【訃報】『ジュラシック・パーク』などのサム・ニールが78歳で死去、家族が声明「その死は突然で予期せぬもの」、50年以上にわたり活躍

【訃報】『ジュラシック・パーク』などのサム・ニールが78歳で死去、家族が声明「その死は突然で予期せぬもの」、50年以上にわたり活躍 Obituaries – 訃報
サム・ニール、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』より

『ジュラシック・パーク』のアラン・グラント博士役などで知られるサム・ニールが78歳で死去した。


映画『ジュラシック・パーク』シリーズの古生物学者アラン・グラント博士役などで知られる俳優サム・ニールが、2026年7月13日、オーストラリア・シドニーで死去した。78歳だった。

50年以上にわたるキャリアの中で、ハリウッドの大作からオーストラリア、ニュージーランドの映画、作家性の強い作品やテレビシリーズまで幅広く出演。親しみやすさと知性、静かなユーモアを併せ持つ演技で、世界中の観客に愛された。

家族が声明「その死は突然で予期せぬものでした」

サム・ニールの家族は、本人のInstagramを通じて声明を発表した。

「サム・ニールのファーナウ(家族)は、7月13日月曜日、オーストラリア・シドニーで彼が亡くなったことを、深い悲しみとともにお知らせします。サムは家族に囲まれ、その生涯を通じて彼を特徴づけてきた尊厳を保ったまま息を引き取りました」

声明では、ニールの死について「その死は突然で予期せぬものでしたが、サムががんのない状態を保っていたことは、せめてもの救いでした」と説明。死因については明らかにされていない。

家族はさらに、「セント・ヴィンセント私立病院のスタッフによる素晴らしいケアに、心より感謝申し上げます。詳細については後日お伝えしますが、今は家族がこの計り知れない喪失と向き合う間、プライバシーを尊重してくださいますようお願いいたします」と呼びかけた。

ニールは、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)の撮影を終えた後、ステージ3の血液がんである血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断されたことを公表していた。治療を続け、2026年4月には、がんが確認されない状態になったことを明かしていた。

アラン・グラント博士役で世界的スターに

北アイルランドで生まれ、幼少期にニュージーランドへ移住したニールは、舞台やテレビ、短編映画への出演を経て、本格的に俳優としての道を歩み始めた。

ニュージーランド映画の発展を象徴する作品のひとつとなった『Sleeping Dogs(原題)』(1977)で主演を務め、ジリアン・アームストロング監督の『わが青春の輝き』(1979)によって国際的な注目を集めた。

1981年には『オーメン/最後の闘争』で成長したダミアンを演じ、アンジェイ・ズラウスキー監督の『ポゼッション』では、イザベル・アジャーニとともに崩壊していく夫婦の関係を演じた。続いて『デッド・カーム/戦慄の航海』(1989)、『レッド・オクトーバーを追え!』(1990)などに出演し、国際的な俳優としての地位を確立していく。

その名を世界中に知らしめたのが、スティーヴン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(1993)だった。ニールが演じたアラン・グラント博士は、恐竜の研究に人生を捧げる古生物学者。恐竜が暴走するテーマパークに取り残されながら、子どもたちを守ろうとする冷静で勇敢な姿は、シリーズを代表するキャラクターとなった。

ニールはその後、『ジュラシック・パークIII』(2001)と『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)でも同役を再演した。

長年演じてきたグラント博士について、ニールはかつてインタビューで次のように語っていた。

「アラン・グラントは、履き慣れた古いブーツみたいなものだといつも思っているよ。ずいぶんくたびれてはいるけれど、とても履き心地がよくて、どうしても手放せない。履き慣れたブーツと帽子を身につければ、また役の中に戻れるんだ」

さらに『ジュラシック・パーク』シリーズについて、「恐竜映画ではなく、古生物学者や数学者のような普通の人々が、極端な状況に置かれる物語なんだ。映画を動かしているのは人間だよ。恐竜を主役にはできない。恐竜の関心事はとても限られていて、繁殖することと何かを食べることだけだからね」と、ユーモアを交えて説明していた。

大作と個性豊かな作品を行き来した50年以上の俳優人生

『ジュラシック・パーク』と同じ1993年には、ジェーン・カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』にも出演。ホリー・ハンター演じる言葉を発しない女性エイダの夫スチュアートを演じ、大作映画とは異なる複雑で冷酷な人物像を見せた。

その後も、ジョン・カーペンター監督の『マウス・オブ・マッドネス』(1994)、SFホラー『イベント・ホライゾン』(1997)、ロバート・レッドフォード監督の『モンタナの風に抱かれて』(1998)、オーストラリアの宇宙開発史を描いた『月のひつじ』(2000)など、多彩なジャンルの作品に出演した。

テレビでも活躍し、「THE TUDORS〜背徳の王冠〜」ではトマス・ウルジー枢機卿、「ピーキー・ブラインダーズ」ではチェスター・キャンベル警部を演じた。

晩年の代表作のひとつが、タイカ・ワイティティ監督の『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(2016)だ。ニールは、問題を抱えた少年リッキーとニュージーランドの森林を逃げ回る偏屈な養父ヘクターを演じ、無骨さの奥に優しさを隠した人物像で高い評価を得た。

ワイティティ監督の『ソー:ラブ&サンダー』(2022)などにも出演したほか、近年はNetflixシリーズ「大地の傷跡」や、Bingeのドラマシリーズ「The Twelve(原題)」などでスクリーンに姿を見せていた。

オーストラリア映画製作者協会のCEOを務めるマシュー・ディーナーは、ニールの功績について声明を発表した。

「サム・ニールは、オーストラリアとニュージーランドの映像界を代表する偉大な人物のひとりでした。並外れた才能とプロ意識は数え切れないほどの作品を豊かにし、何世代もの映画制作者や俳優たちに刺激を与えました。オーストラリアの物語と映像文化への貢献は計り知れず、その遺産はこれからも観客と業界を何世代にもわたり鼓舞し続けるでしょう」

俳優業のかたわら、ニールはニュージーランド・セントラルオタゴでワイナリー「Two Paddocks」を経営。2023年には、がんの診断後に執筆した回想録『Did I Ever Tell You This?(原題)』を刊行していた。

芸術性の高い映画から世界的なブロックバスターまでを自在に行き来し、どの作品でも役柄に人間的な奥行きを与え続けたサム・ニール。その50年以上に及ぶ俳優人生と数々の演技は、映画史の中に長く残り続ける。

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