映画『アンチャーテッド』(2022)を紹介&解説。
映画『アンチャーテッド』概要
映画『アンチャーテッド』は、ルーベン・フライシャー監督(『ゾンビランド』『ヴェノム』)が、ノーティードッグによる世界的人気ゲーム「アンチャーテッド」シリーズを実写映画化したアクション・アドベンチャー。若きネイサン・ドレイクが、ベテランのトレジャーハンター、サリーと組み、500年前に失われたマゼラン一行の財宝を追って世界を駆け巡る。主演はトム・ホランド。共演にマーク・ウォールバーグ、アントニオ・バンデラス、ソフィア・アリ、タティ・ガブリエルら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『アンチャーテッド』 |
|---|---|
| 原題 | Uncharted |
| 製作年 | 2022年 |
| 本国公開日 | 2022年2月18日 |
| 日本公開日 | 2022年2月18日 |
| ジャンル | アクション/アドベンチャー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | ノーティードッグ「アンチャーテッド」シリーズ(ゲーム) |
| 上映時間 | 116分 |
| 監督 | ルーベン・フライシャー |
|---|---|
| 脚本 | レイフ・リー・ジャドキンス/アート・マーカム/マット・ホロウェイ |
| 製作 | チャールズ・ローベン/アビ・アラド/アレックス・ガートナー/アリ・アラド |
| 製作総指揮 | デビッド・バーナド/ロバート・J・ドーマン/ニール・ドラックマン/ルーベン・フライシャー/トム・ホランド/マット・ホロウェイ/アート・マーカム/アサド・キジルバシュ/カーター・スワン/エバン・ウェルズ |
| 撮影 | チョン・ジョンフン |
| 編集 | クリス・レベンゾン/リチャード・ピアソン |
| 作曲 | ラミン・ジャワディ |
| 出演 | トム・ホランド/マーク・ウォールバーグ/アントニオ・バンデラス/ソフィア・アリ/タティ・ガブリエル/スティーブン・ウォディントン/ルディ・パンコウ |
| 製作 | コロンビア・ピクチャーズ/PlayStation Productions/アラド・プロダクションズ/アトラス・エンターテインメント |
| 配給 | ソニー・ピクチャーズ |
あらすじ
ニューヨークでバーテンダーとして働く青年ネイサン・ドレイク、通称ネイト。歴史について豊富な知識を持ち、卓越したスリの腕前も備える彼の前に、ベテランのトレジャーハンター、ビクター・サリバンことサリーが現れる。
サリーが持ちかけたのは、500年前にマゼラン一行が残したとされる50億ドル相当の財宝探し。さらにサリーが消息不明となったネイトの兄サムを知っていたことから、ネイトは彼と手を組むことを決意する。
しかし財宝を狙っているのはふたりだけではない。財宝の正当な継承者を名乗るサンティアゴ・モンカーダや、冷酷な傭兵ジョー・ブラドックらとの争奪戦が始まる。
主な登場人物(キャスト)
ネイサン・ドレイク/ネイト(トム・ホランド):ニューヨークでバーテンダーとして働く青年。歴史の知識に加え、スリや身軽なアクションを得意とする。行方不明の兄サムへつながる手掛かりを求め、サリーと財宝探しへ向かう。
ビクター・サリバン/サリー(マーク・ウォールバーグ):経験豊富なトレジャーハンター。マゼランの財宝を探すためネイトを仲間に誘うが、抜け目がなく、すべてを信用できる人物とは言い難い。
サンティアゴ・モンカーダ(アントニオ・バンデラス):莫大な財力を持つモンカーダ家の人物。マゼランの財宝は自分の一族が受け継ぐべきものだと信じ、ネイトたちと争奪戦を繰り広げる。
クロエ・フレイザー(ソフィア・アリ):財宝を追うトレジャーハンター。サリーとは以前から面識があり、ネイトたちと協力しながらも独自の思惑で動く。
ジョー・ブラドック(タティ・ガブリエル):モンカーダ側で動く冷酷な傭兵。高い戦闘能力を持ち、ネイトとサリーを執拗に追跡する。
作品の魅力解説・レビュー
宝の地図、謎解き、裏切り――王道要素を詰め込んだ冒険映画
『アンチャーテッド』は、ゲーム原作であることを知らなくても楽しめる、非常に分かりやすいトレジャーハント映画として作られている。
500年前に消えた財宝、歴史に隠された暗号、秘密の地下空間、世界をまたぐ争奪戦、そして味方同士ですら完全には信用できない駆け引き。古典的な冒険映画が得意としてきた要素を現代的なアクション大作として組み直している。
一方で、物語そのものに強烈な独創性があるタイプではない。複雑なテーマ性よりも、宝探しというジャンルそのものの楽しさを前面に出した娯楽映画と考えると性格が分かりやすい。
音楽、笑い、アクションで押し切る軽快なエンターテインメント
大きく鳴り響く金管を生かしたラミン・ジャワディの音楽、ネイトとサリーの軽口、危機一髪のアクションが次々と繰り出され、映画全体のテンポは軽快。
特に輸送機から放り出されたネイトが空中の貨物を伝っていく場面や、巨大な帆船を使ったクライマックスなど、ゲーム的な「こんな状況をどう切り抜けるのか」という発想をそのまま大規模な映画アクションへ持ち込んでいる。
荒唐無稽な展開も多いが、その無茶を含めて楽しむタイプの冒険活劇だ。
若きネイトとしてのトム・ホランド
原作ゲームのネイトより若い時代を描くため、トム・ホランドの持つ身軽さや少年っぽさが映画独自の主人公像につながっている。
バーテンダーとして酒を作りながら客の持ち物を盗む冒頭から、手先の器用さと身体能力を同時に見せるのも面白いところ。普段のイメージよりやや口が悪く、自信満々に振る舞おうとする一方で、まだ一人前の冒険家にはなりきれていない。その少し背伸びした雰囲気も、本作のネイトらしさとなっている。
ゲームの主人公像との違いは好みが分かれる部分だが、映画単体ではトム・ホランドのスター性を中心に組み立てたキャラクターとして機能している。
タティ・ガブリエル演じるジョー・ブラドックの存在感
敵側で特に印象を残すのが、タティ・ガブリエル演じるジョー・ブラドック。
鋭い眼差しと隙のない立ち姿、しなやかに相手との距離を詰める戦闘スタイルが特徴で、出番以上の存在感を放つ。ネイトたちを追う直接的な脅威として、宝探し中心の物語にアクション面での緊張感を加えている。
壮大な財宝や遺跡だけでなく、こうしたキャラクターのビジュアルや動きも楽しみのひとつになっている。
ゲーム映画としては賛否、気軽な冒険活劇としては楽しみやすい
原作ゲームで長く親しまれてきたネイトやサリーの人物像を変更しているほか、複数のゲームから要素を取り込んでいるため、ゲーム版そのものの忠実な再現を期待すると違和感が生じる部分もある。
実際、批評家評価は厳しく、既視感のあるストーリーや人物描写の薄さを指摘された。
それでも、泥棒とトレジャーハンターが50億ドルの財宝を追い、高らかな音楽とともに謎を解き、殴り合い、騙し合いながら世界を飛び回る。その王道を真正面から楽しめるかどうかが本作の評価を大きく左右する。
深刻になり過ぎず、笑いとハラハラを交互に繰り出す冒険アクションとして、純粋なエンターテインメントを求める時には相性のいい1作だ。
ライター/エディター/映画インスタグラマー。2019年に早稲田大学法学部を卒業。東京都職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)やYouTubeチャンネル「cula 見て聞く映画マガジン(旧:アルテミシネマ)」においても映画や海外ドラマ、音楽といったカルチャーに関する情報レビューを発信している。
