『血まみれギャングママ』解説|どんな映画?あらすじ・キャスト・魅力まとめ

映画『血まみれギャングママ』(1970)を紹介&解説。


映画『血まみれギャングママ』概要

映画『血まみれギャングママ』は、ロジャー・コーマン監督が、1930年代のアメリカで犯罪を重ねた実在のバーカー一家をモデルに描くクライムドラマ。母親ケイト・“マー”・バーカーが4人の息子たちを率いて強盗や誘拐を繰り返し、やがて捜査当局に追い詰められていく姿を、暴力や倒錯した家族関係を強調したエクスプロイテーション映画として描く。主演はシェリー・ウィンタース。息子のひとりロイド役で若き日のロバート・デ・ニーロが出演し、ドン・ストラウドロバート・ウォルデンブルース・ダーンパット・ヒングルらが共演する。

作品情報

日本版タイトル 『血まみれギャングママ』
原題 Bloody Mama
製作年 1970年
本国公開日 1970年3月24日
日本公開日 劇場未公開・TV放映
ジャンル クライムドラマ
製作国 アメリカ
原作
上映時間 90分
監督・製作 ロジャー・コーマン
脚本 ロバート・ソム
製作総指揮 サミュエル・Z・アーコフ/ジェームズ・H・ニコルソン
撮影 ジョン・A・アロンゾ
編集 イヴ・ニューマン
作曲 ドン・ランディ
出演 シェリー・ウィンタース/パット・ヒングル/ドン・ストラウド/ダイアン・ヴァーシ/ブルース・ダーン/クリント・キンブロー/ロバート・デ・ニーロ/ロバート・ウォルデン/アレックス・ニコルほか
製作 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(米国)

あらすじ

1930年代、大恐慌下のアメリカ。夫と別れたケイト・“マ”・バーカーは、ハーマン、アーサー、ロイド、フレッドという4人の息子たちを連れて旅に出る。母親に強く支配された息子たちは強盗をはじめとする犯罪に手を染め、一家は次第に凶悪な犯罪集団へと変貌。銀行強盗や誘拐を繰り返しながら全米を移動していくが、犯罪がエスカレートするにつれて捜査当局も彼らを追い詰めていく。

主な登場人物(キャスト)

ケイト・“マー”・バーカー(シェリー・ウィンタース):4人の息子を絶対的な愛情と支配力で束ねるバーカー家の母親。息子たちとともに犯罪を重ね、危険な一家の中心人物となっていく。

ハーマン・バーカー(ドン・ストラウド):バーカー家の息子のひとり。極めて凶暴で衝動的な性格を持ち、一家の犯罪をさらに暴力的な方向へ進ませる。

ロイド・バーカー(ロバート・デ・ニーロ):バーカー家の息子のひとり。薬物依存を抱えており、一家の中でも特に不安定な人物として描かれる。

フレッド・バーカー(ロバート・ウォルデン):バーカー家の息子のひとり。刑務所生活を経験し、ケヴィン・ダークマンと関係を築く。

ケヴィン・ダークマン(ブルース・ダーン):フレッドが刑務所で出会う男。出所後はバーカー一家と行動をともにし、マとも深く関わるようになる。

サム・アダムズ・ペンドルベリー(パット・ヒングル):バーカー一家が身代金目的で誘拐する富豪。彼をめぐる一件が一家の内部関係にも変化をもたらす。

作品の魅力解説

犯罪映画というより、崩壊した“家族”を描く異色作

実在したバーカー一家を題材としているが、本作が執拗に描くのは犯罪の手口や大恐慌という社会背景以上に、母親と4人の息子が築く異常な家族関係だ。マは息子たちを無条件に愛する一方、その愛情は強烈な支配と結びついている。暴力、性、薬物依存といった要素を絡めながら、一家そのものをひとつの閉鎖的で病的な共同体として描いていく。

シェリー・ウィンタースと若きロバート・デ・ニーロ

中心となるのは、圧倒的な存在感でマ・バーカーを演じるシェリー・ウィンタース。さらにロバート・デ・ニーロ、ブルース・ダーン、ドン・ストラウド、ロバート・ウォルデンら、後にさまざまな作品で活躍する俳優たちの若き日の姿を確認できる点も興味深い。とりわけデ・ニーロは薬物依存のロイドという不安定な役柄を演じている。

過激さが先行する、粗削りなコーマン流犯罪映画

一方で、人物描写や物語運びにはかなり粗削りな部分があり、暴力や倒錯的な描写を次々と投入するエクスプロイテーション映画的な刺激が前面に出ている。史実との相違も多く、洗練された実録犯罪映画を期待すると評価は分かれやすい。家族ドラマ、ブラックユーモア、残酷描写が混在する独特の悪趣味さこそが、ロジャー・コーマンらしい作品といえる。

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