ジェームズ・ワンが新作『ソウ』映画の製作を明言-リー・ワネルと共に挑む原点回帰「第1作の精神に立ち返りたい」

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ジェームズ・ワンがサンダンス映画祭で、新たな『ソウ』映画の製作を明言。原点回帰への構想を語った。


映画『ソウ』シリーズの生みの親であるジェームズ・ワンが、サンダンス映画祭で行われたレガシー上映の場で、新たな『ソウ』映画の製作に意欲を示した。脚本はリー・ワネルが手がける予定で、ワンはフランチャイズを「第1作の精神」に立ち返らせたいと語っている。

原点の地サンダンスで語られた新たな『ソウ』構想

『ソウ』は2004年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、その後ライオンズゲートによって同年10月に公開された。低予算のスリラーとして始まった同作は、世界的な成功を収め、これまでに9作の続編が製作されるフランチャイズへと成長している。

今回のレガシー上映で登壇したジェームズ・ワンは、新作について「現時点で言えるのは、僕たち(ワン、リー・ワネルら)で1本作るってことだよ」と明言し、「絶対に作る」と断言した。一方で、「あまり多くは言いたくないんだけどね。まだ本当に初期段階なんだ」とも述べ、具体的な内容については慎重な姿勢を見せている。

ワンとリー・ワネルは、2004年当時を振り返り、初上映の際には劇場ロビーを緊張しながら歩き回っていたと語った。フランチャイズの出発点でもあるサンダンスで、新たな『ソウ』が語られたこと自体が、原点回帰という構想を象徴している。

フランチャイズの拡張と「第1作の精神」への回帰

『ソウ』シリーズは、第1作の成功を受けて次々と続編が製作され、物語はジグソウの過去や、過去作で仕掛けられた罠をフラッシュバックで回収していく構造へと発展していった。特にリー・ワネルが脚本を手がけた『ソウ2』『ソウ3』以降、作品世界は精巧で連続性のある神話として構築されていく。

一方で、シリーズの中にはゴア描写を前面に押し出した作品もあり、フランチャイズはしばしば「拷問ポルノ」というサブジャンルに分類されることもあった。それでも、ワンはシリーズ全体に流れる要素として、1作目に通じるミステリー性が常に存在していたと捉えている。

ワンは今回の新作構想について、「僕たちは、ファンがフランチャイズ全体のメロドラマ的な性質を味わってきたことは意識し、尊重したいと思っているんだ」と語りつつも、「間違いなく第1作の精神に立ち戻りたいんだよ」と強調する。

さらに、「僕たちはオリジナル映画の精神に立ち返りたいんだ」「もう一度、怖い『ソウ』映画を作りたいよ」とも述べており、物語や神話を積み重ねてきたシリーズを否定するのではなく、その原点にあった緊張感と恐怖を再び掘り起こす意図がうかがえる。

パズルとして設計された『ソウ』と知的スリラーの美学

第1作『ソウ』では、ローレンス・ゴードン医師とアダムのふたりが、バスルームの両端に鎖でつながれた状態で目を覚ます。限られた空間と情報の中で、彼らは脱出のためのパズルを解こうとするが、その過程でフラッシュバックによって手がかりが提示されていく構造が取られていた。

リー・ワネルは、このフラッシュバックの使い方について、「手がかりを明かすためにフラッシュバックを使うことは常に設計の一部」だったと振り返っている。物語を後戻りさせることでピースを補完していく手法は、結果的にすべての続編へと引き継がれていった。

ワネルは『ソウ』を「パズルボックスのようなもの」と表現し、「ピースを組み合わせていく」映画だと語る。「特定のピースは、後で別のピースと組み合わさるまで意味をなさない」とし、「それをうまくやれば、クローズアップマジックの手品のようになる。最後には驚きになるんだ」と、その設計思想を明かした。

ジェームズ・ワン自身は、『ソウ』を当初ホラーではなくスリラーとして捉えていたという。しかしライオンズゲートは10月公開を選び、作品はホラーとして売り出された。現在でもストリーミングサービスでは「ホラー」カテゴリーに分類されているが、ワンは当時からジャンル以上に知性を重視していた。

もしホラーの領域でもっと仕事をするなら、それでも『知的』なものにしたいと思っていた」とワンは語り、「観客をつかむエンディングが欲しい」「どうやってこのどんでん返しのエンディングを隠すか」を常に考えていたという。その姿勢は、シリーズが拡張された後も、『ソウ』を単なるショック映画にとどめなかった理由のひとつと言えるだろう。

ジグソウの思想と『ソウ』が残してきた問い

『ソウ』シリーズを象徴する存在であるジグソウは、単なる殺人鬼ではなく、被害者に「選択」を突きつける存在として描かれてきた。その正体や背景はシリーズを通して明かされてきたが、根底にある思想そのものは、第1作の時点ですでに提示されていた。

リー・ワネルは、ジグソウの行動原理について、「人を殺す代わりに、彼は人々をこれらのテストにかけて、自分が持っているものに値するかどうかを見たかったんだ」と語っている。極端な方法ではあるものの、その動機は罰ではなく“試練”に近いものだった。

ワネルはさらに、「これまで見たことがないと感じられるものに思いあたったら、それは何か得たものがあることを意味するよ」とも述べている。観客にとっても、『ソウ』が単なるショッキングなホラーとして消費されず、記憶に残り続けてきた理由は、こうした思想的な引っかかりにあったと言えるだろう。

サンダンス映画祭でのレガシー上映が新たな関心を呼び起こすのであれば、『ソウ』が投げかけてきた問いもまた、22年を経て改めて観客の前に差し出されることになる。ジェームズ・ワンが語る「第1作の精神」への回帰は、恐怖表現の強度だけでなく、このシリーズが本来内包していた問いそのものを、再び掘り起こそうとする試みなのかもしれない。

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