映画『キセキの第九』(2026)を紹介&解説。
映画『キセキの第九』概要
映画『キセキの第九』は、世界的指揮者・佐渡裕と福岡県立育徳館中学校・高等学校管弦楽部の生徒たちが、ベートーヴェンの《交響曲第9番》、通称「第九」に挑むまでの6年間を追った音楽ドキュメンタリー。KBC九州朝日放送の臼井賢一郎が監督・プロデューサーを務め、2018年の佐渡と生徒たちの出会いから、コロナ禍による演奏会の延期を乗り越え、世代を超えて「第九」に挑む人々の姿を記録する。語りは椎名林檎が担当する。
作品情報
| 日本版タイトル | 『キセキの第九』 |
|---|---|
| 製作年 | 2026年 |
| 日本公開日 | 2026年12月12日(12月5日より福岡で先行上映) |
| ジャンル | ドキュメンタリー/音楽 |
| 製作国 | 日本 |
| 原作 | 無 |
| 上映時間 | 115分 |
| 監督・プロデューサー | 臼井賢一郎 |
|---|---|
| 撮影 | 野中志郎 |
| 編集 | 北岡祐典 |
| 語り | 椎名林檎 |
| 出演 | 佐渡裕/育徳館管弦楽部のみなさん |
| 製作 | KBC九州朝日放送 |
| 配給 | 太秦 |
あらすじ
2018年5月、九州ツアーの合間に福岡県行橋市を訪れた世界的指揮者・佐渡裕は、福岡県立育徳館中学校・高等学校管弦楽部による歓迎演奏を耳にする。約45分にわたるブラームス《交響曲第1番》をひたむきに演奏する生徒たちに心を動かされた佐渡は、その場で指導を始め、やがて生徒たちとの演奏会を提案する。
生徒たちが選んだ曲は、ベートーヴェンの《交響曲第9番》。学校や地域が一体となって準備を進めるが、コロナ禍によって計画は延期され、当時の高校生たちは「第九」を演奏できないまま卒業していく。それから3年後の2023年秋、約束を果たすために計画が再始動。かつて先輩たちの背中を見ていた新世代の生徒、卒業生、プロの演奏家、ソリスト、地元の合唱団が集まり、6年越しの「第九」へ挑む。
主な出演者
佐渡裕:世界各地の一流オーケストラを指揮してきた指揮者。育徳館管弦楽部による歓迎演奏をきっかけに生徒たちと交流を始め、彼らとともに「第九」の舞台を目指していく。
育徳館管弦楽部:福岡県立育徳館中学校・高等学校の管弦楽部。コロナ禍による計画の中断と世代交代を経ながら、先輩たちの思いも受け継いでベートーヴェンの難曲に挑戦する。
椎名林檎(語り):福岡出身の音楽アーティストとして、佐渡と生徒たちが歩んだ6年間を伝える本作の語りを担当する。
作品の魅力解説(公開前時点)
6年間にわたって積み重なった、予定調和ではない記録
本作の大きな特徴は、単に中高生が「第九」の演奏に挑む成功物語ではなく、その道のりが6年間に及ぶこと。2018年の偶然の出会いから始まった計画はコロナ禍によって大きく狂い、本来舞台に立つはずだった生徒たちは卒業していく。それでも約束は次の世代へ受け継がれた。実際の時間と予期せぬ出来事が映画そのものを形作ったドキュメンタリーだからこそのドラマが期待される。
世界的マエストロと中高生、その間に生まれる音楽
佐渡裕という世界的なプロフェッショナルと、学校の管弦楽部に所属する中高生が同じ舞台を作っていくことも見どころ。完成した演奏だけではなく、指揮者のタクトを見つめる生徒たちの眼差しや、練習を通じて変化していく関係性など、「音楽を作る過程」そのものが本作の中心となる。
学校から地域へ広がっていく「第九」
演奏会には生徒だけでなく、プロの演奏家やソリスト、地元の合唱団、かつて「第九」を演奏できないまま卒業したOBたちも参加する。ベートーヴェンの「第九」が持つ、人々が結びついていくというテーマを、地域で実際に起きた出来事を通して映し出す作品になりそうだ。福岡出身の椎名林檎による語りも、この6年間の記録をどう届けるのか注目したい。
