映画『月がみている』が、11月よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開決定。
作家・渡辺淳一の小説『シャトウ ルージュ』を原作とする映画『月がみている』が、11月よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開されることが決定した。監督を務めるのは、映画プロデューサーとして『食堂かたつむり』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『母さんがどんなに僕を嫌いでも』などに携わってきた渡邉直子。原作者・渡辺の娘でもある渡邉が、本作で長編映画監督デビューを果たす。
主演は、毎熊克哉と小島梨里杏。愛と性をめぐる夫婦のすれ違いを起点に、関係を見つめ直していく人間ドラマとして描かれる。
渡辺淳一原作を、娘・渡邉直子が女性の視点から再構築
原作『シャトウ ルージュ』は、美しい妻から性的な拒絶を受け続ける夫が、フランスの“城”で妻に“性のレッスン”を受けさせようとするという大胆な設定で発表当時に話題を呼んだ作品。映画では、原作の持つ挑発的な設定を受け継ぎながら、原作では描き切れなかった妻・月子の視点も丁寧に織り込み、夫婦それぞれの感情に焦点を当てる。

渡辺淳一『シャトウ ルージュ』
物語の中心となるのは、エリート医師の原田克彦と、大企業オーナーの娘である月子。入籍し、順風満帆な結婚生活を送っているように見えたふたりだったが、月子は克彦の性的な求愛を受け止めきれず、克彦は次第に不満を募らせていく。やがて克彦は、妻の留学先であるフランスでの休暇を提案するが、その真の目的は、性的なレッスンを施すとされる謎の“城”に月子を連れていくことにあった。
映画の7割はフランスで撮影され、本物の古城も使用されている。象徴的な“城”を実際のロケーションで立ち上げることで、夫婦の関係性や、閉じ込められた感情が視覚的にも表現されることになりそうだ。
毎熊克哉が夫・克彦役、小島梨里杏が妻・月子役に

毎熊克哉、小島梨里杏 ©︎2026「月がみている」製作委員会
毎熊が演じるのは、外では信頼される優秀な医師でありながら、家庭では妻との関係に満たされない思いを抱える夫・克彦。小島は、夫に翻弄されながらも、自らの心と身体を見つめ直していく妻・月子を演じる。
渡邉監督は、原作について「男性へ向けて『ちゃんと女性によりそわないと逃げてしまうと発破をかけたくて書いた』と話していました」と、渡辺淳一が語っていたという言葉を紹介。そのうえで、「性的なことは、正に我々の生の根源であり、自然で尊いことであると捉えることで、見える景色は変わっていくのではないでしょうか」と本作に込めた思いを明かしている。

渡邉直子監督
また、毎熊は自身の役柄について「外では信頼されている優秀な医師でありながら、内では妻との関係に満たされない気持ちを抱え歪ませている複雑なキャラクター」と説明。本作については「男女の性を描きつつ、異文化や他者との関わりの中でお互いの心身を尊重し合う大切さを問うている気がします」とコメントしている。
フランス撮影を通して描く、夫婦のすれ違いと再生
小島は月子役について、「正直、勇気がいりました。役として『私が月子をやっていいものか』と不安や葛藤もありました」と率直に振り返る。一方で、「それ以上に監督の想いに深い共感があり、気づいたら素敵な皆さまと手を取り合っておりました」と語り、特にフランスでの撮影は「もう二度と同じ形では出逢えないような日々の連続でした」としている。

メイキング ©︎2026「月がみている」製作委員会
センセーショナルな設定から始まる本作だが、映画が見つめるのは、相手を所有することではなく、互いの心身をどう尊重し、理解しようとするかという問いだ。原作の持つ強い題材性に、月子の視点とフランスロケによる映像表現を加えた『月がみている』は、夫婦やパートナーとの関係に潜む距離を、現代的なまなざしで描く作品となりそうだ。
作品情報
タイトル:『月がみている』
公開:11月 TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
出演:毎熊克哉、小島梨里杏
原作:渡辺淳一『シャトウ ルージュ』(文藝春秋刊)
改訂原案:渡邉直子
脚本:相内美生
脚本監修:中園ミホ
監督:渡邉直子
配給:キノフィルムズ
公式HP:tsukigamiteiru-movie.jp
©︎2026「月がみている」製作委員会
