レオナルド・ディカプリオ、NBR受賞スピーチで映画を「最も決定的な芸術様式」と称賛-自身の原点を語り、母へ深く感謝

『ワン・バトル・アフター・アナザー』© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED. NEWS
『ワン・バトル・アフター・アナザー』© 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

『ワン・バトル・アフター・アナザー』で主演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオが、映画館体験と映画への信念を語った。


レオナルド・ディカプリオが、『ワン・バトル・アフター・アナザー』で主演男優賞を受賞し、ナショナル・ボード・オブ・レビュー授賞式に登壇した。スピーチでは、幼少期の映画館体験を原点に、映画という表現が持つ力について語り、「最も決定的な芸術形式」としての映画への思いを明かした。

映画館で始まった原体験-4歳で観た『キングコング』

レオナルド・ディカプリオが初めて映画館で観た作品は、オリジナル版の『キングコング』だった。4歳のとき、父親に連れられて自宅から4ブロック先にある歴史的なビスタ・シネマを訪れ、ラストシーンで「ヒステリックに泣いた」ことを今も覚えているという。

その体験を振り返りながら、彼はその後何年も映画を観続けるうちに、「自分の中で何かが変わったんだ」と語った。映画館は単なる娯楽の場ではなく、「自分の住む場所から逃避できる空間」であり、「自分の人生よりも大きな何かが可能に思える場所」だったとし、その感覚が後の人生に大きな影響を与えたことを明かしている。

「最も決定的な芸術形式」-映画が人間を映し出す理由

ディカプリオは、映画館という空間で得た体験が、やがて映画そのものへの確信へと変わっていったと語る。「映画館に座り、照明が落ち、スクリーンに映し出された何かが、世界の見方や自分自身の捉え方を変えてくれた経験、誰もが一度はあるはずだよ」と述べ、映画体験の普遍性に言及した。

そして成長するにつれ、彼は映画について「最も決定的な芸術形式だと理解するようになった」と語る。その理由として、映画は単なる物語や映像表現にとどまらず、「人間であることの意味を表現する」ものだと強調した。映画館で観客が共有する時間と感情こそが、人の内面に深く作用し、人生観にまで影響を及ぼす力を持つという認識が、その言葉にはにじんでいる。

ポール・トーマス・アンダーソンとの創作-今の世界を語る映画

ディカプリオは、映画が持つ理想を一貫して体現している映画監督は「ほんのわずかしかいない」と語り、そのひとりとしてポール・トーマス・アンダーソンの名を挙げた。アンダーソンが手がけたワーナー・ブラザース配給のクライム・スリラー『ワン・バトル・アフター・アナザー』は、同授賞式で複数の賞を受賞し、作品としても高く評価された。

壇上でディカプリオは監督への感謝を述べ、「25年間待ったよ……こんな映画を作るためにね」と語った。その作品については、「こんなにも時事的で、こんなにも切迫していて、過激主義や分断について描いた作品」と位置づけ、「僕たちが生きる世界について何かを語りかけてくる映画」だと説明している。映画が現代社会と向き合う表現であるという自身の信念が、この作品を通して結実したことを示す言葉だった。

映画館で始まった夢を支えた存在-母への感謝

スピーチの終盤、ディカプリオは会場にいた母親、アーメリン・インデンバーキンに感謝の言葉を送った。観客から大きな拍手が送られる中、彼は「(母は)信じる理由が何もなかった頃から僕を信じてくれた」と語り、俳優としての原点に家族の存在があったことを明かした。

母親は、放課後に毎日オーディションへと送り続けてくれた存在であり、「映画館で始まった夢を支えてくれた」人物だったという。そしてディカプリオは、その積み重ねがあったからこそ今があるとして、「この瞬間があるのは、母のおかげなんだよ」と言葉を結んだ。幼少期の映画体験から現在に至るまで、彼の人生を貫いてきた映画と人とのつながりが、静かな余韻とともに浮かび上がる締めくくりとなった。

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