『罪人たち』で一人二役を演じたマイケル・B・ジョーダンがアカデミー主演男優賞を受賞した。
マイケル・B・ジョーダンが、映画『罪人たち』での演技によりアカデミー賞主演男優賞を受賞した。本作でジョーダンは双子の兄弟スモークとスタックを一人で演じ分け、キャリア初のオスカーを獲得。今回の受賞により、主演男優賞を受賞した黒人俳優として史上6人目となった。
先人たちへの敬意を語った受賞スピーチ
受賞スピーチでジョーダンは、自身がこの舞台に立てた背景として、これまでハリウッドで道を切り拓いてきた俳優たちへの敬意を示した。
「私の前に道を切り拓いてくれた人たちがいたから、今ここに立てるんだよ」と語り、シドニー・ポワチエ、デンゼル・ワシントン、ハル・ベリー、ジェイミー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、そしてウィル・スミスの名前を挙げた。
さらにジョーダンは、彼らの功績に触れながら「そんな偉大な巨人たちと肩を並べられるなんて、先人たちと、仲間たちと一緒に……」と述べ、自身の受賞が多くの人々の歩みによって支えられていることを強調した。
SAG受賞をきっかけに主演男優賞レースの本命へ浮上
ジョーダンが主演男優賞の有力候補として急浮上したのは、かつてSAG賞として知られていたアクター賞で重要な勝利を収めてからのことである。それ以前の主要賞レースでは、必ずしも本命と見られていたわけではなかった。
英国アカデミー賞(BAFTA)では『I Swear(原題)』のロバート・アラマヨに、ゴールデングローブ賞では『シークレット・エージェント』のヴァグネル・モウラに敗北。さらにクリティクス・チョイス賞では『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』のティモシー・シャラメが受賞していた。
しかしアクター賞での勝利により状況は一変。オスカー本番では最有力候補のひとりとして注目を集める存在となった。
今回の主演男優賞には、ジョーダンのほか、ティモシー・シャラメ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)、レオナルド・ディカプリオ(『ワン・バトル・アフター・アナザー』)、イーサン・ホーク(『ブルームーン』)、ヴァグネル・モウラ(『シークレット・エージェント』)がノミネートされていた。
『罪人たち』-ライアン・クーグラーとの5度目のタッグ作品
『罪人たち』は、ジョーダンとライアン・クーグラー監督による5度目のタッグ作品である。ふたりはこれまで『フルートベール駅で』、『クリード』シリーズ、『ブラックパンサー』2作品を共に手がけてきた。
本作の舞台は1930年代のアメリカ南部。第一次世界大戦後に故郷へ戻った双子の兄弟、スモークとスタックがジュークジョイントを開業するものの、吸血鬼の襲撃に直面するという物語が描かれる。ジョーダンはこの兄弟を一人で演じ分け、作品の中心となる二役を担った。
映画は世界興行収入で3億7000万ドルを突破。さらにアカデミー賞では16部門にノミネートされ、史上最多となるノミネート数を記録した。作品賞やクーグラーの監督賞候補も含まれており、作品全体としても大きな評価を受けている。
