『Sentimental Value』の予告編が公開―ヨアヒム・トリアーとレナーテ・ラインスヴェが再タッグ
『わたしは最悪。』のヨアヒム・トリアー監督と主演レナーテ・ラインスヴェが再びタッグを組んだ新作『Sentimental Value(原題)』の予告編が公開された。本作では、ラインスヴェ演じる舞台女優と、疎遠な父である映画監督との関係が物語の軸となる。父役を演じるのは名優ステラン・スカルスガルド。家族の断絶と再接近をテーマにしたこの作品は、2024年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、15分間のスタンディングオベーションを受けた。
『わたしは最悪。』の名コンビが再集結
本作『Sentimental Value』は、2021年に公開されたノルウェー映画『わたしは最悪。』で世界的に注目を集めたコンビ、ヨアヒム・トリアー監督とレナーテ・ラインスヴェが再び手を組んだ新作だ。
『わたしは最悪。』では、ラインスヴェが不安定な恋愛や将来に揺れる女性を繊細に演じ、同年のカンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。作品もアカデミー賞で国際長編映画賞と脚本賞にノミネートされ、高い評価を受けた。
今回も脚本はトリアー監督と長年の共同執筆者エスキル・フォクトが担当しており、複雑な人間関係や感情の機微を丁寧に描く手腕が発揮されている。
疎遠な父との共演オファー―物語の軸は“断絶と対話”
『Sentimental Value』の主人公は、舞台女優としてキャリアを重ねてきたノラ・ボルグ。彼女のもとに、かつて名声を誇った映画監督の父グスタフから映画出演の依頼が届く。グスタフは長年家庭を顧みなかった父であり、ノラとの関係は冷え切っていた。母の死をきっかけに再接近を試みるグスタフだったが、ノラは出演を拒否し、「彼とは仕事ができない」と突き放す。
失意のグスタフは、ノラのために書かれたその役を、若手ハリウッド女優のレイチェル・ケンプに託す。アメリカからやってきたレイチェルは、ノラの人生や家族の感情のもつれに巻き込まれていく。レイチェルを演じるのはエル・ファニング。観客の視点を代弁する存在として、物語の中で重要な役割を果たす。
また、ノラの妹アグネス役には、ノルウェー出身のインガ・イブスドッテル・リッレオースが起用されている。世代や立場の異なる3人の女性たちを通して、壊れた家族の再生や、表現することの意味が描かれていく。
カンヌで15分のスタンディングオベーション
『Sentimental Value』は、2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、プレミア上映が行われた。上映終了後には約15分間にわたるスタンディングオベーションが送られ、作品への熱い支持が示された。
海外メディアの評価も高く、『The Hollywood Reporter』の主任批評家デヴィッド・ルーニーは、「他の監督であれば平凡な家庭劇になりかねない内容を、感情的な報酬に満ちた作品に仕上げている」と称賛。トリアー監督と脚本家エスキル・フォクトによる緻密な構成と、キャスト陣の繊細な演技が評価されている。
『わたしは最悪。』と同様に、本作もアワードシーズンでの活躍が期待されており、北米では11月7日より限定公開がスタートする予定だ。
音楽セレクトにも注目―“Oh La La”が印象的に流れる
『Sentimental Value』の予告編では、物語の情感と寄り添うように、The Facesの名曲“Oh La La”が流れる。印象的なフレーズ「I wish that I knew what I know now, when I was younger(若い頃に今の知識があればよかったのに)」が、父と娘のすれ違いや、過去に対する悔いや願望を象徴的に表現している。
ヨアヒム・トリアー作品は、過去にも選曲のセンスに定評があり、本作でも深みのある“音の演出”が健在だ。予告編以外にも、Terry Callierの「Dancing Girl」やLabi Siffreの「Cannock Chase」といった渋い選曲が明らかになっており、感情を静かに掘り下げる楽曲が劇中で使用されていることがうかがえる。
こうした音楽の使い方も、家族の記憶や関係性と深く結びついており、作品全体の感触に一層の余韻を与えている。
【動画】『Sentimental Value』予告編
【関連記事】
・『プラダを着た悪魔2』製作中!ついに公式が映像でアナウンス-メリル・ストリープ、アン・ハサウェイら再演[動画あり]
・シンシア・エリヴォ、マイケル・ベイと初タッグ-SFスリラー小説『Saturation Point』映画化へ
・『アナコンダ』新作にタンディ・ニュートン、ポール・ラッド、ジャック・ブラックら参戦! 豪華キャストで1997年ホラー映画をコメディリブート
・レオナルド・ディカプリオ主演-ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』が10月公開[予告編]
