映画『X-MEN』のセイバートゥース役などで知られる俳優タイラー・メインが、男性では珍しい乳がんと診断されたことを公表した。
セイバートゥース役タイラー・メイン、乳がん診断を公表
映画『X-MEN』でセイバートゥースを演じた俳優タイラー・メインが、自身のInstagramを通じて乳がんと診断されたことを明かした。
プロレスラーから俳優へ転身したメインは、動画の中で「悪い知らせがあるんだ。今日から化学療法を始めるよ。男性の750人に1人は、生涯で乳がんと診断されると言われていて、僕はそのひとりなんだ」と語り、治療を始めたことを報告した。
乳がんは女性の病気として語られることが多いが、男性にも起こり得る。メインは自身の診断を公表することで、男性乳がんへの認知を広げようとしている。
「最初は隠そうと思った」男性乳がんへの偏見も告白
メインは投稿のキャプションでも、率直な思いをつづっている。
「そう、僕は乳がんなんだ。そう、これはものすごく珍しい。乳がん患者のうち男性はわずか1%だけだよ」
さらにメインは、当初は病気を公表するつもりがなかったとも明かしている。
「正直に言うと、最初の反応は“隠しておこう”だった。だって、ちょっと恥ずかしいことのように感じたんだ。でもその後、男性は進行した段階で診断されることが多いと知った。話題にされないし、見つけようとされないからなんだよ」
男性乳がんは認知度が低く、本人も周囲も症状に気づきにくいことがある。メインの言葉からは、病気そのものだけでなく、「男性が乳がんになる」という事実が十分に知られていない現状への危機感も伝わってくる。
妻の後押しで早期発見へ「話し始めることが大事」
メインによると、医師たちは当初、しこりを深刻なものとして扱わなかったという。しかし、妻がしこりを取り除くよう強く後押ししたことで、早期に診断へつながった。
「実際、医師たちはみんなそれを見過ごしたんだ。妻がしこりを取り除くように押してくれたからこそ、早い段階で見つかったんだよ」
メインは、男性の乳がんについて「話し始める」ことの重要性を強調している。投稿では「男性の755人に1人は生涯で乳がんと診断される」とし、早く見つかれば「とても治療しやすい」と呼びかけた。
その後、メインはファンから寄せられた応援に感謝する動画も投稿。「本当に感謝しているよ。僕は大丈夫。がんをぶっ飛ばしてやる」と力強くコメントした。
続けて、「この旅に一緒についてきてくれてありがとう。認知を広げていく必要があるんだ。がんは最悪だけど、十分に早く見つけられれば、この戦いには勝てる」と語っている。
『デッドプール&ウルヴァリン』にもセイバートゥース役で復帰
タイラー・メインは、2000年公開の映画『X-MEN』で、鋭い爪と圧倒的な肉体を持つミュータント、セイバートゥースを演じたことで知られる。
2024年公開の『デッドプール&ウルヴァリン』でも同役として復帰し、往年のマーベル映画ファンを喜ばせた。その他の出演作には、歴史スペクタクル映画『トロイ』、ドラマシリーズ『ドゥーム・パトロール』、ロブ・ゾンビ監督版『ハロウィン』および『ハロウィンII』などがある。
なかでも『ハロウィン』シリーズでは、ホラー映画を代表する殺人鬼マイケル・マイヤーズを演じ、強烈な存在感を放った。
病気の公表が、誰かの早期発見につながる可能性
今回の公表は、単なるセレブリティの闘病報告にとどまらない。メイン自身が語っているように、男性乳がんは「珍しい」からこそ、見逃されやすい。
「恥ずかしい」と感じてしまうこと、話題にしづらいこと、そして医療の現場でもすぐに疑われにくいこと。そうした複数の壁が、診断の遅れにつながる可能性がある。
メインがあえて自身の診断を公表したのは、同じような不安や違和感を抱える誰かに、「男性でも乳がんになることがある」と伝えるためでもあるはずだ。
『X-MEN』でミュータントとして強烈な印象を残したタイラー・メイン。今度は現実の場で、病気への偏見と認知不足に立ち向かっている。
