映画『黒牢城』のジャパンプレミアが東京・豊洲で開催され、カンヌ上映後の反響と作品の手応えが語られた。
2026年6月19日(金)に全国公開される映画『黒牢城』のジャパンプレミアが5月26日、東京・豊洲で開催された。会場には主演の本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、ユースケ・サンタマリア、吉原光夫、坂東龍汰、そして黒沢清監督が登壇。レッドカーペットセレモニーと上映後の舞台挨拶を通じて、作品の魅力や撮影時のエピソードを語った。
本作は、累計発行部数60万部を突破し、第166回直木賞と第12回山田風太郎賞を受賞した米澤穂信の同名小説を映画化した戦国ミステリー。織田信長に反旗を翻し、有岡城に籠城する荒木村重と、地下牢に囚われた黒田官兵衛が、密室と化した城内で起こる怪事件の謎に挑む。
巨大な“黒牢城”から登場、東京・豊洲でジャパンプレミア開催
第79回カンヌ国際映画祭「カンヌ・プレミア」部門に正式出品され、フランスで世界初上映された本作。現地では約1000人の観客からスタンディングオベーションを受け、日本公開に向けた注目が高まる中でのプレミアとなった。
レッドカーペット会場には約400名の観客と報道陣が集まり、東京湾を背景に設けられた巨大な“黒牢城”のパネルから登壇者が姿を見せると、会場から歓声が上がった。孤立した城主・荒木村重を演じた本木は「いよいよ公開まで1か月を切りました。撮影当時の苦労の記憶は次第に薄れていきますが、黒沢監督とこの作品に出会えた感謝を日に日に強く感じています」と挨拶した。

(左から)菅田将暉、本木雅弘、吉高由里子 映画『黒牢城』ジャパンプレミアレッドカーペットセレモニーより ©米澤穂信/KADOKAWA ©2026 映画「黒牢城」製作委員会
黒田官兵衛役の菅田は「僕はずっと地下牢に幽閉されていて本木さんとしか会えていなかったので(笑)こんな気持ちの良い外で、豪華な皆様と会えて嬉しいです」と笑顔を見せ、千代保役の吉高も観客からの声援に応じながら、会場の空気を和ませた。
カンヌでの反響と、黒沢清監督が語った“キャストの力”
黒沢監督にとって、本作はキャリア初の時代劇となる。監督は制作を振り返り、「映画は大勢の人間で作るものですが、今回ほど“キャストの力”が強かった作品は初めてだった」とコメント。さらに、時代劇では画面の端に映る人物まで“その時代に生きた人間”として存在している必要があるとし、衣装やメイクだけでなく、俳優たちの全身の演技によって世界観が成立したことを明かした。

(左から)黒沢清監督、吉原光夫、柄本佑、青木崇高 映画『黒牢城』ジャパンプレミアレッドカーペットセレモニーより ©米澤穂信/KADOKAWA ©2026 映画「黒牢城」製作委員会
カンヌ国際映画祭での上映について、黒沢監督は観客の表情が“本気の顔”だったと振り返り、上映後の拍手にも手応えを感じたと語った。本木も、ヨーロッパにおける黒沢監督の人気に支えられたとしつつ、日本の建造物の美しさや監督独自のカメラワークが現地の観客に伝わっていた印象を明かした。

(左から)宮舘涼太、ユースケ・サンタマリア、坂東龍汰 映画『黒牢城』ジャパンプレミアレッドカーペットセレモニーより ©米澤穂信/KADOKAWA ©2026 映画「黒牢城」製作委員会
一方、カンヌのフォトコールでターンを披露した宮舘は、日本映画の魅力を伝える場として力を尽くしたと回想。レッドカーペットでは本木の掛け声をきっかけにふたりでターンを披露する場面もあり、劇中の緊張感とは異なる、チームの親密な空気が伝わる一幕となった。
“刀ではなく言葉で切り合う”戦国ミステリーとしての見どころ
上映後の舞台挨拶では、日本で初めて本作を鑑賞した観客を前に、キャストと監督が改めて登壇した。本木は「ありがとうございます。これが“黒沢映画”と、じわじわと余韻に浸っている最中かと思います。ぜひその余韻を味わっていただきたい」と呼びかけた。
本作では、敵対関係にある村重と官兵衛が、城内で発生する連続怪事件の真相に迫っていく。完成作について本木は、戦国心理ミステリーとしての面白さに加え、登場人物のセリフや行動が現代にも通じるメッセージにつながっていると語った。菅田も、本木が演じる村重の人となりに惹かれたと述べ、物語の中心にある人物像の面白さに触れた。
終盤、黒沢監督は海外の評論家による言葉として「この映画はチャンバラではない。刀ではなく“言葉”で切り合う作品」と紹介し、「まさにその通りだなと。ぜひ皆さんも“言葉の切り合い”を楽しんでもらえれば」と語った。剣戟の派手さではなく、疑念、忠義、信念が交錯する会話の緊張で物語を進める点が、本作の大きな特色となりそうだ。
映画『黒牢城』は、2026年6月19日(金)より全国公開。
作品情報
タイトル:黒牢城
原作:米澤穂信「黒牢城」(角川文庫/KADOKAWA刊)
監督・脚本:黒沢清
音楽:半野喜弘
出演:本木雅弘
菅田将暉 吉高由里子
青木崇高 宮舘涼太 柄本佑
ユースケ・サンタマリア 吉原光夫 坂東龍汰
近藤芳正 矢柴俊博 木原勝利 河内大和 吉岡睦雄 上川周作 前田旺志郎 坂東新悟
荒川良々 渋川清彦 渡辺いっけい / オダギリジョー
配給:松竹
公開表記:2026年6月19日(金)全国公開
©米澤穂信/KADOKAWA ©2026 映画「黒牢城」製作委員会
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