映画『Pillion(原題)』(2026)を紹介&解説。
映画『Pillion(原題)』概要
映画『Pillion(原題)』は、ハリー・ライトン監督がアダム・マーズ=ジョーンズの小説『Box Hill』を映画化したロマンスドラマ。内気な青年コリンが、謎めいたバイカーのレイと出会い、支配と服従を軸にした関係へと足を踏み入れていく姿を、ユーモアと痛みを交えて描く。主演は『ハリー・ポッター』シリーズのハリー・メリングと、『ノースマン 導かれし復讐者』のアレクサンダー・スカルスガルド。2025年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映され、脚本賞を受賞した。
作品情報
日本版タイトル:未定(2026年5月時点)
原題:Pillion
製作年:2025年
本国公開日:2025年11月28日(イギリス)/2026年2月6日(アメリカ限定公開)
日本公開日:未定(2026年5月時点)
ジャンル:ロマンス/ドラマ/コメディ
製作国:イギリス/アイルランド
原作:アダム・マーズ=ジョーンズ『Box Hill』
上映時間:106分
監督:ハリー・ライトン
脚本:ハリー・ライトン
製作:リー・グルームブリッジ/エド・ギニー/アンドリュー・ロウ/エマ・ノートン
製作総指揮:クレア・ビンズ/マーク・グッダー/ピム・ヘルメリング/ルイーズ・オルテガ/アレクサンダー・スカルスガルド/アリソン・トンプソン/クリスチャン・ヴェスパー/エヴァ・イェーツ
撮影:ニック・モリス
編集:ギャレス・C・スケールズ
作曲:オリヴァー・コーツ
出演:ハリー・メリング/アレクサンダー・スカルスガルド/レスリー・シャープ/ダグラス・ホッジ/アンソニー・ウェルシュ/ジェイク・シアーズ
製作:エレメント・ピクチャーズ
製作支援:BBCフィルム/BFI/ピクチャーハウス・エンターテインメント/セプテンバー・フィルム
配給:ピクチャーハウス・エンターテインメント(イギリス)/A24(アメリカ)
あらすじ
ロンドン郊外ブロムリー。内気で目立たない青年コリンは、両親と暮らしながら単調な日々を送っていた。ある夜、彼は地元のバイカークラブに属するレイと出会い、その強烈な存在感に引き寄せられていく。
やがてコリンは、レイのもとで支配と服従を前提にした関係に身を置き、これまで知らなかった欲望と共同体の世界へ足を踏み入れる。しかし、献身が深まるほど、コリンは自分が本当に求めているもの、そして相手との関係の限界に向き合うことになる。
主な登場人物(キャスト)
コリン(ハリー・メリング):両親と暮らす内気な青年。平凡な日常を送っていたが、レイとの出会いをきっかけに、支配と服従を軸にした関係へと引き込まれていく。
レイ(アレクサンダー・スカルスガルド):地元のバイカークラブに属する謎めいた男性。圧倒的な存在感と支配的な態度でコリンを惹きつけ、新たな世界へ導く。
ペギー(レスリー・シャープ):コリンの母親。
ピート(ダグラス・ホッジ):コリンの父親。
ケヴィン(ジェイク・シアーズ):レイの周囲にいるバイカーコミュニティの一員。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、刺激的な題材を扱いながら、単なるショッキングな物語として消費しない点にある。支配と服従という関係性を通して、欲望、自己発見、依存、愛情の境界を見つめ、コリンが自分自身の輪郭を少しずつ知っていく過程を描いている。
また、ハリー・メリングとアレクサンダー・スカルスガルドの対照的な存在感も見どころである。内気で不器用なコリンと、寡黙で支配的なレイの関係は、一見すると一方的に見えるが、その奥には孤独や不安、承認への渇望がにじむ。ふたりの演技が、危うさとユーモア、そして意外な切なさを作品にもたらしている。
さらに、カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞したことからもわかるように、本作は挑発的なテーマを、軽やかな会話や日常の空気感と結びつけている。バイカー文化やクィアコミュニティを背景にしながら、他者に身を委ねること、自分の欲望を認めること、そして関係の中で主体性を取り戻すことを描いた、異色のロマンス映画である。
