアンリ・マールは、妻子と離れ、金も人脈もないままヴィシーに到着する。彼の荷物の中にあるのは、自費出版した政治的論考『Notre salut』。アンリは、敗戦後のフランスを救うという愛国的な信念と、技師らしい効率重視の方法論を掲げ、新しい行政機構の中で自分の居場所を得ようとする。だが、体制に“役立つ”人間であろうとする彼の行動は、やがて時代の暗部と自身の破綻を浮かび上がらせていく。

主な登場人物(キャスト)

アンリ・マール(スワン・アルロー):49歳の男。無一文でヴィシーに入り、自費出版した政治的論考『Notre salut』を足がかりに、新政権下の行政機構で自分の地位を築こうとする。

ポレット・マール(サンドリーヌ・ブランク):アンリの妻。夫とは離れた場所にいる。

作品の魅力解説

本作の大きな特徴は、第二次世界大戦やヴィシー政権を“歴史上の大事件”として遠くから描くのではなく、体制を動かした無名の人々の側から見つめている点にある。英雄や大物政治家ではなく、官僚機構の歯車となる男を主人公にすることで、歴史の加害性が日常的な判断や小さな妥協の積み重ねから生まれていく過程を浮かび上がらせる。

また、エマニュエル・マール監督自身の家族資料や書簡に着想を得ている点も重要である。アンリは単なる悪役ではなく、失敗や不安を抱えながら“自分の価値”を取り戻そうとする人物として描かれる。そのため本作は、過去のフランスを扱いながら、現代社会にも通じる効率主義、管理社会、自己正当化の危うさを照射する作品になっている。

主演のスワン・アルローの演技も見どころ。『落下の解剖学』などで国際的に知られる俳優が、滑稽さと不穏さを併せ持つアンリを演じることで、観客は笑いと居心地の悪さの間に置かれる。カンヌで脚本賞を受賞したことからも、題材の重さだけでなく、人物造形や語り口の鋭さが評価された作品といえる。

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