ロジャー・コーマンは、アメリカ出身の映画監督、プロデューサー、脚本家。
低予算と短期間の撮影を武器に膨大な数のジャンル映画を世に送り出し、“B級映画の帝王”として映画史に名を残した。『アッシャー家の惨劇』をはじめとするエドガー・アラン・ポー作品の映画化、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『ワイルド・エンジェル』などで知られる一方、プロデューサーとしてフランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ジョナサン・デミ、ジェームズ・キャメロンら後の巨匠に初期の機会を与え、インディペンデント映画界そのものに大きな影響を残した。
ロジャー・コーマン プロフィール(基本情報)
名前:ロジャー・コーマン(Roger Corman/Roger William Corman)
生年月日:1926年4月5日
没年月日:2024年5月9日(98歳没)
出身地:アメリカ|ミシガン州デトロイト
職業:映画監督、プロデューサー、脚本家
代表作:『アッシャー家の惨劇』、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『ワイルド・エンジェル』、『デス・レース2000年』
・デトロイトに生まれ、10代のころに家族とカリフォルニアへ移住。第二次世界大戦期にはアメリカ海軍に所属し、戦後スタンフォード大学で工学を修めた。エンジニアとして働いたものの映画界を志し、20世紀フォックスでメッセンジャー、のちにストーリー・アナリストとして勤務した。
・一時ハリウッドを離れてイギリスへ渡り、オックスフォード大学で英文学を学んだ後、パリにも滞在。帰国後に執筆した脚本が『ハイウェイ捜査網』として映画化され、1950年代半ばからプロデューサー、映画監督として本格的なキャリアを開始した。
・1955年の『ファイブ・ガン/あらくれ五人拳銃』で長編監督デビュー。その後、SF、西部劇、ギャング映画、怪奇映画、青春映画などを低予算かつ短期間で次々と製作し、“King of the B’s(B級映画の帝王)”と呼ばれる存在となった。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』はわずか2日と1晩で主要撮影を終えた作品としても知られる。
・1960年の『アッシャー家の惨劇』から、エドガー・アラン・ポー作品を基にしたゴシック・ホラーを相次いで監督。『恐怖の振子』、『忍者と悪女』、『赤死病の仮面』、『黒猫の棲む館』など計8本に及ぶ“ポー・サイクル”は、コーマンの監督作の中でも特に高い評価を受けている。
・1962年には、アメリカ南部の学校統合と人種差別を扱った『侵入者』を監督。さらに1960年代後半には、アウトローのバイカー集団を描く『ワイルド・エンジェル』や、LSDによる幻覚体験を題材にした『白昼の幻想』など、当時のカウンターカルチャーを取り込んだ作品も発表した。
・1970年に製作・配給会社ニュー・ワールド・ピクチャーズを設立。その現場では若手映画人に大きな裁量を与え、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ピーター・ボグダノヴィッチ、ジョナサン・デミ、ジョー・ダンテ、ロン・ハワード、ジェームズ・キャメロンらのキャリアを後押しした。“ロジャー・コーマン映画学校”とも呼ばれる人材育成は、ニュー・ハリウッド以降の映画界に大きな影響を与えている。
・ニュー・ワールド・ピクチャーズでは低予算ジャンル映画を製作するだけでなく、イングマール・ベルイマン、フェデリコ・フェリーニ、フランソワ・トリュフォー、黒澤明らの作品をアメリカで配給。『叫びとささやき』、『アマルコルド』、『デルス・ウザーラ』など、国外の芸術映画をアメリカの観客へ紹介する役割も果たした。
・2009年には、映画製作と若手映画人の育成を通じた長年の功績を称えられ、映画芸術科学アカデミーからアカデミー名誉賞を授与された。監督作は50本以上、プロデュース作は300本以上に及び、晩年まで映画製作を続けた。
・2024年5月9日、カリフォルニア州サンタモニカの自宅で死去。98歳だった。
ロジャー・コーマン 作品一覧
長編映画
- 『ファイブ・ガン/あらくれ五人拳銃』(1955):監督、製作
- 『荒野の待伏せ』(1955):監督、製作
- 『原子怪獣と裸女』(1955):監督、製作
- 『女囚大脱走』(1956):監督
- 『The Oklahoma Woman(原題)』(1956):監督、製作
- 『金星人地球を征服』(1956):監督、製作
- 『早射ち女拳銃』(1956):監督、製作
- 『Naked Paradise(原題)』(1957):監督、製作
- 『Not of This Earth(原題)』(1957):監督、製作
- 『巨大カニ怪獣の襲撃』(1957):監督、製作
- 『ごろつき酒場』(1957):監督
- 『悪魔と魔女の世界』(1957):監督
- 『Teenage Doll(原題)』(1957):監督、製作
- 『Carnival Rock(原題)』(1957):監督
- 『Sorority Girl(原題)』(1957):監督、製作
- 『女バイキングと大海獣』(1958):監督、製作
- 『War of the Satellites(原題)』(1958):監督、製作
- 『機関銃(マシンガン)ケリー』(1958):監督、製作
- 『鮫の呪い』(1958):監督
- 『恐怖の獣人』(1958):監督、製作
- 『暗黒街の掟』(1958):監督、製作
- 『血のバケツ』(1959):監督、製作
- 『蜂女の実験室』(1959):監督、製作
- 『Ski Troop Attack(原題)』(1960):監督、製作
- 『アッシャー家の惨劇』(1960):監督、製作
- 『地球最後の女 アイ・アム・ウーマン・オブ・レジェンド』(1960):監督、製作
- 『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1960):監督、製作
- 『Atlas(原題)』(1961):監督、製作
- 『Creature from the Haunted Sea(原題)』(1961):監督、製作
- 『恐怖の振子』(1961):監督、製作
- 『姦婦の生き埋葬』(1962):監督、製作
- 『侵入者』(1962):監督、製作
- 『黒猫の怨霊』(1962):監督、製作
- 『恐怖のロンドン塔』(1962):監督
- 『ヤングレーサー』(1963):監督、製作
- 『忍者と悪女』(1963):監督、製作
- 『古城の亡霊』(1963):監督、製作
- 『怪談呪いの霊魂』(1963):監督、製作
- 『X線の眼を持つ男』(1963):監督、製作
- 『赤死病の仮面』(1964):監督、製作
- 『侵略戦線』(1964):監督
- 『黒猫の棲む館』(1964):監督、製作
- 『ディメンシャ13』(1963):製作
- 『原始惑星への旅』(1965):製作総指揮
- 『ワイルド・エンジェル』(1966):監督、製作
- 『聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ』(1967):監督、製作
- 『白昼の幻想』(1967):監督、製作
- 『銃撃』(1967):製作総指揮
- 『ターゲット・ハリー』(1969):監督
- 『H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪』(1970):製作総指揮
- 『血まみれギャングママ』(1970):監督、製作
- 『ガス!』(1970):監督、製作
- 『残酷女刑務所』(1971):製作
- 『レッド・バロン』(1971):監督
- 『明日に処刑を…』(1972):製作
- 『コックファイター』(1974):製作
- 『ビッグ・バッド・ママ』(1974):製作
- 『デス・レース2000年』(1975):製作
- 『クレイジー・ママ』(1975):製作
- 『バニシングIN TURBO』(1976):製作総指揮
- 『ハリウッド・ブルバード』(1976):製作総指揮
- 『ピラニア』(1978):製作総指揮
- 『ロックンロール・ハイスクール』(1979):製作総指揮
- 『宇宙の7人』(1980):製作総指揮
- 『モンスター・パニック』(1980):製作総指揮
- 『ギャラクシー・オブ・テラー/恐怖の惑星』(1981):製作
- 『禁断の惑星エグザビア』(1982):製作
- 『スランバー・パーティー大虐殺』(1982):製作
- 『反逆のパンク・ロック』(1983):製作
- 『フランケンシュタイン/禁断の時空』(1990):監督、製作、脚本
- 『恐竜カルノザウルス』(1993):製作総指揮
- 『The Fantastic Four(原題)』(1994):製作/未公開
- 『デス・レース』(2008):製作総指揮
- 『シャークトパス SHARKTOPUS』(2010):製作
- 『ディノシャーク』(2010):製作、出演
- 『アタック・オブ・ザ・50フィート・チアリーダー』(2012):製作、出演
- 『シャークトパスVSプテラクーダ』(2014):製作
- 『シャークトパスVS狼鯨』(2015):製作
- 『ロジャー・コーマン デス・レース 2050』(2017):製作
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