映画『レジェンド/光と闇の伝説』(1985)を紹介&解説。
映画『レジェンド/光と闇の伝説』概要
映画『レジェンド/光と闇の伝説』は、リドリー・スコット監督(『エイリアン』『ブレードランナー』)が、ユニコーンや妖精、魔物が存在する幻想世界で繰り広げられる光と闇の戦いを描いたダークファンタジー。闇の支配者ダークネスが世界から光を消そうとする中、森で暮らす青年ジャックが囚われた王女リリーと世界を救うために立ち上がる。主演はトム・クルーズ、共演にミア・サラ、ティム・カリー、ダーヴィット・ベネントら。
作品情報
| 日本版タイトル | 『レジェンド/光と闇の伝説』 |
|---|---|
| 原題 | Legend |
| 製作年 | 1985年 |
| 本国公開日 | 1986年4月18日(アメリカ) |
| 日本公開日 | 1987年8月22日 |
| ジャンル | ファンタジー/アドベンチャー |
| 製作国 | アメリカ |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 94分(日本公開版) |
| 監督 | リドリー・スコット |
|---|---|
| 脚本 | ウィリアム・ヒョーツバーグ |
| 製作 | アーノン・ミルチャン/ティム・ハンプトン(共同製作) |
| 撮影 | アレックス・トムソン |
| 編集 | テリー・ローリングス/パメラ・パワー |
| 作曲 | ジェリー・ゴールドスミス(日本・欧州版)/タンジェリン・ドリーム(米国版) |
| 出演 | トム・クルーズ/ミア・サラ/ティム・カリー/ダーヴィット・ベネント/アリス・プレイトン/ビリー・バーティ/コーク・ハバート |
| 製作 | レジェンド・プロダクション・カンパニー |
| 配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ(米国)/20世紀フォックス映画(日本) |
あらすじ
妖精やユニコーンが暮らす幻想的な森。森で生きる青年ジャックは王女リリーをユニコーンのもとへ案内するが、それを利用した魔物たちによって世界の光を守るユニコーンが襲われてしまう。すべてを永遠の闇で覆うことを望む支配者ダークネスは、さらにリリーを自らの城へ連れ去る。世界に光を取り戻し、リリーを救うため、ジャックは森の仲間たちとともにダークネスの城を目指す。
主な登場人物(キャスト)
ジャック(トム・クルーズ):森の中で動物たちと暮らす青年。純粋な心を持ち、リリーと世界を救うためダークネスの支配する城へ向かう。
リリー(ミア・サラ):ジャックと心を通わせる王女。好奇心からユニコーンに近づいたことが世界の均衡を崩すきっかけとなり、やがてダークネスに狙われる。
ダークネス(ティム・カリー):光を憎み、世界を永遠の闇へ変えようとする魔王。巨大な角を持つ悪魔的な姿でジャックたちの前に立ちはだかる。
ガンプ(ダーヴィット・ベネント):ジャックに力を貸す森の住人。仲間たちとともにダークネスへ立ち向かう。
作品の魅力解説
物語以上に前面へ出るリドリー・スコットの幻想世界
本作の最大の特徴は、巨大なセット、美術、照明、特殊メイクを総動員して作り上げた幻想世界そのものにある。森、雪、炎、闇の城といった空間を徹底して人工的かつ絵画的に構築しており、『ブレードランナー』でも圧倒的な世界設計を見せたリドリー・スコットらしく、一画面ごとのビジュアルに強く比重を置いた作品となっている。
一方、光と闇、純粋さと誘惑という物語の構造は極めて単純で、登場人物の心理や関係性にも十分な厚みがあるとは言い難い。映像面の作り込みに対してドラマが追いついていないという弱点は、本作を評価するうえで無視しにくい部分である。
ティム・カリー演じるダークネスの圧倒的な造形
映画を象徴する存在となったのが、ティム・カリー演じるダークネス。巨大な角、赤い皮膚、黒く巨大な身体という悪魔的デザインは、特殊メイクを担当したロブ・ボッティンらによって作り上げられた。
ジャックよりもダークネスの登場場面の方が視覚的なインパクトを残すほどで、ストーリーよりクリーチャー造形や特殊メイクを目的に楽しむ方が本作の個性を捉えやすい。
日本公開版と米国公開版では音楽まで異なる
『レジェンド/光と闇の伝説』には複数のバージョンが存在する。日本で劇場公開されたのは約94分のヨーロッパ版で、音楽はジェリー・ゴールドスミス。一方、1986年に公開された米国版は約89分まで短縮され、音楽もタンジェリン・ドリームへ差し替えられた。
もともとさらに長いバージョンから大幅な編集が行われた作品であり、この製作過程も物語のまとまりに欠ける印象と無関係ではない。現在では作品そのもの以上に、スコットのビジュアルへの執念や複数バージョンの存在を含めて語られることの多い異色作となっている。
