エミリア・クラーク、『ゲーム・オブ・スローンズ』を終えて“ファンタジー卒業”の意向「ドラゴンに乗る可能性は低い」

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エミリア・クラーク

エミリア・クラークが『ゲーム・オブ・スローンズ』後、ファンタジー作品から距離を置く理由を明かした。


HBOドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でデナーリス・ターガリエンを演じ、一躍世界的スターとなったエミリア・クラーク。同作で8年間を過ごした彼女が、現在はファンタジージャンルから「ほぼ卒業」する考えであることを明かした。

新作スパイシリーズ『Ponies(原題)』のプレスツアーの一環として、『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に応じたクラークは、『ゲーム・オブ・スローンズ』後の自身のキャリア観について率直な思いを語っている。

「ドラゴンに乗る姿を見る可能性は極めて低い」

『ゲーム・オブ・スローンズ』で“ドラゴンの母”デナーリスを演じたクラークだが、今後ファンタジー作品に本格的に関わる可能性は低いという。

彼女は取材に対して「ドラゴンに乗る姿や、ドラゴンと同じ映像に収まる姿を見る可能性は極めて低いでしょうね」と語っている。

8年にわたり同作の中心人物を担った経験を踏まえつつも、クラークはファンタジーというジャンルそのものから距離を置く姿勢を示した。これは過去の代表作を否定するものではなく、ひとつの大きな区切りを経た上での選択であることがうかがえる。

最終章で突きつけられた、予想外の運命

クラークが演じたデナーリス・ターガリエンは、『ゲーム・オブ・スローンズ』最終シーズンにおいて、物語の中心で大きな転換を迎えた。理想と正義を掲げてきたキャラクターは、物語終盤で「狂える女王」へと変貌し、シリーズの主要な悪役のひとりとして描かれることになる。

この展開について、クラーク自身も事前に予想していなかったという。彼女はかつてエンターテインメント・ウィークリー誌の取材で、最終脚本を読んだ際の衝撃を振り返っている。

「え、え、え、ええっ!?」

デナーリスの死を知った瞬間について、クラークは「本当に突然のことだったから。唖然としたよ。絶対に予想してなかった。泣いちゃった」と語り、その後「家を出て、鍵と携帯だけ持って歩いて、足に水ぶくれができた状態で戻ってきた。5時間も帰ってこなかったんだ」と当時の動揺を明かした。

さらに彼女は、「『どうやってこれを演じればいいの?』って思ったよ」と振り返り、精神的な整理が追いつかないまま役と向き合わなければならなかった心境を吐露している。混乱の中で母親に電話をかけ、「脚本読んだんだけど、何が起こるか言いたくないけど、ちょっと落ち着かせてくれない?本当に動揺してるの」と助けを求めたことも語られた。

この一連のエピソードは、最終章で描かれたデナーリスの運命が、演じ手にとっても決して容易に受け入れられるものではなかったことを物語っている。

視聴者の反発と、それでも役に向き合った理由

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終シーズンで描かれたデナーリスの急激な変貌は、多くの視聴者から強い反発を招いた。物語の積み重ねに対して結末が性急すぎると感じた声は少なくなく、シリーズの評価を大きく分ける要因ともなった。

こうした反応について、クラーク自身も無関心ではなかった。2020年、彼女はサンデー・タイムズ紙の取材で、シリーズ後半が会話やキャラクター描写よりもセットピースを優先していた点に、不満を感じていたことを明かしている。

その後、米『ザ・ハリウッド・リポーター』誌からシリーズの結末と和解できたかと問われた際、クラークは率直にこう答えている。

「本当に和解できたよ。本当に、本当に、本当にね」

ただし、その境地に至るまでには時間が必要だったという。「客観的に『ゲーム・オブ・スローンズ』が何だったのかを見られるようになるには、90歳くらいまでかかると思う」と語り、作品と自分自身があまりにも深く結びついていたことを振り返った。

一方で、MTVのインタビューでは、視聴者の怒りについても理解を示している。クラークは「人々が怒る理由はわかる」とした上で、俳優としての立場から次のように語った。

「私は俳優として、10年間血と汗と涙を注いだキャラクターに正義を尽くすには、同じ認識に立たなければならないんだ」

感情的に反発するのではなく、「ちゃんと向き合わなきゃいけない」という姿勢を貫いたことが、彼女にとってデナーリスという役を演じ切るために不可欠だった。賛否を巻き起こした結末の裏側には、そうした俳優としての覚悟があったことがうかがえる。

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