【映画レビュー『ブゴニア』】ランティモス&ストーンの黄金タッグが、現代社会の不安と狂気を歪んだ寓話として描き出す4度目の長編

『ブゴニア』より © 2025 FOCUS FEATURES LLC. REVIEWS
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新作映画『ブゴニア』 を紹介&解説するレビュー。


2月13日(金)公開の新作映画『ブゴニア』は、ヨルゴス・ランティモス監督が放つ、陰謀論と社会の不安を皮肉たっぷりに描いたダークSFスリラーだ。陰謀論に取りつかれた男たちが、企業CEOを“地球を滅ぼす宇宙人”と信じ込み、誘拐するという突飛な物語。主演はエマ・ストーン、共演にジェシー・プレモンスアリシア・シルヴァーストーン。脚本は『ザ・メニュー』のウィル・トレイシーが手がけている。

映画『ブゴニア』あらすじ

現代。陰謀論に取りつかれた養蜂家の男とその従兄弟は、製薬企業のCEOが宇宙人であり、地球を破滅に導く存在だと確信している。ふたりは彼女を自宅の地下に監禁し、正体を明かせと期限を突きつける。外部から遮断された密室の中で、疑念と暴力は次第にエスカレートし、彼女の正体をめぐる息詰まる攻防が幕を開ける。

『ブゴニア』より © 2025 FOCUS FEATURES LLC.

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黄金タッグの狂気的寓話、ふたたび

普遍的テーマと狂気的アートを、一筋縄ではいかない作品群で巧みに融合させてきたヨルゴス・ランティモスエマ・ストーンの黄金タッグが、またやってくれた。我々が信じるものは、本当に真実なのか。それとも恐怖が生み出した物語にすぎないのか——本作はその問いを、笑いと不穏さを交錯させながら容赦なく突きつけてくる。

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情報が大量に錯綜し、支配者層の実態が不透明なこの時代。人々を揺るがす“根拠なき確信”の暴走を、本作は歪んだ寓話の形で鋭くえぐり出す。感情と恐怖に呑まれたとき、理性はいかに脆く崩れ去るか。この物語が突きつけるのは、“たしかな何か”にすがりたいだけの、我々自身の本質に他ならない。

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エマ・ストーン × ジェシー・プレモンスが激突

『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』『憐れみの3章』に続き、ヨルゴス・ランティモス監督と四度目のタッグを組んだエマ・ストーンは、本作でも鮮烈な演技を見せつける。あのハッキリした顔立ちは、どのような髪型であろうと、顔がどのような状態に置かれようと、圧倒的な存在感を放ち続ける。芯の強さと揺れる感情、そしてその奥に潜む狂気——彼女はそのすべてを一身に体現してみせる。

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対するジェシー・プレモンスもまた、『憐れみの3章』『シビル・ウォー アメリカ最期の日』で見せたあの不穏な狂気を存分に発揮。表情を削ぎ落としながら、底知れぬ恐怖をにじませる圧巻の存在感で、本作に欠かせない緊張の軸を担っている。

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ランティモス監督らしい激情とカオスの奔流

そして忘れてはならない。これはヨルゴス・ランティモス監督の作品である。「現代社会に刺さる寓話」というだけでは収まらない、激情とカオスの奔流が観る者を待ち受けている。最初から最後まで一瞬たりとも目を離させないランティモス節、ストーン節、プレモンス節——三者の狂気が渾然一体となって押し寄せる本作『ブゴニア』は、2月13日(金)公開。ぜひその激情と混沌を全身で浴びてほしい。

『ブゴニア』より © 2025 FOCUS FEATURES LLC.

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