『13日の金曜日』の脚本家ヴィクター・ミラーが86歳で死去。息子イアンが訃報を発表した。
ホラー映画史に残る人気シリーズ『13日の金曜日』の原点を作った脚本家ヴィクター・ミラーが死去した。86歳だった。
ミラーは8月31日、米カリフォルニア州アラメダで死去。息子のイアン・ミラーがSNSを通じて父の死を発表した。
現時点で死因は公表されていない。
息子イアンが訃報「最高に頭が良く、面白い人だった」
イアンは父について「昨日、父ヴィクター・ミラーは最後の報酬を受け取りに旅立ちました」と訃報を報告。
さらに「どんな場所にいても、ほとんどの場合、一番頭が良くて、一番面白い人でした。私や多くの人に、写真、音楽、物語を愛することを教えてくれました」と振り返った。
そして、「すばらしい人生でした。本当に寂しくなります」と父への思いをつづっている。
遺族には妻、2人の息子、孫がいる。
家族は2026年11月13日に追悼の集まりを行う予定。日付はもちろん、作品名と同じ「13日の金曜日」だ。
『13日の金曜日』でパメラ、ジェイソンらを創造
ミラー最大の代表作となったのが、ショーン・S・カニンガム監督による1980年の『13日の金曜日』。キャンプ場クリスタル・レイクを舞台に、若者たちが何者かに次々と殺されていくスラッシャー映画だ。
シリーズの象徴として知られるジェイソン・ボーヒーズは、後の続編でホッケーマスクを被った殺人鬼へと変化したが、第1作で殺人を繰り返すのは母親パメラ・ボーヒーズ。
ミラーはパメラ、ジェイソン、最終生存者アリス・ハーディら、シリーズの根幹となるキャラクターを生み出した。
描きたかったのは、息子を失った母親による歪んだ復讐だったというミラー自身は後のシリーズ作品には関与せず、ジェイソンが殺人鬼として中心人物になった続編についても距離を置いたが、作品は大ヒット。
その後12本規模の映画シリーズへ成長、テレビ、ゲーム、コミックなどへも世界を拡大し、ジェイソンは『エルム街の悪夢』フレディ・クルーガーや『ハロウィン』マイケル・マイヤーズと並ぶ、ホラー映画を代表するキャラクターとなった。
昼ドラの脚本家としても活躍、エミー賞を3度受賞
ミラーのキャリアはホラーだけではない。
『13日の金曜日』以前にはカニンガム監督の『Manny’s Orphans』などを執筆。その後はテレビ界を中心に活動し、「All My Children」「One Life to Live」「Another World」「Guiding Light」「General Hospital」など数多くの昼ドラマに参加した。
特に「All My Children」では脚本チームの一員としてデイタイム・エミー賞を3度受賞。
ホラー映画の歴史を変えた一本を書いた人物である一方、キャリアの大部分では長期テレビドラマのストーリーテラーとして活動した人物でもあった。
『13日の金曜日』は現在も新たな作品展開が続き、ミラーが約半世紀前に作ったクリスタル・レイクとボーヒーズ一家の物語は、新世代へ受け継がれている。
