『バイオハザード』新作がザック・クレッガー監督による“完全な新構築”として再始動。
『バイオハザード』(Resident Evil)の新作実写映画は、“完全な新構築”として生まれ変わることになりそうだ。『WEAPONS/ウェポンズ』『バーバリアン』のザック・クレッガーが監督を務める本作について、製作側は従来作とは「まったくかけ離れたものになる」と明言。長年続くフランチャイズに、作家性を委ねる大胆な決断が下されている。
実写化の難題と“忠実”の限界
ビデオゲームの実写映画化は、長年ハリウッドにとって難題であり続けてきた。数十年にわたる成功と失敗の蓄積により、そのアプローチの道筋はかつてないほど明確になってきたものの、“原作への忠実さ”が必ずしも成功を保証するわけではないという現実も浮き彫りになっている。
デザイン面では、観客が認識し原作と結びつけてきた象徴的なビジュアルに、いかにキャラクターの外見を寄せられるかが重要視される。一方でストーリー面では、原作に忠実すぎる映画がしばしば苦戦を強いられることもある。一般的に最も評価される脚色は、映画監督が独自の道を切り開き自らの強みを活かしながらバランスをとった作品であり、すべてのファンを満足させようとする方向性とはいえない。
そうした文脈のなかで、ザック・クレッガー版『バイオハザード』はどのような位置づけとなるのか。今回のプロジェクトが単なるリブートではないと受け止められる理由は、まさにこの点にある。
『バイオハザード』新作は“完全な新構築”へ――クレッガーに白紙委任状
ソニーはザック・クレッガー版『バイオハザード』(Resident Evil)を2026年9月18日に米公開予定であり、本作は現在編集作業の段階にあるという。コンスタンティン・フィルムのCEOオリバー・ベルベンは、本作をフランチャイズの“完全な新構築”と表現している。
ベルベンは「これまでのバイオハザード作品とはまったくかけ離れたものになるよ。なぜなら、ザック・クレッガーには彼独自のスタイルがあるからね」と語る。長年にわたり映像化されてきたIPを前にしながらも、今回の企画は過去作の延長線上に位置づけられていないことがうかがえる。
さらに彼は、「このIPで好きなようにやっていいという白紙委任状を渡すのは、迷うまでもない判断だったよ」と認める。これは単なる新作の製作ではなく、作家に主導権を委ねるという意思表示にほかならない。
ベルベンはまた、「単なる新しいストーリーのアイデアではなく、新しい世代にIPを委ねて、彼ら自身の手でまったく異なるものを形作ってもらうということなんだよ」とも述べている。ここで示されているのは、フランチャイズの延命ではなく刷新である。
IP重視の潮流が続く現在、既存タイトルをいかに再利用するかが議論の中心になりがちだ。そのなかで、監督の作家性を起点に“再構築”を選択した今回の動きは、実写化のあり方を問い直す試みとしても注目される。
IP時代における挑戦――なぜ大胆な委任が可能なのか
では、なぜここまで監督主導のアプローチが可能なのか。
ベルベンは「アメリカ市場における我々のポジションはユニークなんだ」と説明する。さらに「僕たちにはすでに各地域の配給権を持っているというアドバンテージがある。だからこそ物事をうまく運べる。映画監督たちに、ようやく自分たちの映画を撮るチャンスを提供できるんだよ」と続けた。
各地域の配給権を確保しているという体制的な強みが、創作面での自由度を支えている構図である。フランチャイズを守るために作家性を制限するのではなく、むしろ確立されたIPだからこそ、新たな作り手に託す余地が生まれているとも言える。
観客はしばしばオリジナル作品を求めるが、既存IP重視の潮流が急激に変わる兆しは見えにくい。そのなかで現実的な理想形として浮かび上がるのが、監督におなじみの素材へ独自の個性を吹き込む自由を与えるプロジェクトである。
再構築版『バイオハザード』新作の今後の動向に注目だ。


