映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)を紹介&解説。
映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』概要
映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』は、ジョージ・ルーカスが監督・脚本を務めた1999年公開のSFアドベンチャー。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』以来16年ぶりの劇場長編新作として登場し、後に“プリクエル・トリロジー”と呼ばれる新三部作の第1作となった。物語は、後にダース・ベイダーとなる少年アナキン・スカイウォーカーの運命の始まりと、銀河共和国に忍び寄るシスの陰謀を描く。出演はリーアム・ニーソン、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ジェイク・ロイド、イアン・マクダーミドら。
作品情報
日本版タイトル:『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』
原題:Star Wars: Episode I – The Phantom Menace
製作年:1999年
本国公開日:1999年5月19日
日本公開日:1999年7月10日
ジャンル:SF/アドベンチャー/ファンタジー
製作国:アメリカ
原作:無
上映時間:133分
前作:『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)
次作:『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002)
監督:ジョージ・ルーカス
脚本:ジョージ・ルーカス
製作:リック・マッカラム
撮影:デヴィッド・タッターサル
編集:ポール・マーティン・スミス/ベン・バート
美術:ギャヴィン・ボケット
作曲:ジョン・ウィリアムズ
出演:リーアム・ニーソン/ユアン・マクレガー/ナタリー・ポートマン/ジェイク・ロイド/イアン・マクダーミド/アーメド・ベスト/アンソニー・ダニエルズ/ケニー・ベイカー/ペルニラ・アウグスト/フランク・オズ/レイ・パーク/テレンス・スタンプ/ブライアン・ブレスド/サミュエル・L・ジャクソン/キーラ・ナイトレイ
製作:ルーカスフィルム
配給:20世紀フォックス
あらすじ
銀河共和国の時代。通商連合によって平和な惑星ナブーが封鎖され、ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンと弟子のオビ=ワン・ケノービは交渉のため派遣される。しかし、その背後ではシスの暗黒卿ダース・シディアスが密かに糸を引いていた。ナブーからアミダラ女王を救出した一行は、宇宙船の修理のため砂漠の惑星タトゥイーンに立ち寄る。そこで彼らは、強いフォースの資質を持つ奴隷の少年アナキン・スカイウォーカーと出会う。やがてアナキンは自由を得て、ジェダイへの道を歩み始めるが、ナブーへの侵略とシスの復活は銀河の未来に大きな影を落としていく。
主な登場人物(キャスト)
クワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン):ジェダイ・マスター。評議会の意向に縛られすぎず、“生けるフォース”の導きを重んじる人物。タトゥイーンでアナキンの資質を見抜き、彼こそがフォースにバランスをもたらす存在ではないかと考える。
オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー):クワイ=ガンの弟子である若きジェダイ。師とともにナブーの危機に関わり、のちにアナキンの運命を背負うことになる。冷静さと未熟さが同居する、後の伝説的ジェダイの若き姿が描かれる。
パドメ・アミダラ女王(ナタリー・ポートマン):惑星ナブーの若き女王。通商連合による侵略に立ち向かい、政治的な決断と自ら行動する勇気で民を守ろうとする。物語の中では女王としての責任と、ひとりの女性としての素顔が重要な意味を持つ。
アナキン・スカイウォーカー(ジェイク・ロイド):タトゥイーンで母シミと暮らす奴隷の少年。並外れたフォースの資質とポッドレースの才能を持ち、クワイ=ガンとの出会いによって運命が大きく動き出す。後にダース・ベイダーとなる人物の幼少期が描かれる。
ジャー・ジャー・ビンクス(アーメド・ベスト):惑星ナブーのグンガン族のひとり。失敗も多いが善良な性格で、クワイ=ガンたちと行動をともにする。ナブーの人間とグンガン族を結びつける存在として、物語の局面に関わっていく。
パルパティーン元老院議員/ダース・シディアス(イアン・マクダーミド):ナブー選出の元老院議員でありながら、銀河の裏側で暗躍する人物。政治的混乱を利用して権力を拡大し、シスの復活と銀河共和国の変質につながる陰謀を進める。
ダース・モール(レイ・パーク):ダース・シディアスに仕えるシスの戦士。赤と黒の顔、二枚刃のライトセーバー、俊敏な戦闘スタイルが強烈な印象を残す。クワイ=ガンとオビ=ワンの前に立ちはだかる本作の象徴的な敵役。
シミ・スカイウォーカー(ペルニナ・アウグスト):アナキンの母。タトゥイーンで奴隷として暮らしながら、息子の未来を深く思っている。アナキンが母を残して旅立つ場面は、後のシリーズにもつながる重要な感情の起点となる。
作品の魅力解説
本作の大きな魅力は、『スター・ウォーズ』サーガを時系列の始まりから見直せる点にある。オリジナル三部作では伝説として語られていたジェダイや銀河共和国が、まだ制度として存在していた時代を描き、のちの帝国誕生へつながる政治的な不穏さを物語の底に忍ばせている。
また、アナキン・スカイウォーカーを“悪の象徴”ではなく、希望と才能を持つ少年として描いたことも重要である。タトゥイーンでの出会い、ポッドレース、母との別れは、彼の純粋さと不安を同時に刻み込み、後の悲劇を知る観客ほど複雑な感情で受け止めることになる。
ビジュアル面では、ナブーの宮殿、グンガンの水中都市、タトゥイーンのポッドレース、ダース・モールとのライトセーバー戦など、作品ごとに世界を広げてきた『スター・ウォーズ』らしい異文化的なデザインとアクションが際立つ。ジョン・ウィリアムズによる楽曲「運命の闘い」も、クライマックスの緊張感を高める大きな要素となっている。
シリーズ全体の中では評価が分かれる作品でもあるが、アナキンの始まり、パルパティーンの台頭、シスの再出現、オビ=ワンの成長といった重要な要素が詰め込まれており、“スカイウォーカー・サーガ”の起点として欠かせない一本である。
