大ヒット動画『Backrooms(原題)』がA24で映画化。英語版ポスターが公開された。
YouTube発のホラーシリーズ『Backrooms(原題)』が、A24製作による長編映画として2026年5月29日に米劇場公開される。総再生回数約1億回に迫るバイラル動画を手がけたケイン・パーソンズが、自ら監督としてメガホンを取る。さらにプロデューサーにはジェームズ・ワンの名も連なり、ネット発ホラーが本格的なスタジオ作品へと進化する構図が浮かび上がる。
大人気YouTubeホラーがA24へ-19歳監督が自作ユニバースを映画化
『Backrooms(原題)』は、ケイン・パーソンズが手がけるフェイクドキュメンタリー形式のYouTubeシリーズである。無機質な黄色い空間に迷い込むという設定のもと、不穏な“リミナルスペース”の恐怖を描き、インターネット上で急速に支持を拡大。現在までに総再生回数は約1億回に迫る。
その世界観をベースに、A24が長編映画として製作。監督を務めるのは、弱冠19歳のパーソンズ本人だ。夏休みを利用して撮影に臨むという異例のプロジェクトであり、ネット発コンテンツがA24スケールのホラー映画へと昇格する点でも注目を集める。米公開は2026年5月29日を予定している。
A24×ジェームズ・ワン体制が実現-壁だけのポスターが示す不穏な気配
本作にはキウェテル・イジョフォー(『ドクター・ストレンジ』)、レナーテ・レインスヴェ(『わたしは最悪。』『センチメンタル・バリュー』)をはじめ、マーク・デュプラス、フィン・ベネット、ルキタ・マクスウェル、アヴァン・ジョーギアらが出演する。製作にはA24のほか、『死霊館』『インシディアス』のジェームズ・ワンが率いるアトミック・モンスター、シェルニン・エンターテインメント、21ラップス・エンターテインメントが参加。プロデューサーはジェームズ・ワンとマイケル・クリアが務める。単なるネット発企画にとどまらない、本格的なホラー作品としての布陣が整えられている。

『Backrooms(原題)』ポスター ©A24
そして公開されたポスターは、壁紙のみという大胆なビジュアルであった。人物もタイトルも強調されず、ただ無機質な壁面が画面を占める。何も起きていないはずなのに、どこか異様で落ち着かない。その違和感こそが、“リミナルスペース”を恐怖へと転化させてきた『Backrooms』の核心を示しているともいえる。物語の詳細は明かされていないが、このミニマルなビジュアルは、観る者に説明不能の不安を先取りさせるものとなっている。
ネット発都市伝説は劇場空間へ拡張するのか-“リミナル”な恐怖の行方
『Backrooms(原題)』が提示してきた恐怖は、派手な怪異やショック演出ではなく、どこにでもありそうな空間の“違和感”である。終わりの見えない廊下、均質な壁紙、無機質な蛍光灯。その曖昧で境界的な空間は、“リミナルスペース”と呼ばれるインターネット文化の潮流と結びつき、観る者の想像力によって拡張されてきた。

動画『Backrooms』より
今回の映画化は、そうしたネット発の都市伝説的世界観を、劇場という物理的な空間へと移植する試みでもある。観客はスクリーンを通して“迷い込む”体験を共有することになるのか。物語の詳細はいまだ伏せられているが、19歳の監督が生み出したバイラルホラーが、A24のもとでどのように再構築されるのかが注目される。
壁だけのポスターが示した静かな不安は、やがて劇場空間全体へと広がるのかもしれない。
