ポール・ダノがタランティーノからの酷評にコメント「世界が声を上げてくれた」-トニ・コレットも擁護「ハイだったんでしょ」

ポール・ダノ(左)、クエンティン・タランティーノ(右) NEWS
ポール・ダノ(左)、クエンティン・タランティーノ(右)

俳優ポール・ダノが、クエンティン・タランティーノによる酷評について、初めて自身の言葉で胸中を語った。


俳優ポール・ダノが、クエンティン・タランティーノから向けられた過激な批判について公の場で言及した。

タランティーノは、ポール・トーマス・アンダーソン監督作『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)におけるダノの演技を酷評し、「全米映画俳優組合(SAG)で最も力のないク*俳優」とまで表現。この発言は、業界内外で大きな波紋を広げていた。

タランティーノ発言が引き起こした論争

騒動の発端は、約2か月前にタランティーノがブレット・イーストン・エリスのポッドキャストに出演した際の発言だった。同監督は「21世紀の最高の映画」を語る中で、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を本来は1位か2位に置くべき作品としながらも、ダノの演技が理由で順位を5位に下げたと明かした。

「明らかに、これはふたりの主演による映画であるはずなんだ。でも、それがふたりの主演作じゃないってことも劇的に明らかなんだよ」と語り、主演のダニエル・デイ=ルイスとダノを比較。さらに「彼に力がなさすぎるんだよ。力がなくて、ダニエルが彼を食ってるんだよ」と断じ、「全米映画俳優組合で最も力のないク*俳優」とまで言及した。

この率直すぎる批評は即座に拡散され、賛否を呼ぶ論争へと発展。ダノ本人が沈黙を貫く一方で、俳優仲間や映画関係者、ファンから擁護の声が相次ぐ事態となっていった。

沈黙を貫いてきたダノが語った胸中

ポール・ダノは、タランティーノの酷評が拡散した後も、自身の立場について公に反論することはなかった。その沈黙について、彼は今回、米Variety誌の取材に応じ、初めて理由を明かしている。

「本当に嬉しかったよ」と語ったダノは、「世界中が僕のために声を上げてくれたおかげで、僕自身が何も言わずに済んだことに心から感謝しているんだ」と続けた。自身が前に出て反論するのではなく、作品や演技そのものへの評価が自然と可視化されたことが、何よりも大きかったという。

実際、タランティーノの発言後、ソーシャルメディア上ではダノの演技を再評価する投稿が相次ぎ、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で見せた二面性のある演技や、その後のキャリアに対する賛辞が改めて共有された。ダノは、そうした反応そのものが、自身にとって十分な答えだったことを示唆している。

共演者と監督が示した擁護と分析

今回の騒動については、ダノ本人だけでなく、彼と仕事を共にしてきた関係者からもさまざまな声が上がった。

今年のサンダンス映画祭で行われた『リトル・ミス・サンシャイン』の20周年記念上映に先立つ質疑応答で、ダノはタランティーノの発言について問われたが、共演者のトニ・コレットが先に反応している。

本当にその話するの?あんな人クソくらえだよ!絶対ハイになってただけだよ……ただただ混乱したよ。あんなことする人っている?」と、強い言葉で困惑と憤りを示した。

また、同作を手がけた監督のジョナサン・デイトンは、タランティーノの発言を「恥ずべきこと」と断じ、「彼の演技の生々しさがタランティーノを不快にさせたとしか思えない。簡単に分類できなかったんだよ」と分析。ダノの演技が持つ曖昧さや危うさこそが、評価の分かれ目になった可能性を示唆した。

ヴァレリー・ファリスもまた、「興味深かったのは、ポールを擁護するために声を上げた人々だよ。すぐにね……彼は本当に多くの人に愛されている。彼はとてもスマートだよ」と語り、今回の論争が、結果的にダノの人望と評価を浮き彫りにしたことを指摘している。

俳優たちと業界から広がった支持の声

タランティーノの発言は、ダノ個人に向けられたものにとどまらず、他の俳優にも及んでいた。
同監督はオーウェン・ウィルソンマシュー・リラードについても、俳優として「興味がない」と語っており、これに対しリラードは12月のギャラクシーコンで率直な思いを明かしている。

傷つくよね。本当にクソだ。トム・クルーズにはそんなこと言わないだろう。ハリウッドのトップライン俳優には、そんなこと言わないはずだ」と述べ、率直さの裏にある力関係にも言及した。

一方で、この騒動は結果的に、ダノや名指しされた俳優たちへの支持を業界内外に可視化する形となった。今年初めにAARPから賞を受け取ったジョージ・クルーニーは、ダノやタランティーノが酷評した俳優たちについて、「一緒に仕事ができたら光栄だ」と語り、明確な形で擁護の姿勢を示している。

タランティーノの率直な批評は、議論を呼ぶ一方で、俳優という職業の評価が誰の言葉によって決まるのかを改めて問いかける結果となった。沈黙を選んだダノの姿勢と、それに応えるように広がった支持の声は、この論争にそうした新たな側面を浮かび上がらせた。

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